小出裕章x小沢一郎対談 2013 5月31日

小沢一郎氏が京大原子炉研究所まで出向いて小出裕章助教の話を聞くという趣旨で行なわれた対談のツダリをまとめました。小沢氏が党首をしている生活の党は脱原発を政策の柱のひとつとする党ですがその党首がどの程度ことの深刻さを理解しているかという点でも興味深い対談です。
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kaz hagiwara(萩原 一彦) @reservologic

小出「1号機の炉心を溶かした熱は、放射能の熱。放射能だから核種によって急激に減少する。核分裂によってできた核分裂生成物の九割は1日経てばなくなる。だがそれ以降は寿命の長いものが残っていてなかなか減ってくれない。1年経つとそのまた1/10ぐらいになる」

2013-06-01 20:03:03
kaz hagiwara(萩原 一彦) @reservologic

小出「1年経てば当初21万kWと言った熱量を発生させた放射能が1/100になる計算。1年後には2100kW相当になる。今では2年経ったからまたその何分の一かに減っている。それでも何千キロワットの発熱がいまどこかで続いている。」

2013-06-01 20:03:11
kaz hagiwara(萩原 一彦) @reservologic

小出「だから、今の発熱は臨界によるものではなく、放射性物質がそこにあるがゆえの発熱。みんな臨界を心配しているし、私も心配ではあるが、多分臨界はないと私は思っている。」 小沢「現在も、将来も?」 小出「確実に断言はできないが、たぶん大丈夫」

2013-06-01 20:03:21
kaz hagiwara(萩原 一彦) @reservologic

小出「たぶんもう臨界はそこで起きないが、放射能がそこにある限り発熱は避けられないのでそれを冷やし続ける必要がある。」 小沢「石棺を何千度にも絶えられるようにすることは可能?」

2013-06-01 20:03:30
kaz hagiwara(萩原 一彦) @reservologic

小出「チェルノブイリでも、炉心が溶けて下に向かって流れた。その間鉄を溶かしコンクリートを溶かして元々100tだったものが増えてどろどろに溶けて行った。ただ発熱量そのものは時間とともに減って行くわけだから、どこかでバランスして溶けずにかたまるというところに至る」

2013-06-01 20:04:07
kaz hagiwara(萩原 一彦) @reservologic

小出「福1でも溶けた炉心がどこかで熱バランスして固まるだろうと思う。そうなれば、石棺を作ることができる。」 小沢「そういう状況になるのが何年後かはわからない?」 小出「今の状況がわからないので、これから1年後2年後にどうなるかもわからない」

2013-06-01 20:26:25
kaz hagiwara(萩原 一彦) @reservologic

小出「事故があって、これまでこういう経過を経てこうなっているということが分かれば先のことは予想できる。しかし、今どうなっているかが分からないのでこの先のことはわからない。」 小沢「そうすると、現状のままほっとくしかないっちゅうことですか。」 小出「今はひたすら水をかけるだけ」

2013-06-01 20:27:32
kaz hagiwara(萩原 一彦) @reservologic

小出「今できることは水をかけること、それと使用済み核燃料プールに沈んでいる燃料を一刻も早く少しでも安全な場所に移すことが緊急課題。東電も当然認識して、一番手の付けやすい、一番こわれる危険度の高い4号機からそれをやろうとしている……はずだ」

2013-06-01 20:27:35
kaz hagiwara(萩原 一彦) @reservologic

小沢「しかし、それをきちっと正しく取り出すことは難しいと…」 小出「とても難しいと思う」 小沢「もし、つかみ出しているときに割れたりしたら?」 小出「使用済み核燃料が噴き出してきて核燃料プールでもなんでも汚れてしまう」

2013-06-01 20:27:52
kaz hagiwara(萩原 一彦) @reservologic

小出「鉛と鋼鉄でできたキャスクに10本20本入れて蓋をしてつり出すということをしないといけないが、1331あるものをキャスクの中に1本1本釣っては降ろしという作業。途中1体でも落として割れてしまうと放射能が噴き出して汚れてしまうので次の作業が当面できなくなる」

2013-06-01 20:27:56
kaz hagiwara(萩原 一彦) @reservologic

小出「割れたときに臨界になるということをご心配かと思うが、たぶんそうはならないと思う。しかし落として割れてしまえば放射能汚染されて作業ができなくなるので4号機だけでも何年かかるかと心配。」 小沢「容器に入れて取り出しても、それをどこに置くかということになる」

2013-06-01 20:28:03
kaz hagiwara(萩原 一彦) @reservologic

小出「東電は4号機の隣にある共用プールにとにかく移そうという計画。でも4号機が終っても1号機から3号機までがある。すると共用燃料プールでは足りなくなる。共用燃料プール自体すでに満杯状態だからそこに入っている燃料をまず別な所に移すという作業がある。それも大変な作業。」

