【小咄】ぼくのかんがえたさいきょうのリョナシチュ―射命丸文ちゃんはビッチ可愛い―
近所から何やら拡声器ごしの声が聞こえるので「あぁ、そういえば今日は近所の学校で運動会なのかな」なんて微笑ましく思っていたが、よく耳を澄ませば「原発が~~」だの「アベノミクスが~~」だの「憲法改正が~~」だのただの演説だった。このやり場のない怒りを政治家のせいにして僕は生きる
2013-05-18 16:40:09偉そうな政治家の演説がやたらうるさくて作業が進まないので外に出たらでっかいカラスの羽が落ちてた。不吉な予感がしたが天気もいいし、きっと思い過ごしだろう。「こんにちは、いいお天気ですね!」頭から声が降ってきた。「新聞日和ですね!」見上げると、真っ白なパンツが俺に向かって喋ってた
2013-05-18 16:50:59果たして、射命丸文だった。天気と新聞は関係ない。「あややっ、『衝撃、変態紳士は存在した!昼間の乙女を狙う下着泥棒!』という特集の取材には持って来いの天気ですよ」ほう、そんな輩がいるのか恐ろしいもんだ。「ということで変態紳士さん、私の下着を見た感想をどうぞ」冤罪だ
2013-05-18 16:54:57「犯罪者はみんなそう言うんですよ」見せてるんじゃないのか。そう言うと俺の前に文が降りてきた。「見られたんです」まだ言うかこの口が。「それはそれとして」いや、それとしてじゃない「えー、まだ私のパンツ議論を続けるつもりですかー?」ニヤーっとした顔が非常に不愉快である。うぜぇ丸
2013-05-18 16:57:27「それで、○○さんはどこへおでかけですか?」文が聞く。気分転換だよ。「じゃあ、私の取材に付合って下さい」なんのだよ「さぁーて、何を取材しましょうか」決めてないのかよ。「たまにはそういうのもいいと思いまして」じゃあぱちゅりーでも取材してみるといい。部屋で漫画読んでるよ
2013-05-18 16:59:33「じゃあぱちゅりーさんの前で他の女とイチャつく○○さんを目の当たりにした時のぱちゅりーさんの反応でも」そんな女がいるなら連れてきてみろ。自慢じゃないが俺の非リア度はハードを軽く超えてるぞ「眼の前に居るじゃないですかー、可愛い女の子が」ニヤニヤしながら文が自分を指さす
2013-05-18 17:02:03「ほらほらー、春らしく私ったら薄着モードなんですよー」ブラウスの第二ボタンまで外した文が目の前で挑発的なポーズを取る。ここで補足を入れると、俺の身長よりも文は10センチくらい低い。そうすると、必然的に服の隙間から見えるんだ、どうしてもね。これは不可抗力だよ「どうしたんですかー?」
2013-05-18 17:05:59わざとらしく言う文。普段からちっぱちゅだなんだと声高に叫んでる俺だけど、何も乳に興味が無いなんてことはない。そして射命丸文という子は、所謂ロリ巨乳、とまでは行かないまでも、それなりに出ているところは出ているタイプの子なんだ。こいつ、誘ってやがるッ!WAみたいなテキストが浮かんだ
2013-05-18 17:09:30バカなこと言ってないでさっさとボタン締めろ。「声が上ずってますけど」珍しく鋭い文が近寄ってくる。俺の身体にピタリと密着すると、「ほら…遠慮しなくていいんですよ」って言いながら俺の手を取ると、自分の胸に持って行こうとする文。焦るよね、何が焦るってこれ家から出て5歩くらいのとこなの
2013-05-18 17:12:57幸い周りには誰も居なかった。「じゃあ焦ることないですね」そういう問題じゃない。「ほらほら、安心して楽しみましょうよ」いつになく積極的な文。焦る俺。手の自由は未だに奪われたままである。可愛いナリしてても妖怪、所詮その辺の一般人たる俺は腕力では敵わない。「顔、真っ赤ですよ」文が言う
2013-05-18 17:19:43かくして俺の左手は、文の胸へとギュッと押し付けられた。「どうです、こういうことされるのってなかなか無いでしょう?」いたずらっぽく文が俺に問いかける。あってたまるか。「初体験ですね、きゃー○○さんの初めてー」一体何を企んでるんだお前は「ですから、取材ですよ取材」取材じゃないしこれ
2013-05-18 17:27:20「今決めたんですよ。『実録、記者に枕営業を求めるゲス野郎!新作自機をネタに本紙記者と関係を迫る!?』という記事を書くための取材です」それは捏造だー!「真実は常に誰かが作っていったものなんですよ。捏造かどうかを決めるのは当事者じゃなく、常に読者なんですよ」ボタンをひとつ外す文
