山本七平botまとめ/「イギリスによるタチャンブリ人の部族間戦争禁止」と似ている「アメリカによる平和憲法」

山本七平著『存亡の条件ーー日本文化の伝統と変容ーー』/第二章 民族と滅亡/異質文化の衝撃と波及的効果/25頁以降より抜粋引用。
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山本七平bot @yamamoto7hei

①【異質文化の衝撃と波及的効果】前章の最初に記したように、タチャンブリ人の社会は、イギリスの影響を受けて一変した。 だが、いうまでもなくイギリスは、タチャンブリ人の社会における男女の役割を一転させようとして、その政治的影響力を行使したのではない。<『存亡の条件』

2013-03-27 14:27:57
山本七平bot @yamamoto7hei

②従ってその変化は、イギリスも予期しない一種の波及的効果だったといえる。 こういった波及的効果は、異なった二文化の接触の際必ず起こるものだが、それらの多くは、社会の機構がタチャンブリ人のごとく単純明確でないため、誰にでも明確にわかる表面的現象にならず、逆に、内攻してしまう。

2013-03-27 14:57:43
山本七平bot @yamamoto7hei

③前述のように、戦後の平和憲法の一部は、タチャンブリ人への、イギリスによる部族間の戦争禁止と似た面がある。

2013-03-27 15:27:53
山本七平bot @yamamoto7hei

④もちろんアメリカの意図は日本の精神面・物質面における完全な武装解除であり、それ以外に彼らは何も意図していなかったと思われるが、それが、彼らには考えも及ばなかった波及的効果を全日本に与えたところで不思議ではない。

2013-03-27 15:57:43
山本七平bot @yamamoto7hei

⑤もちろん同じ現象は、もっと複雑な形で明治にもあった。 そしてその波及的効果はさまざまに作用し合って、タチャンブリ人の社会に見られるとはまた形の違った一種の倒錯を生んだ。 これは政治的・社会的倒錯と呼ばるべきものかも知れない。

2013-03-27 16:28:00
山本七平bot @yamamoto7hei

⑥その焦点は後述する様に「現人神天皇制」があるわけだがそれらに進む前に二つの文化の接触による二重基準から身動きができなくなって滅亡した一例の今に残る詳細な記録の一部を紹介しよう。それは二千年前のユダヤ民族の滅亡であり、それを記したのはフラウィウス・ヨセフスという一ユダヤ人である。

2013-03-27 16:57:43