クラムボンmito氏による「LOVER ALBUM 2」音源解説

クラムボンのベースmito氏による、カバーアルバム「LOVER ALBUM 2」の音源解説をまとめました。 アルバムを聞きながらどうぞ〜
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clammbon mito @micromicrophone

9曲目、「O Caroline /」 by MATCHING MOLE。この曲のアレンジの決め手は郁子の一言から。自分的にはこの曲はもう昨年の『NHKプログレ三昧』でかなり完結してしまっていて(デイヴ・シンクレア、山本精一、上野洋子、富家大器、僕でこの曲を演奏)…

2013-05-23 01:32:06
clammbon mito @micromicrophone

正直あれ以上の作品に出来るんだろうか…とピアノを弾いたりギター弾いたり打ち込みしてみたり、ベースに戻ったりとしてるうちに、郁子が「ねえ、この曲の唄の良さがもうあるんだから、なんかもうちょっとシンプルにしない?例えばワンドロップとか…」という一言で決まったんです。

2013-05-23 01:34:30
clammbon mito @micromicrophone

そのあとはとにかくラフに、演奏の瑞々しさと気持ちよさ、とにかく細かい事に意識せず、ただあのメロディを聴きながら楽しく演奏するをテーマに作り上げました。この曲の郁子の持ってたCASIOのシンセ(FZ?)の間抜けな感じが一番ワイアットっぽかったのが面白かったなあ。

2013-05-23 01:37:17
clammbon mito @micromicrophone

10曲目、「きやまん /」 by 七尾旅人。今回のアルバムで一番物議をかもすであろう一曲。まずこのセッションの状況はこんな感じ。・とにかく壊れてる楽器を集める。・チューニングは絶対に合わせない。・整合性を失くす。・けれど表情は限りなく出す。・録音はiPhoneのボイスメモを手持ち

2013-05-23 01:42:52
clammbon mito @micromicrophone

で、どこまでその人の音楽性を出せるか?みたいなのがテーマ…て、今作った。笑。でもぎりぎり破綻してるのだけど曲として成立してるのは今回絶対入れたかったのは事実。『LOVER ALBUM 2』はお洒落なカフェでかかる『LOVER ALBUM』の第2弾ではありません!って…言いたかった

2013-05-23 01:46:09
clammbon mito @micromicrophone

余談ですがこのセッションが出来上がったすぐに郁子が旅人に聴かせてくれたのですが、その時の旅人の感想が秀逸。大まかに言うと「感動。この解釈は想像しなかった!」…でもおれ、君の音源聴いてこれが一番旅人っぽいと思ったんだけど(笑、と今度逢ったら言おうと思う。

2013-05-23 01:49:54
clammbon mito @micromicrophone

11曲目、「何も言わないで 」by カコとカツミ。まず何度も言いますが、これは僕がやるって決めたんじゃないですよ。郁子が「これやらないでいつやるの…いまで(以下略)」と言われ妹にメッセージを送り「ねえ、突然で悪いんだけどウチの親父たちのシングルの音源、mp3である?」って…苦笑

2013-05-23 01:53:59
clammbon mito @micromicrophone

その和声を取り、まずデモとしてとガットギターを録音し、郁子と僕とで仮唄を唄った時点でもうこの世界感…2人でブースで大爆笑。まずこの2人のコーラスアレンジが絶対今では考えられないほど独特。世に"ムード歌謡"というジャンルが席巻してた頃のアレンジには、やはりそれなりのパワーがあった。

2013-05-23 01:59:04
clammbon mito @micromicrophone

そしてやっぱりハモリ。最後の男子が女子パートより上にハモるとか…絶対今では考えつかない…いやー、貴重な経験でした。あ、ちなみにこのフルートの太田さんは全て1、2テイクで終了。まさに才女、あの人のフルートは録音しながら鳥肌立つくらい感動しました。

2013-05-23 02:01:56
clammbon mito @micromicrophone

12曲目、「雲のいびき 」by HUSKING BEE。この曲は前のハスキンのトリビュートで録音したもの。録音時期としては一番古いのかな?このトリビュートは面白くて、好きな曲をトリビュートするのではなく「磯部くんがこの曲をやって欲しい」ってオーダー受けてやるという独特なルール

2013-05-23 02:04:32
clammbon mito @micromicrophone

「これ、クラムボンをイメージしたんだよね」って言われて、へーっと思った記憶があります。アレンジは当時僕の中で大盛り上がりだったSean Lennonの『Friendly Fire』にインスパイア。ギターでディミニッシュ・コード覚えたの、これが最初じゃないかな?

