葉推詩選拾遺、 #詩的男子

葉月野 @hadukino_tc

暗闇に放つ自らの光が微かにその身を浮かばせる。ゆっくりと横切ってゆく星空よりも、じわりじわりと首を振るシルエットが気になっていた。ドームの中では間近に見つめるのが躊躇われた君は今、陽光のなか手が届くところで眠っている。 #詩的男子 http://t.co/Wg5DtdgChO

拡大

葉月野 @hadukino_tc

気まぐれな夜が散歩する。見慣れない小道に迷い込む。暗がりが手招きしたのか。誘われた僕の意思か。シャノワールはいないのに猫の鳴き声が。突き当たりで次の物語は待ちわびている。 #詩的男子 http://t.co/E2KbT1Y8Wt

拡大

葉月野 @hadukino_tc

有り触れた住宅街の片隅。曲がり角の隙間を切り取って小さなお社が。彷徨って辿り着いたら怖いが帰りも怖い。夜だからか、くぐり抜けよと朱色がささやいた。これも何かのご縁なら、ノマレテミテモイイカ。月明かりのない晩に。 #詩的男子 http://t.co/SfkRFWCRWf

拡大

葉月野 @hadukino_tc

小さな小さな旅の先で二人は寄り添っていた。開けた夜空は結局僕を閉じ込めて。茫漠からどうにか切り取った幸福の形にも見えた。窓を開けたままだったのを思い出す。帰り路を示すのは月光じゃなくて、街灯。嫉妬はしていないよ。 #詩的男子 http://t.co/E74WtJWN1C

拡大

葉月野 @hadukino_tc

まいったな 耽美じゃなくて ただの静けさ 浪漫じゃなくて 単なる美しさ 何気なさがいいんだよ もったいぶった痛み よりも血に滲んだ傷 思わせぶりな悲しみ よりも無理解の悲哀 認めたくないが そこに生きている実感 胸中に潜む強がりを抑えつつ 転んで擦りむいた膝小僧を庇う #詩的男子

葉月野 @hadukino_tc

月に告解してはいけない。表面の穴に埋まる秘密、秘密。月暈の曖昧な幕に暴露される。都合の良いことに（悪いことに）物語は混じり合い、君の欠片がどれなのかは分からない（探したい）。月を眺めている人には、だから気をつけた方が良い。あの場所に大事なものを隠しているのならば。 #詩的男子

葉月野 @hadukino_tc

シガレットチョコが嫌いだった。タバコの味がシミついているようで。夜の子供たちがイキにくわえておとなを気取るなか、一人しかめ面でちびちびと吸っていた。大人になると煙草の匂いが嫌でたまらなかった。体の奥まで汚されそうで。その口にシガレットチョコを突っ込んでやりたかった。 #詩的男子

葉月野 @hadukino_tc

朝七時の喫茶店から開店前の仕込みの香り。七時半には淹れたてのコーヒーが出社前の人々を癒す。七時三分の僕を癒すのは独り占めした静かなビジネス街。オフィス前の自販機で買うドリンクはその日の気分。楽しい一日には基本ならない。だから笑って仕事することにした。 #詩的男子

葉月野 @hadukino_tc

月曜は火曜まで働いた。 火曜は水曜まで働いた。 水曜は木曜まで働いた。 今日は金曜まで働くから 明日は休みだよな。 でもなんで今日は まだ木曜日なんだ。 一週間は飛ぶように過ぎてゆく けれど週末はなかなか来ない。 #詩的男子 #通勤詩ましょ #twpoem

葉月野 @hadukino_tc

「夜はさぁあ？悲しいことないじゃん」という感性がよく分からなくて、夜の方が寂しさとか増すだろと返した。「だめなんだよ」と言う。 何が？「昼はさ、雑音が多くて、通り過ぎて、結局独りぼっちなんだよ」騒音でも、静音でも、孤独かそうじゃないかは、大事な誰か次第。そうだろ。 #詩的男子

葉月野 @hadukino_tc

古いラジオ番組が新鮮だった。懐かしい曲を幾つも流していた。日付が変わる前後、至福の時だった秘密。遠慮しなければならない。次の日はいつも不思議な景色をしていた。たまに痛い思いも。今だから大事なものに、ちゃんと加わっている。 #詩的男子

葉月野 @hadukino_tc

先週末、モール前で路上詩人を見かけた。頭にスカーフ、アートなシャツ、シート上の作品達は力点を強調したような「達筆」。見覚えのある前向きな表現。「貴方に相応しい言葉を」。その目は個人を捉えていたか、顧客を見定めていたのか。一人の青年がいた。詩人はまだ見当たらなかった。 #詩的男子

葉月野 @hadukino_tc

ダジャレのような詩を書きたくなる時あるよね。でも何かやっぱあれかなと思ってがまんするとさ、反動で真面目なのできるけどつまんなかったりするじゃん。で、なにおれがまんしてんのみたいなさ。で、ダジャレっぽいの書くとさ、結局つまんないんだよな。つまり、あれ。詩の恥は書き捨て。 #詩的男子