日本語語源のはなしの話。

TL上に語源のお話しが流れて来て、楽しそうだったのでつい…。 【参考】 本居宣長『玉勝間 上』岩波文庫 佐藤武義「黄なりから黄色いへ」/『中世語の研究』 高島俊男『お言葉ですが 別巻④』
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☃️kaybeautieediva ☃️ @KaybeautieeDiva

大体、いい大人を『女子』と呼んでそれに反発しない日本人女性達も感覚が普通じゃないと思う。淑女として扱ってもらいたいと思うならまだしも。@May_Roma: 大人向けの雑誌なんだから女子力とか女子って言葉を使うのは辞めて頂きたい。→http://t.co/vD9JlHbr0M

2013-05-26 10:14:35
むらやまこういち💉💉 @murapyon71

今日は、女子という言葉が黒猫先生をはじめいろんな方がつぶやいておられる。女子という言葉には二通りの受け取り方があるのでしょうね。ひとつは子から直感的に受ける「こどもっぽい」という感覚、もうひとつは孔子や孟子などから受ける「学問・人格に優れた人の名につける敬称」。

2013-05-26 11:18:26
むらやまこういち💉💉 @murapyon71

明治になって女性も学問をする時代になると女子学科なるものができたわけですが、この場合の女子は明らかに後者であると思います。女子学校に入った女性は多く名前の後に子を付けたのも、名簿からわかっています。たとえばトヨさんという人が名簿上はトヨ子という具合。

2013-05-26 11:21:16
むらやまこういち💉💉 @murapyon71

また、女性の名に子を付けて敬称として用いるのは、例えば江戸時代にもあった。大河ドラマで有名なお江も、古書なんかをみると江子と書かれていたりする。

2013-05-26 11:22:59
むらやまこういち💉💉 @murapyon71

メイロマさんなど、極端な日本嫌いの人が女子と聞いて、昔お笑いテレビなどで流行った、女子高生に対し「じょっしー」と子ども扱いする言い方しか頭に浮かばないのはいたしかたのないことかもしれない。

2013-05-26 11:25:47
むらやまこういち💉💉 @murapyon71

近代史的な観点から「女子」という言葉をみれば、学問の素地のある華族の女性を思い浮かべればいいと思う。結婚して良い歳になったら淑女と読んでもらえばいいと思うけど、これとて「上品で教養のある人」といった意味であるから「女子」と大差無い。他にも「女史」「女仕」などの言い方もある。

2013-05-26 11:32:15
むらやまこういち💉💉 @murapyon71

黒猫先生のように心持ちしだいでいつまでも女子会というのに、僕は賛成であります。

2013-05-26 11:33:57
むらやまこういち💉💉 @murapyon71

女子を「女の子(おんなのこ)」からの附会で、子ども扱いしていると憤っている人と、いい歳した女性が女子会なんてと貶してる人に体し、孔子や秀忠の嫁さんの江を江子と書いた事例等を出して、子ども扱いする言葉に限らないという話しをしました。補強的な感じで、もひとつ用例をば。

2013-05-29 22:13:35
むらやまこういち💉💉 @murapyon71

本居宣長翁のお話しで「男の名にも、子といへる多し…石押分之子、壹岐直眞根子、筑紫君葛子、小野臣妹子。鎌足公の祖父方子はまた加多能子とも書き、之は入れたり入れなかったり。巨勢臣徳太を徳太子と書く場合もあり、子を付けたり付けなかったり。子は敬称ということのひとつの論拠であります。

2013-05-29 22:23:48
むらやまこういち💉💉 @murapyon71

これなんかは「子」の扱いをよくあらわしてるね。新島八重さんが晩年に会津若松を訪れた時の感慨をうたったものだそうで、サインを「八重子」としている。「子」は子供扱いするだけの言葉では無いのだ。 http://t.co/OyWfhYGxQ3

2013-06-09 00:41:17
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むらやまこういち💉💉 @murapyon71

「イ子」とあったら、これは「いね」と読むんだろうね、たぶん。「子丑寅ねうしとら」の「子ね」だと思う。女性の名は平仮名二文字が一般であったらしい。それに「子こ」を付けると語呂も良い感じがする。

2013-06-09 00:54:33
T.K. fukushimaタグ付けよう @aizujin_k

@murapyon71 卑近な例で申し訳ないけれど、スポーツなら当たり前に「成年女子」の部がありますから。長年使われてきていて、数々のうるさ方からも何一つ文句は出ていませんし。 http://t.co/BKgkJvpeP8

2013-05-30 08:03:15
むらやまこういち💉💉 @murapyon71

これは面白いことが書いてある。『日本の女性名 上』に引く、小泉八雲『Japanese Female Names』(平井呈一訳『日本の女性の名』)に於いて、「東京あたりの芸者階級の間には、上品な「子」という接尾語を本名につけたり」とある。

2013-07-24 20:39:42
むらやまこういち💉💉 @murapyon71

以前、「女子」の「子」は子供扱だと言ってはばからない人達に対する反証をしましたが、これもひとつの傍証になるでしょうね。

2013-07-24 20:39:51
むらやまこういち💉💉 @murapyon71

『日本の女性名』大和時代に「上・中流の女性の実名ないし字の下に接尾語としてヒメ、イラツメ、トベ、コ、キミを用い、もって尊称」とあり、コ(子、古)は「初めは男性ーとくに身分の高いーの名の下につける語」とある。これからすると「子」は当て字で、巷で言われる様な「こども」の意味は無い。

2013-07-27 18:52:45
むらやまこういち💉💉 @murapyon71

奈良時代も前期頃になると、男性名の接尾語である「子」は稀と化したとある。女性名の「子」はちょびちょびの模様。

2013-07-27 18:55:02
むらやまこういち💉💉 @murapyon71

転換期は嵯峨朝で「乳母の氏の名による命名法を廃し、皇女名の名に好字を択ばれ…内親王には×子、臣籍に降して源姓を賜うた皇女には×姫と命名」とあり、「嵯峨天皇によるこの命名法は、貴族社会の女性名を爆発的に変化…貞観ー元慶期には、子型の名は、貴族の女性名として固定」とある。

2013-07-27 19:06:34
むらやまこういち💉💉 @murapyon71

小泉八雲や高島先生らがあたり前の様に「子」は女性の敬称という認識、一昔前なら外人講師でさえ常識の範疇であった「子」という敬称が、今では日本の習慣に詳しいとする某イギリス在住日本人女性には子供扱いの言葉という程度の認識。言葉の文化を維持するというのはなかなか難しいことなのだと思う。

2013-07-27 19:16:18