2013-05-18 17:30:19文の手に力が入るのと、俺の手が文の胸に沈んでいくのは当然ながら同じタイミングだった。「あはっ…」熱っぽい文の吐息がかかるくらいに、距離が近い。女の子特有の甘い香りが脳内に直接影響してるのか、自然と身体に力が入るのがわかる。「んっ…」艶っぽい文の声がかかる。手に力が入っていたらしい
2013-05-18 17:38:59「あやや、○○さんはエッチなんですね」少しだけ紅潮した顔で文が言う。それに対して俺は何も言い返せなかったね。これが童貞力ってやつかと痛いほどわかった。日頃のエロい妄想なんて結局いざって時に何の役にもたたないっのが、この時よくわかったね。頭のネジが2本くらい吹っ飛びそうだったね
2013-05-18 17:44:23「○○さん」文の視線で頭がおかしくなりそうになる。これが天狗の妖力だって言われたら、たぶん信じちゃうね。「…したこと、ありますか?」えっ、聞こえない「んもう、聞こえないふりして」言うが早いか、俺の口が文に塞がれる。一瞬後に、ああ、俺ってば今文ちゃんとキスしてるんだってわかったね
2013-05-18 17:52:10ぱちゅりーちゅっちゅだなんて言ってるけど、ほら、俺ってばプロの童貞だからさ。この年までマトモに女の子とキスは愚か手をつないだことすら無かったわけだよ。そんなわけだからもうなすがままされるがままで、「あっ、舌が…」とかまるでレイプされてる女の子かって反応かよって笑っちゃうよね
2013-05-18 17:57:58「――ぷはっ」艶めいた表情の文が俺を見上げてる。その表情が妙にエロくて、もう頭のネジどころかフタまでぶっとんだ。俺の足りない頭が童貞力でフル回転する。足りない経験を補うように二次元・三次元を問わず俺の中の知識が湯水のように溢れ出る。「ひゃっ、ちょ、ちょっと」文が慌てた声を上げる
2013-05-18 18:04:26その声は最早俺にとって加速剤にしかならなかった。ここが公衆の面前だとか家のすぐ側だとかTL汚しだとか考える余地もなく、俺はブラウス越しに文の胸の弾力をこれでもかというくらいに愉しんだ。「ちょっ、痛っ」何か聞こえてくるけど気にしない。空いてる右手を背中に回す
2013-05-18 18:12:06乱れたブラウスからチラリと見える鎖骨、そして振り乱した髪の隙間から除くうなじ。「ひゃんっ」しゃぶるようにうなじに舌を這わせると、甲高い声とともにビクッと文の身体が震えた。自分から胸に押し付けた俺の左手を今更ながら離そうとしてるみたいだけど、力が入らないのか可愛い抵抗を見せてる
2013-05-18 18:15:13と、そこでいいことを思いついた。俺はふと文から体を離す。「ついに本性現しやがりましたね!」乱れた着衣を直しつつ、涙目の文がキッと睨みつけている。俺はニタッと笑うと、そのまま文を背後にある茂みに向かって勢い良く押し倒した。「ちょっ、なにするんですか」驚いた表情の文、馬乗りになる俺
2013-05-18 18:18:17とは言うものの、先述の通り俺は人間、彼女は妖怪。少し本気を出せば俺くらいあっという間に惨殺死体へと早変わり。そう、普通の人間なら。「もう、ダメですよっ!」言って手をかざすが、何も起きない。「あれっ?」不思議そうに自分の手を見つめる文。どうしたんだ、まるで力を封じられたみたいな顔で
2013-05-18 18:20:15「そんな馬鹿な…えいっ」もう一度同じように手をかざして、何か悟ったように俺を睨んで言う。「何をしたんですか?」誤解だ、俺は何もしてない。「妖力が封じられているんですが、こんなこと他に誰が出来るっていうんですか」それは『そうなるようにできてる』んだから仕方ない。「そうなるように?」
2013-05-18 18:23:17実のところ、俺はぱちゅりーに護符を持たされている。外で凶悪な妖怪に襲われても大丈夫なように、妖怪の力に反応してその発生元の妖気を無力化するタイプの。「そ、そんなの反則ですよ!」ジタバタと暴れる文だが、面白いようにその力は弱々しい。まるで普通の人間みたいだ。「うぅ…こんなはずじゃ」
2013-05-18 18:25:25文が言う。そう、こんな展開俺だって、ぱちゅりーだって想定してなかっただろう。本来、敵対する妖力を無力化することで身を守るための護符である。まさかぱちゅりーだって、俺が進んで妖怪を襲ったりするなど考えもしなかっただろう。それは仕方ない、俺だってそんなこと考えもしなかったんだから
2013-05-18 18:26:47