葉推詩選:2013年、春。

1
前へ 1 2 ・・ 5 次へ
葉月野 @hadukino_tc

迎える準備を。三月の終わりに薄霧のカーテンフォール。四月に訪れない新章。静かに散る桜。祈りは誰に向けたものでもない、言葉にもならない。形もない。意味すらも持たない。なにものでもなくなる。ただ消えかけた足跡だけが。

2013-03-31 21:25:30
葉月野 @hadukino_tc

春の優しい雨が桜をうつ。雨が降り花を散らす。地面には汚れた水と踏みにじられた花弁でぐちゃぐちゃになったものが。無惨にみにくく変わり果てた春の光景。

2013-04-03 06:50:42
葉月野 @hadukino_tc

春の温かさに佇んでも、ぬくもりを失った日々は続く。

2013-04-03 20:37:03
葉月野 @hadukino_tc

空も地も桜色に染まる今。もう二、三日経てば桜色は全て地に落ち空には緑が広がり、その上には晴天が広がるのだろう。並木道に一人佇み見つめる色の変遷。

2013-04-04 07:05:33
葉月野 @hadukino_tc

虚ろに取り囲まれた生活、忙しくとも虚しいばかりの仕事、のめり込もうとするほど空虚感に包まれる趣味。

2013-04-04 07:13:18
葉月野 @hadukino_tc

春が癇癪を起こしてしまいには泣き出してその後笑ったような一日だった

2013-04-07 18:22:20
葉月野 @hadukino_tc

桜も全て散ってしまって。一区切りついたんだろうな。私を置いて。

2013-04-07 18:25:06
葉月野 @hadukino_tc

電車の揺れと痛みのサイクルは重ならない。悲しみの起伏とは似ているかも知れない。

2013-04-07 19:14:44
葉月野 @hadukino_tc

無駄に動いて空っぽを埋めようとしている。埋まるわけでもないのに。窓の外の真っ暗な景色にゆられながら。

2013-04-07 19:17:44
葉月野 @hadukino_tc

吐き出した負の感情をどうにか形にでもしたらせめて少しはすくわれでもしないかと足掻く。足掻く余裕すらなくなったら多分かなり追い詰められているのだろう。

2013-04-09 22:16:35
葉月野 @hadukino_tc

なんだよ、なんだよと誰でもないものを責める。膝に叩きつけた手の痛みは何の気休めにもならなかったし、胸の痛みを取り除きもしなかった。ぶつける宛のないぐつぐつした感情は吐き出す先も見つからず嘔吐感ばかりを募らせた。明日もまた同じ気持ちを味わうのか。

2013-04-09 23:06:10
葉月野 @hadukino_tc

夜は不安で眠れず、昼は不安で目を閉じていたくなる。

2013-04-10 07:20:45
葉月野 @hadukino_tc

誰も相手にしない紙くずをそっと拾い上げてぽいとゴミ箱に入れるくらいあっけなく消せる過去もある。

2013-04-10 07:48:04
葉月野 @hadukino_tc

綺麗なもの、心安らぐものを目にしてすら、見終わった後に襲い来る堪え難い現実を予感して思い知らされるんだろう。

2013-04-12 19:05:13
葉月野 @hadukino_tc

「何のために生きるのかわからなくなってしまった。何が本当の想い出で、ぼくはがらくただったのか、ほかの何かではなかったのか」 『がらくたの記憶』/葉月野 http://t.co/yl9viOvyOn #poem

2013-04-13 00:48:58
葉月野 @hadukino_tc

昇華できるとも思えないし思ってもいないけど、おとぎ話くらいにはしてしまえるだろう。そして突き放せるのならなおいい。そこまで開き直るにはまだまだ至らないけれども。

2013-04-13 00:54:38
葉月野 @hadukino_tc

一つふたを閉じて。中身は観ないようにして。もう一つは開けたままにしておいて。逃げ道と言ってしまえばそれまでだけど、奥の奥まで閉じこもる必要もないはず。

2013-04-13 02:06:12
葉月野 @hadukino_tc

桜並木にまだ、枝に一輪、二輪、まだ花が残っているものがあった。思いきれないでいるのか。私と同じように。

2013-04-13 19:16:49
葉月野 @hadukino_tc

「気にする誰かがいるといい/相憐れむ関係でなければいい」 『残桜』/葉月野 http://t.co/KfWnVU9Zz4 #poem

2013-04-13 20:21:15
葉月野 @hadukino_tc

小窓を一つだけ開けている。相変わらずの景色、吹き込む風、気づけば見えなくなっていたもの、寄り付かなくなった小鳥、目にしないように半分閉めたカーテン。夜空は嫌いだ。無情な現実の広がりに打ちのめされるから。晴天も嫌い。明るすぎて目が眩むから。考えずに済むところがあればそれでいい。

2013-04-14 21:34:31
葉月野 @hadukino_tc

夜明けの光は苦しい。一日の始まりは今日という苦痛の始まり。雨の朝は悲しい。濡れてますます惨めになるから。曇りの朝は少し救われる。今日を曖昧にしてくれる。

2013-04-15 06:50:35
葉月野 @hadukino_tc

カーテンの隙間から月が覗いている。半目のように。笑っているように。

2013-04-17 22:38:04
葉月野 @hadukino_tc

駅前には家族や大事な人の送り迎えだろう、たくさんの車が入れ替わり立ち替わり入ってくる。無理に道を塞ぐ車もいる。「他人」であれば迷惑をかけているとも思わないのだろう。あなたの大事な人も同じ様に「他人」扱いされれば嫌だろうに。

2013-04-19 23:50:53
葉月野 @hadukino_tc

逃した朝が告げそこなったものを取り戻すためにどうしようか思案する。ここにいるしかない事実を見つめながらまだ旅立つ方法を探す。花水木もそろそろ散ろうかというのにまだ桜の頃を懐かしむ。迷いが置いて行った苦悩は次の季節まで続くのだろうか。忘れたいこと。求めるもの。平穏な日常。幸福な結末

2013-04-20 08:23:16
前へ 1 2 ・・ 5 次へ