パターンを発見的に書くこと

「パターンを発見的に書くこと」について、井庭先生が連続でつぶやいておられたので、まとめておきました。
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井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

求められているのは「パターンが発見的である」というとき、自分も含め、この人やあの人も、このパターンを読んでハッとするだろうか、という想像力だ。

2013-05-06 21:14:25
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

その想像力を広げ、確かな確信に変えるためには、「自分にとって発見的か」「周囲の人に発見的か」「世の中の人にとって発見的か」を考えるとよいだろう。

2013-05-06 21:16:40
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

まず第一の「自分にとって発見的か」というのは、他のメンバーが言ったコツや、みんなで編み出した(理解が到達した)コツを考えたときに、「おお、それはアツい」と思うかどうかだ。

2013-05-06 21:18:15
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

僕の制作経験では、最も「自分にとって発見的」だったのは、Generative Beauty Patternsの「なんでもできる日」だ。これは、制作途中から、さっそく実践したし、このころはこのことばかり考えていて、周囲にも言いまくっていた。

2013-05-06 21:19:29
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

第二の「周囲の人に発見的か」は、制作中に実際に口に出して周囲に言ってみるとよい。これは、あまりみんなやらないけれども、ものすごく効果的。自分で普段使いしてみて、他の人が「なるほどね!」というかどうかなど、確かめてみるのだ。

2013-05-06 21:21:06
せしも @seshiapple

@takashiiba ありがとうございますー! ぼく自身このふたつの罠に陥りやすいので、気をつけて進めていきたいと思っています。もっとうまく書けるようになったら、かなり違う風景が見えるんじゃないかとワクワクしてるので!

2013-05-06 21:23:33
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

例えば、コラボレーション・パターンの「世界を変える力」や「ファンをつくる」は、プロジェクトメンバーのなかに体験者が少なく、何度も何度も、そのメンバーたちにとって発見的であるようにと、言い方を変えて語っていった。

2013-05-06 21:23:51
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

@seshiapple うん、違う形式が見えるだろうね!理論なども実践のなかに込み込みで、よい方法を編み出してください。

2013-05-06 21:24:43
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

第三の「世の中の人にとって発見的か」というのは、世の中一般で言われていること(しかし、それがうまく解決できていないこと)とは、よい意味で異なる内容になっているかどうか、ということのチェックだ。

2013-05-06 21:26:13
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

この実例はなんといっても、コラボレーション・パターンの「共感のチームづくり」( http://t.co/e5A1VNvUUJ )。このパターンは、世の中でよく言われる「多様な専門の人を集めるとよい」(しかし実際には日本ではうまくいきにくい)ということを踏まえた上で書かれている。

2013-05-06 21:28:20
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

この第三のチェックをするためには、世の中でどのような問題がクリティカルで、どのようなことが言われているのかを把握していないといけない。通説を知るだけでなく、通説の限界や現状なども理解する必要がある。

2013-05-06 21:29:38
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

もちろん、通説をただ覆せばよいというわけではないので、あくまでも、自分たちが大切だと思い、パターンとして書こうとしていることが「発見的」であるかのチェック&チューニングとして、このことを行なう。

2013-05-06 21:30:24
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

最後に、ランゲージ全体のなかでのパターンの割合について。

2013-05-06 21:35:03
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

パターン・ランゲージが最終的に目指しているのは、理想的な状態(質)の実現である。しかし、ともすると、制作中は、問題に陥りがちな人をマイナスからゼロに救ってあげるパターンばかりができてしまいがちだ。

2013-05-06 21:35:38
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

(自分も含め)できていない人の周辺のパターンばかりつくっていてはいけないのである。だからこそ、意識してキラキラパターンや理想に近いパターンをつくっていく必要がある。

2013-05-06 21:36:49
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

僕の感覚では、3分の1ずつに分かれるのではないかと思っている(厳密な数字ではないけれども)。最初の3分の1が基礎的なパターンで、実践している人も多いパターン。これはこれでランゲージとしては必要。

2013-05-06 21:38:14
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

次の3分の1は、やっている人はやっているけれども、他の人はあまりやっていない(もしくは、できていない)というパターン。

2013-05-06 21:38:58
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

そして、最後の3分の1は、実践している人が少なく、そもそもそういう発想をしている人が少ないというようなパターン。

2013-05-06 21:39:42
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

このような構成でつくられていれば、多くの人にとって発見的であり、魅力に思えるパターン・ランゲージになるだろう。

2013-05-06 21:40:18
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

もちろん、単に奇をてらうのではなく、理想な状態(いきいきとした質=名づけ得ぬ質)を生成するためのパターンを書くわけだけれども、パターンの取捨選択やセルフチェックには、以上のような視点・基準が参考になるのではないかと思う。

2013-05-06 21:41:36