2013-05-23 02:07:12
clammbon mito @micromicrophone

エンディングは完全に「On Again, Off Again」のパクリですね。笑。ちなみにこの時のギターは僕が最初にアコギを買った'74年のGibson J-45。ポール・ウェラーリクペクトで買ったのですが「tiny pride」のPVで雪山に埋もれ帰らぬ人に…良い楽器でした。

2013-05-23 02:11:01
clammbon mito @micromicrophone

13曲目、「幸せ願う彼方から /」 by 泉かなた(島本須美)。さあ、これももう昨日のニコ生でたくさんしゃべったので、詳しくはそちらを見ていただきたいのですが…でもですね。本当にこの曲をクラムボンでやって良いものなのか?実は録音、ミックス、PV制作、披露までの間、ずっと考えました

2013-05-23 02:13:59
clammbon mito @micromicrophone

僕はとにかくアニメが大好きで、アニソンが大好きで、ただ好きならば好きだからこそそのシーンに対して"リスペクト"というのが必ず必要で…ぶっちゃけ僕らがこの曲を演奏する事は『らき☆すた』を心から愛する人たちに余計なお世話なんじゃないかと日々考えてました。ただ、でも僕も、

2013-05-23 02:16:48
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らき☆すたが好きで、あの曲が好きで、その気持ちも精一杯出さなくては逆に失礼なのかもと思った。そして昨日のニコ生で98%というアンケートをもらって、心の底から良かったと、思いました。この曲が皆さんにとっても「扉を開く」曲になったら… http://t.co/6jgYdFTpUG

2013-05-23 02:21:18
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発売した今でも、そう思います。だから、じつはあの時みなさんと一緒に見たPVでうるっと来たのも、演奏中にうるっときたのも「間違ってなかったのかも…ありがとう」の涙だったんだなと思います。いやはや、しかし素晴らしい曲です。一生演奏し続けますよ。

2013-05-23 02:23:19
clammbon mito @micromicrophone

14曲目、「I'M GETTING READY」 by Michael Kiwanuka。詳しい事は僕のラジオで確認してください。この曲はRec初日の「呼び声」、「NOTHING BRINGS ME DOWN」を録音したセッションで。なんと「じゃあ、とりあえず合わせてみよっか」…

2013-05-23 02:31:00
clammbon mito @micromicrophone

その1発目。まさにチェックというそのワン・テイクが、あの優しく透き通った風の吹き抜けるような演奏になったわけです。最後の会話が入っているのも、ぶっちゃけこの会話でさえも"音楽"として成立していると思ったからです。そしてあのクリ(今回SAXを吹いてくれた栗原健)の低音ボイス…

2013-05-23 02:34:18
clammbon mito @micromicrophone

ゴスペルチックな合いの手のコーラスはクリとフルートの太田さん、そしてスタジオの持ち主である藤森先生と郁子です。実は後半戦、僕は気管支系の風邪にやられてしゃべる事もままならない感じだったのですが、彼や先生のおかげでコーラスパートが無事録音できて、ほっと胸を撫で下ろしました。

2013-05-23 02:37:32
clammbon mito @micromicrophone

あ、最後。あのイントロの鈴は『はなさくいろは』の最終回で使われている"熊鈴"を大助と僕とでRec中に鳴らしています。良い音です、あの鈴。 http://t.co/XH3UyS8gIT

2013-05-23 02:38:51
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clammbon mito @micromicrophone

15曲目、「FOUR IN THE MORNING」 by LITTLE CREATURES。いよいよ最後の曲。このセッションもクリーチャーズのトリビュート盤の時の録音なので概出なのですが、絶対に最後にこのトラックを入れようと思ったのです。このセッション、とにかく大好きなんです。

2013-05-23 02:40:58
clammbon mito @micromicrophone

スタジオの窓という窓を全開にし、雨音を奇麗に録るためにベランダにビニールシートを敷き、「FOUR IN THE MORNING」だからとしっかり3時くらいから起きて4時きっかりに録音。その流れでバンドのセッションもががっと。いやー、時間軸がスゴく奇麗に音とリンクしてるんです。

2013-05-23 02:43:19
clammbon mito @micromicrophone

そしてこれはアルバム全体の流れなんですが、僕は今回の『LOVER ALBUM 2』はなんかフランス映画みたいなイメージがあって。あくまで印象なんだけど。「呼び声」ってやっぱりなんか感動的なエンディングみたいで、そしてクリーチャーズの曲は「まだ何かと繋がってる」みたいな感じ…つまり

2013-05-23 02:45:33
clammbon mito @micromicrophone

最初の「呼び声」は実は初めての人には分からないエンディングだったみたいで、それが1曲目に来てるのって、すっごくループしてて気持ち良いなあ、って。雨音で終るカヴァーアルバムなんて、なんてお洒落さんだろう、なんて思ってたんでした。この曲の最後の盛り上がりが、時間を巻き戻しているみたい

2013-05-23 02:48:16
clammbon mito @micromicrophone

、、、、と、いうことで、みなさんお疲れさまでした!"全曲解説"終了になります!!いやあ、やっぱり長くなってしまいましたね。ほんとスンマセンです。でもでも、まだまだ話したりない事はいっぱいあったんですけどね…

2013-05-23 02:50:04