狂人演説（2013/04/29）：人権、世代、わいせつ、あぶれたオス

犬神工房 @nokkaranoumu

権利そのものは人間関係や仲間の中から生ずるもので、本来個人に権利があるわけではないのだが、人間関係そのものは表現＝コミュニケーションや、内心＝学習や情動から生じるものなので、それらも保障しないと、任意の誰かの権利はパーフェクト踏みにじりうる。

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「お前は俺に従わなければならない」「お前の話なんか聞いてない」「お前の気持ちなんかどうだっていい」これはものすごい権力だ。人間関係やコミュニケーションや内心を破壊すると可能になる。だが、こんなもん即行で問題になるわな。普通は殴り合いになるから。

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殴り合いにならないためには「お前は俺に従わなければならない」「お前の話なんか聞いてない」「お前の気持ちなんかどうだっていい」と言わせないための何かの工夫が必要だ。あっ、あと「お前は逃げられない」「お前のものは俺のもの」もあったな。そういう権利を個人に人工的に持たせたのが人権だ。

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人権はそうとう擬制的な権利だが、それがあると権利そのものは保護されるから、効果は抜群だ。大事な力だよ。

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何で「人権は権利の基礎」と言わずに、「人権は擬制的な権利だが、それが回帰的に権利を補強する」というのかって？　（続）

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（続）みんな人権を疑わしいと思っているからさ。そこには誠実に答えねばならん。その上で「でも人権はこれこれこういう風に効果は抜群だ！」と説明せな、ますますそんな人権は支持されない。だからそこを考えて数日かかっているわけだ。（続）

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（続）とりあえずの結論が「権利は人間関係以上のレイヤからしか生じないが、下のレイヤである内心やコミュニケーションを補強すれば、権利は補強されるので、効果は抜群」だ。こっから先また何か変わる可能性は大いにあるが、暫定的にはこれだ。ではなぜ「わいせつを保護しなければならないか」（続）

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（続）ここは宿題。（ええー）俺もまだ悩んでいるところなのよ。集団の全成員の不愉快（断じて社会や種類別クラスタではない。社会やクラスタの全成員が不愉快なんて想像もつかねえよ）に抵触したらそれはその集団の中では当然規制できる。そりゃそうだ。だが、クラスタではどうだ？　（続）

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（続）何かの種類別クラスタ「全員」にとって不愉快なことというのは普通存在しない。逆に、クラスタの中で不愉快「だと感じていない」人は普通存在する。そうなったらその人は排除しなければならない。集団なら数が一人二人三人だから簡単だが、クラスタだったら難しいだろうなあ。（続）

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じゃあ、どっかの集団が、自分たちの属する（どっかの種類別クラスタ（集団がクラスタの完全な一部であることが条件。そういうのではない政府が何かするのはまた別の話になっちゃうので）で「我々はこれが不愉快だからこのクラスタから排除したい。多数決を採ります」は通るのか。（続）

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（続）「多数決を採ります。少数派の意見は念入りに見なかったことにします」ということをする（やればできるからね）と、結局少数派を追い出さざるを得なくなります。そうなるとその少数派は新しい種類別クラスタを作ります。それそのものはそれでよい。しかし。（続）

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（続）わいせつは特にそうだが、「同じ人」が「違う時期」に派閥を入れ替える場合はどうなるか。あなたは子供が出来る前にわいせつに触れませんでしたか。さて、子供が出来た後でわいせつに触れたくないと思った。どっちも正しい以上、お互い何らかの取り決めはしなければならない。（続）

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（続）だが、「子供が出来たからわいせつに触れたくないからわいせつをなくそう。わいせつが必要な子なしのことなんか知るか」となるとどうなるだろうか。まずは対立だろう。自分の都合が大事な人は（ままあることだ）そんなことはどうでもいいのだろう。それはそういうものだ。しかし。（続）

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（続）自分は卒業したから後続を断つ、ということをするとどうなるかというと、後続はあなたとは全く別の性質になっちゃう。あんまり言いたくないが、世代は30歳で変わるが、一生は30歳で終わらないので、当分あなたはあなたと性質の違う後続に囲まれることとなる。つまり。（続）

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（続）「最近の若い奴は」ならまだいい。コミュニケーション出来ない度合いが増せば増すほど、あなたの心の平安は脅かされる。場合によっては自分の子に脅かされる。それは基本的にもう取り戻せない類のものだ。30年間の断絶が生んだものだ。そういう断絶をもたらしたいとは思わないだろう。（続）

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（続）まあこれは断絶の話なのでわいせつの話ではないが、わいせつが断絶したらどうなるか考えてみるのはとても面白い。わいせつは「セクシュアリティやエロスが社会やクラスタに悪影響を及ぼす場合」という意味だから、わいせつを断絶するというより、セクシュアリティ・エロスを断絶する、だ。（続）

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（続）ちょっと説明が必要かも知れない。セクシュアリティはプライバシーを構成しているものであり、性愛の対象なら縄張りに入っていいけど、そうでない相手なら追い払う相手なんだ。んで、人間の場合は群れなのでちょっと違ってくるのだが、（続）

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（続）プライバシーが群れの都合で縮小している場合は（昔のバンド等ではそうだ）、入れるとか追い払うとかは群れの都合によるところが出てくる。そうなると性愛はprivateではなく群れの中の半private半public（protected）となる。それで。（続）

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（続）性愛において好みってわかれるんですよ。端的に言うとハーレムとあぶれたオスが出てくることがよくある。じゃああぶれたオスはどうなる？　下剋上がよく見られる。それでは群れは安定しない。（続）

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（続）あんまり言いたくないけど、ハーレムの「俺はセックスができるからやっている」の権力は、メスの利害を考えない限りにおいてイヤなのだし、それ以上にあぶれたオスの「俺はセックスができないから奪ってやる」の強姦はメスはもっとイヤなわけですよ。当たり前ですが。（続）

犬神工房 @nokkaranoumu

（続）そしてヒトは当初は基本的に平等なバンド社会、かつ女性が行き来するシステムだったが（その是非は問わないが、ハーレムとあぶれたオスでなかったことは確かだ）、チーフダム社会になったら即ハーレムとあぶれたオスで満ちたのです。当然既に出ていた社会不安が生じる。そこで。（続）

犬神工房 @nokkaranoumu

（続）人類は何を「発明」したか。売春です。売春ははぐれたオスの問題を解決しましたが、また大きな問題を沢山生んでしまいました。特にその世界に参加しているメスにとって望まないセックスや性病や望まない妊娠のリスクは大きかった。（オスとかメスとかひでえな）（続）

犬神工房 @nokkaranoumu

（続）売春は今でも望まないセックスや性病や望まない妊娠のリスクを抱えています。それでもあぶれたオスの需要を満たしているので、やっぱ偉い仕事ですよ。これに関しては私はこれ以上何も言える立場にはないので勘弁してほしい。んで、人類が発明したもう一つが、ポルノです。（続）

犬神工房 @nokkaranoumu

（続）端的に言って、サービスを含めた財の制限上、欲しいサービスや財が手に入らないというのは、個人や集団にとって苦痛なことなのだから、その集合体である社会はどういう形であれこれを解決する手段を模索したり、しないで引き続き苦しんだりします。少しでも解決するに越したことはない。（続）

犬神工房 @nokkaranoumu

（続）さて、あぶれたオスの需要と供給の不一致という問題は、売春によって軽減されるかという話になりましたが、結果的にこの世界に参加したメスの負担が大きすぎるということになってしました。困りましたね。ではメスの負担が小さい方法はないのか？　別の発明品としてのポルノについて。（続）