2013-06-01 20:28:13
kaz hagiwara(萩原 一彦) @reservologic

小沢「そうすると、コストもかかるし、あらゆる意味で大変な作業だろうけど…」 小出「順番としては使用済み燃料プールにあるものを出すというのを先ずやらなければならない。」 小沢「ほっとくとどうなる?」 小出「プールの中にほっておいたら?」

2013-06-01 20:52:45
kaz hagiwara(萩原 一彦) @reservologic

小出「4号機は定期検査中で原子炉は止まっていた。炉心にあった燃料棒も全て使用済み燃料プールに入っていた。本来なら事故とは無縁のはずだったのに、なぜか爆発が起きて建て屋が天井まで吹き飛んでしまった」 小沢「水素爆発?」 小出「核爆発だという説もあるが,私は水素爆発だと思っている」

2013-06-01 20:53:01
kaz hagiwara(萩原 一彦) @reservologic

小出「ただ、4号機の場合、水素爆発にしては変わった爆発だったのは、最上階だけでなくその下も、下の下も爆発で壁が吹き飛んでいる。それらの階は使用済み燃料プールが埋め込まれているフロアだが、そこの壁が吹き飛んでいて、使用済み核燃料プールが宙づりのような形でいまそこにある。」

2013-06-01 20:53:12
kaz hagiwara(萩原 一彦) @reservologic

小出「その宙づりのプールに、ふだんなら原子炉の中にあるものからなにから全部そこに入れられていた。さっきから1331体あると言っているが、その中に広島原発が出した放射性核生成物をセシウム137に換算して1万発を越えるものがある。それが宙づりのようになったプールの中に、なんとかある」

2013-06-01 20:53:47
kaz hagiwara(萩原 一彦) @reservologic

小出「その宙づりのプールが大きな余震か何かでひっくり返るともう手の付けようがない。1号機~3号機から大気中に出た放射性生成物はIAEAに出した報告書では広島原爆の168発分と書いてある。でも4号機の使用済み核燃料プールには1万発分ある。もし崩れ落ちれば手が付けられなくなる」

2013-06-01 20:54:08
kaz hagiwara(萩原 一彦) @reservologic

小出「まずは崩れ落ちる前につかみ出す、少しでも安全な所に移すということはどうしてもやらなければならない」 小沢「1号機~3号機の分もある…」

2013-06-01 21:13:34
kaz hagiwara(萩原 一彦) @reservologic

小出「1号機や3号機は大変。4号機は汚染も少ないから作業員が上まで行ってプールの中を覗き込むこともできたしこれからの作業もなにがしかできる。1号機や3号機は最上階に行くことすらできない。」

2013-06-01 21:13:38
kaz hagiwara(萩原 一彦) @reservologic

小出「1号機や3号機はプールの中を見ることさえできないから遠隔操作のカメラなどを使ってどんなになってるか…」

2013-06-01 21:13:57
kaz hagiwara(萩原 一彦) @reservologic

小沢「1号機や3号機も、原子炉だけじゃなくてプールにもあるんでしょ?」 小出「あります。だから、それも少しでも安全な場所につかみ出さなければいけないということは確実に分かっているのだが、行くことができないしどうしていいかわからない」

2013-06-01 21:14:01
kaz hagiwara(萩原 一彦) @reservologic

小出「1号機3号機は今がれきを少しでもつかみ出そうと作業をしようとしているのだが、現場に行くことができないので遠隔操作でテレビ画面を見ながら重機を動かしている。遠隔操作だから細かいことはできない。何ヶ月か前、3号機のプールの中から何かを鉄骨をつり上げようとして落としてしまった」

2013-06-01 21:14:29
kaz hagiwara(萩原 一彦) @reservologic

小沢「その中で燃料棒が破損したりしたら、おしまいになっちゃう?」 小出「おしまいというか…、放射能の汚染がさらにひろがるので、」 小沢「処理がますますできなくなる」 小出「そう。」 小沢「なるほど」

2013-06-01 21:14:38
kaz hagiwara(萩原 一彦) @reservologic

小沢「可能性としてそう簡単には核分裂がおきないとすると、巨大な石棺でかこんでしまうのがひとつの方法なのか?」 小出「確実にそうなると私は思う。それしかない。ただ、それを作る前に、いま使用済み核燃料プールの底に壊れずにあるものはつかみ出して安全なところに移動しないといけない」

2013-06-01 21:15:13
kaz hagiwara(萩原 一彦) @reservologic

小出「石棺を作る前の作業としてやる使用済み核燃料プールからの使用済み燃料棒の取り出しにしても、10年ではきかないと思う。」 小沢「石棺を作る作業はそれが終ってからじゃないとできないと……」 小出「できません」

2013-06-01 21:15:22