永瀬恭一氏 「生命芸術」について

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本まとめ部分をふくむ、先行するまとめ: 《永瀬恭一氏による「育児」そして「アートと生殖/再生産」に関する発言》 http://togetter.com/li/509488

本まとめは、このうち「生命芸術」に関する部分をまとめ直したものです。

永瀬恭一(一人組立) @nagasek

一連の育児関連のツイート、アートクラスタの皆さんにはスルーされがちですが(まぁ仕方が無い)、僕の理解では今、あるいは今後「アートと生殖/再生産」というテーマはビックタイトルになる筈で(というか海外では普通に1ジャンルとしてあるよね)、今に見ていろでございますよ。

2013-05-27 14:24:15
永瀬恭一(一人組立) @nagasek

例えば「組立-知覚の臨界-」http://t.co/dNoixGaS63佐藤論文「さらに物質的なラオコーンに向かって」は僕は育児論として読めると思ってて、全国の幼稚園/保育園で読まれてもいいと思ったんだよね。子供を固定した物質ではなくダイナミックな諸力の均衡点として見ると。

2013-05-27 14:35:53
永瀬恭一(一人組立) @nagasek

こういう補助線を考えればそれだけで子供と作品、あるいは美術をブリッジすることは大変生産的なので、端的に育児について考える事は作品について考える事と関係していて、逆もまた真なのだと。

2013-05-27 14:36:39
永瀬恭一(一人組立) @nagasek

さらに言うと「組立」の2号「作品を登る」上山和樹論文「主体化の失敗から、触媒としての生成へ」も、ちょっと補助線引けば十分育児論として読める筈。http://t.co/81zVj4CPfV

2013-05-27 15:17:16

これ↑は、本まとめ主(上山)の論考。生そのものの技法を、主観性と集団を同時に視野に入れて論じようとするもので、直接意識していたのはニート・ひきこもり問題だった。《育児》という切り口は考えていなかったが、なるほど無関係ではあり得ない。

永瀬恭一(一人組立) @nagasek

「組立」は、基本としては作家による美術に限定した試行錯誤の試みで、表面的な領域横断性みたいな派手さはないかもだけど、むしろ原理的な思考がその“抽象性”において外部への通路を開く、という意図がある。その視点で今の「組立-転回」も見てもらえればとは思ってます。

2013-05-27 15:22:06

ここで永瀬氏のおっしゃっていることは、フェリックス・グァタリ(Félix Guattari)の《transversalité(トランスヴェリサリテ)という概念に近づく。

この語は長らく「横断性」と訳されてきたが、自分に対する分析なしにいきなり肩を組み合うようなことではなく(それでは単に「オルグ」だ)、また、幼児的万能感で「何でもかんでも参照する」でもない。

  • 引用: >《この transversalité の比率はスタッフひとり一人が簡単に分別をつけない度合いによって決まる 〔…〕 修正は、それぞれの人の役割を構造上 再定義することや、全体の方向性の練り直しのレベルで行なわれるべきである。〔…〕 関係者が自分に閉じているかぎり、自分のことしか見ようとしない》 http://amzn.to/GPNcVf (p.26)

問題になっているのは、ある種の順応主義である。

体制翼賛ばかりでなく、「反体制党派への順応」も問題となり得る。正義のイデオロギーや、仲間意識の暴力。

「外部への通路を開く抽象的な思考」は、それ自体が内発的に生成し、自己増殖する(漏洩≒逃走線)。

heima @heima

@nagasek 同じく今後テーマになると思います。ニュートラルな生殖・出産と人為的なもの、人工生命あたりまで含めて。 しかし再生産って単語はストレートですね…

2013-05-27 16:25:02
永瀬恭一(一人組立) @nagasek

@heima 御意です。人工生命とか重要ですね。「再生産」という言葉のある種のデリカシーのなさというか非-人間性は承知しているのですが、そういう唯物性からしか明らかにできない側面もあって、そのような抵抗ある枠組みこそ、美術という領域であれば扱えると思っています。

2013-05-27 16:54:37
heima @heima

@nagasek まさしく、科学者だけでなく人文的な視点においても、ドライに唯物性から見ていく視点は重要かもしれません。そこが一番既存の宗教史に紐尽くartと乖離する所ですしね。早稲田大学と多摩美の生命科学×Artのプラットフォームに期待していますが、(続)

2013-05-27 17:13:19
heima @heima

@nagasek 科学者とアーティストだけでなく、キュレトリアル・評論的な立ち位置での目線で考える人が増えればなあ…と思っています。永瀬さんがこの領域に目を向けていらっしゃるとは心強い…

2013-05-27 17:16:25
永瀬恭一(一人組立) @nagasek

えーそんなのあるんですか。QT @heima 早稲田大学と多摩美の生命科学×Artのプラットフォームに期待していますが、(続)

2013-05-27 17:21:58
heima @heima

@nagasek 早稲田はmetaphorest http://t.co/XadZR1lFem (今iccでやってるopenspaceにも作品展示してます)、多摩美は情デの久保田晃弘教授のところです(URL思い出せませんでした…)

2013-05-27 17:27:21
永瀬恭一(一人組立) @nagasek

こっちかも。バイオメディア・アート http://t.co/sa6dhuGYa1 河口洋一郎氏の先験的な試みもあるけど、そろそろこういった線と生な「生殖」の現場を橋渡しする契機があってもいいなと。ステップ多くて大変だけど。

2013-05-27 17:29:44
永瀬恭一(一人組立) @nagasek

@heima ご教唆ありがとうございます。刺激的です。

2013-05-27 17:33:55
heima @heima

@nagasek 美術の立場からこのあたり追っかけてる人は日本だとキュレーター4人、評論家・ギャラリスト・コレクターは0、が現状だと思ってます。ぜひ…

2013-05-27 17:47:01
永瀬恭一(一人組立) @nagasek

ちなみに人工子宮、人工胎盤は難易度高いらしい。以前千葉雅也氏が言ってたけど。帰宅したら少し資料漁ろう。

2013-05-27 17:47:02
永瀬恭一(一人組立) @nagasek

まあ肝臓だって化学プラントでは対応出来ないらしいので、生体的アプローチしかないだろうな。

2013-05-27 17:48:34
永瀬恭一(一人組立) @nagasek

イメージだけ言えば、DNAを元にした胚の成立からタンパク質の再構成、発達パターンのトレースとそれを可能にする外部条件のモデル化が欲しいんだよね。

2013-05-27 17:56:28
永瀬恭一(一人組立) @nagasek

不妊治療にライン繋げようとすると、当然工学的ハードルがあるけど、もしアルゴリズムで完全なシミュレーションができたら、それだけで凄いインパクト。

2013-05-27 17:59:09
永瀬恭一(一人組立) @nagasek

早稲田や多摩美、ICCの試みはアルゴリズム上の試みだけど、それは生命芸術というコンセプトを持てばいずれ生の生殖の現場にも繋がる。ジグソーパズルの一ピースと考えればいろいろ巻き込める。

2013-05-27 18:04:57
永瀬恭一(一人組立) @nagasek

生命芸術というアイディアは使えるな。生命芸術シンポジウムとかやれないかな。

2013-05-27 18:07:13
永瀬恭一(一人組立) @nagasek

できそうな人はぜひやって欲しい。生命芸術シンポ。できれば出産、育児の現場とブリッジする形で。僕より影響力ある人いると思うので。

2013-05-27 18:09:35