茂木健一郎氏 @kenichiromogi 【世界遺産…ただ無批判にありがたがるのは、やめた方がいい】連続ツイート
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ふみ(1)富士山が世界遺産に登録される見通しとなった。関係者の方々に、まずはお祝い申し上げます。私がある程度知っているのは富士吉田の神社と富士講関連の施設だけれども、確かに、文化的に見て、世界遺産にふさわしいと思う。富士急行の関係者の方々も、よろこんでいらっしゃるだろう。
2013-05-01 07:07:52ふみ(2)それにしても、今朝、トップニュースが世界遺産だったのには驚いた。日本人は「世界遺産」が本当に好きである。おそらく、これが例えばアメリカだと、これほどの話題にはならないと思う。「世界に認められた」という付加価値についての、強迫観念があるのだろう。
2013-05-01 07:09:09ふみ(3)「世界遺産」の背後にあるのはユネスコで、ある特定の組織であり、ガバナンスである。それは、絶対的なものではない。日本人が世界遺産を尊重するのは、水戸黄門の印籠のようなもので、お墨付きをありがたがるメンタリティだろう。一方アメリカはユネスコや国連には懐疑的である。
2013-05-01 07:11:00ふみ(4)例えば、今回の勧告が、三保の松原を除外したこと。、ユネスコの諮問機関イコモスが、日本人の伝統的美意識を理解できなかったというだけの話。富士山は、遙拝するものでもある。各地に「富士見」という地名がある。三保の松原からの長めは文化遺産だ。
2013-05-01 07:13:30ふみ(5)三保の松原からの富士山の眺めが文化的価値があるということを十分に説得できなかったことは反省すべきだろうが、イコモスの「45キロも離れている」というコメントは遙拝だとか、見立てだとか、日本の伝統的美意識を理解していないことの証左であって、その程度の機関だということである。
2013-05-01 07:15:22ふみ(6)「世界遺産」の選択が、それなりに良心的に行われていることは疑いないだろうし、観光などのプロモーションにつながることも事実だろう。しかし、それがある特定の価値観、組織、ガバナンスによって運営されていることを抜きに、ただ無批判にありがたがるのは、やめた方がいいと思う。
2013-05-01 07:17:00ふみ(7)グローバル化の時代において大切なのは、多様性であり、行き交いである。異なる自然環境や、文化遺産に接するひとつのきっかけ、フックとして「世界遺産」があるのは良いけれども、それが単一の価値の基準、評価の秩序を押しつけるものならば、むしろ害悪ですらある。
2013-05-01 07:18:53ふみ(8)今回落選した鎌倉は、景観に気をつかって、開発も押さえ、静かな雰囲気を保ってきた。北鎌倉のあたりは、小津安二郎監督の映画に描かれた頃と全く変わっていない。ユネスコが指定しないというのならば、大いに結構。それは君たちの損失であって、我々の損失ではない。
2013-05-01 07:20:44ふみ(9)アメリカならば、ユネスコがぐずぐず言うと、拠出金減らすぞ、と反応するところだろう。「世界遺産」を全否定するわけではないが、良いものにするためには冷静で実務的な視点が必要である。多様な文化的価値が評価されない組織ならば、変えるための提案を日本がするべきだろう。
2013-05-01 07:22:14