極私的現代詩フォーラムアンソロジー

現代詩フォーラム(http://po-m.com/forum/)の中から個人的に好きな作品を集めたアンソロジー。
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alchemist @allplusnothing

RT「輪郭」http://t.co/qjgvTdmHvP 思春期の異性の身体に対する戸惑いを描いた佳作。女性の身体をまとう制服というもの、さらにその外側をまとう触れてはいけない領域。欲望と禁忌がせめぎ合ううちに、少女は消えて輪郭だけが残る。欲望と禁忌の均衡で描かれた輪郭が。

2013-06-07 08:14:10
alchemist @allplusnothing

塔野夏子「特権的終焉」http://t.co/Sq9aa8l6XG 簡素な短詩形式であるが、そこに夏という季節の特権性が、激しさが、厳しく断定されている。夏とはエクスタシーであり、消尽であり、そこでは変化が存在を異質なものへと変え続けている。

2013-06-07 08:19:29
alchemist @allplusnothing

DNA「_」http://t.co/2RjLfKjXNQ 「リリィさん」への呼びかけが、詩を多数の声に対して情熱的に開いている。「記号」への言及が繰り返されるが、記号のような機械的なものを他の詩句が内側から侵食していっているかのようだ。

2013-06-08 06:02:24
alchemist @allplusnothing

石畑由紀子「オレンジ」http://t.co/VGKxIRNw5m 「糸」とは何であるか最後まで知らされないが、おそらくオレンジにまつわる何物かであるのだろう。オレンジの球体と塊を、「糸」に集約してしまう感性の鋭さと面白さ。

2013-06-08 06:05:45
alchemist @allplusnothing

霧一タカシ「漫画の映像が流れる。」http://t.co/7NERC1PQug 「何か」「いろいろ」という言葉の使い方が面白い。物事があいまいにされているからこそ却って浮かび上がってくる物事の「そのもの性」のようなもの。幻惑されたかのようでありながら不思議なリアリティーがある。

2013-06-09 09:07:47
alchemist @allplusnothing

01 Ceremony.wma「notitle」http://t.co/ZiQ7qbJPK4 日記調に綴られていく文章はどこまでも滑らかで白色だが、作者の悪ガキ的批評性が随所に色彩のように灯されていく。生きているという端的な事実を批評的に提示して、あらゆる批評に反駁したがる作品。

2013-06-09 09:04:27
alchemist @allplusnothing

もりおかだいち「蜘蛛の内部にて」http://t.co/xeLx1lRAtD 蜘蛛の内部について、緻密な想像力と思考力を駆使して描ききった佳作。漢語の多様は作品を抽象的にしているかのようでありながら、その実は作品の微細な骨組みを美しく提示するのに役立っている。

2013-06-13 09:42:19
alchemist @allplusnothing

熊谷もぐら「おとなになる」http://t.co/SO7eftgtTp 大人になるということが、世界の多様な事物の擦れ違いに巻き込まれる、という次元で表されているように思った。それでも立ち止まらずに歩き続けていくこと。感性を殺さずにすれ違いに堪えていくということ。

2013-06-13 09:45:57
alchemist @allplusnothing

木葉揺「暴力ラフランス」http://t.co/txv6QifOKd いろんな出来事の衝突から生まれてくる強度のある秩序。衝突は衝突のまま解消されず、一切のカタルシスを拒むことで不安定な作品の凹凸を鮮やかに残す。

2013-06-13 09:49:58
alchemist @allplusnothing

霜天「スイングバイ」http://t.co/n4MAiBCHVK とにかく無駄がなく整った作品。イメージも呼び掛けも一流のセンスで統御されていて、無駄な評言で汚したくはないような作品だ。

2013-06-13 09:52:31