コナミアーケードコレクションこぼれ話その３：リプレイの話。

ゆんゆん探偵 @yunyundetective

コナミアーケードコレクションこぼれ話その３：リプレイの話。

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弊社でオールドゲームのコンピレーションを作成する時は、事情が許す限り、ゲームの「リプレイ」機能を搭載する事にしている。プレイヤーがゲームをプレイした動作を逐一「録画」して保存しておき、あとから「再生」出来るようにする機能だ。

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当然のようにコナミアーケードコレクションでも、リプレイ機能を搭載する事にした。ＤＳの少ないメモリでなるべく長時間のリプレイを撮れるようにするために色々技術的な苦労をしたのだが、今回の本題はそちらでは無い。

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弊社の移植タイトルでは伝統的に、「スーパープレイヤーによるスーパーリプレイ」を収録する事にしていた。達人の超うまいプレイを見ることはそれ自体にプレイバリューがある。買ったまま積んでしまいがちなオールドゲームの購入者への、バリューを増やすアプローチの一つだった。

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だが、オールドゲームのスーパーリプレイを収録するのには実は様々な困難が伴うのだ。

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１．対象ゲームのスーパプレイをプレイ出来る人間を捜さないといけない。オールドゲームの往事のスーパープレイヤーと言ったら、今ではふつう立派な勤め人だ。まずコンタクトを取るところから大変。しかも、その人が当時の腕を保っているかどうかもわからない。入り口からまず大変なのだ。

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２．報酬の困難。オールドゲームのコンピレーションとか、そんなに潤沢な予算の出る仕事でも無い。いきおい、薄謝かほとんどボランティアに近い形で関わっていただくことになる。スーパープレイヤーの方々は概して協力的なものなのだが、やはり心苦しいものはある。

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３．スケジュールの困難。相手も自分の仕事を持っている社会人なので、収録スケジュールは非常にタイト。収録はたいがい週末をつぶして行うことになる。また、往時のプレイ勘を取り戻すのにもけっこう時間がかかったりして、いつもスケジュールはぎりぎりだった。

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４．リプレイデータの互換性。さらに致命的な問題として、「リプレイの互換性問題」があった。ゲームのリプレイは、大抵ゲームを開始してから一連のコントローラーの入力情報のアーカイブとして記録する。

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だが、移植の完成度を上げるためにゲームエンジンのバグを直したり修正を入れたりすると、同じキー入力をしても同じ反応が返ってこなくなる事がある。リプレイの互換性が崩れるのだ。つまり、それまで収録したリプレイが全てちゃらになる。

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こうなると、リプレイは１から撮り直しになる。オールドゲーム移植において元ゲームの再現度はユーザーの見る最重要事項なので、勢いゲームエンジンの修正は開発の最終盤まで続く。リプレイの収録もぎりぎりまでずれ込むのが常であった。

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さて、コナミアーケードコレクションの話だ。１５本ものオールドタイトルを収録する本タイトルで、１５本ものスーパーリプレイを収録するのが困難であるのは火を見るより明らかだった。１５本のゲームに対する１５人ものスーパープレイヤ－、期間内に発見して全てを手配する算段など立ちようが無い。

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だが、何のリプレイもＲＯＭ内に収録されていないというのは、いかにも味気なくて我慢がならなかった。オールドタイトルコンピレーションというのは、単に古いゲームを詰め合わせただけの廉価版であってはいけない。今さわることでそのタイトルを見直す契機を遊ぶ人に伝えたいではないか。

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結局、コナミアーケードコレクションでは、「１５本全てのゲームについて、はじめてこのゲームを遊んだ人の参考になるような、お手本リプレイ」を収録することにした。

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収録の方針は以下のようなものとなった「はじめて当該ゲームを遊ぶ人間が収録する」「ゲームをまるまる一周クリアするまでを収録する」「プレイはノーミスを前提とする」

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リプレイの収録は、これらのゲームを遊んだことは無いがゲームの腕は立つ若いスタッフに頼むことになった。彼がそのゲームを遊んで上達し、ぎりぎりクリア出来るようになった時点の過程が、リプレイとして収録されることになった。

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当時遊んでいた人間から見ると、ところどころ変に見えるプレイがあるのはそのせいだ（グラディウスのリプレイなどで顕著）。だが、そのゲームに初めて触れる人にはかなり参考になるリプレイが集められたと思う。

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こうして、一部例外はあるが、コナミアーケードコレクションのリプレイは「未経験者によるクリアまでのお手本リプレイ」というテーマで統一して収録したのだった。

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ちなみに「一部例外」のひとつはサーカスチャーリーのリプレイで、サウンドの仕事をお願いしたベイシスケイプの並木学氏による物。当時サーカスチャーリーにはまりまくったという氏により、全ての隠しフィーチャーを拾うリプレイを収録してもらった。これはこれでお手本としてアリ(^^

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あと、魂斗羅のリプレイだけは私が収録した。デバッグ中に上達し過ぎてしまったので、リプレイ収録時はちょっと力を抜いてるけど(^^; 初代魂斗羅は慣れるとほとんどノンストップクリアが可能なんだよなあ。

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コナミアーケードコレクションこぼれ話その３・おわり。