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文学極道ガイド

詩の投稿・批評サイトである文学極道(http://bungoku.jp)で年間各賞に輝いた詩人たちの作品を紹介。 膨大なネット詩の海の中で、どの作品を読んだらいいかについて羅針盤になれば幸い。 @osamuhirota@namatamago_tori が、それぞれの詩人のお薦めの一篇を選び、批評を添える。 今のところ@osamuhirota は2005-2009年まで、@namatamago_tori は全受賞者について紹介してある。 なお、選外でも注目すべき詩人は取り上げていく。
アート 現代詩 文学極道
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2005年
alchemist @allplusnothing
2005年創造大賞、ケムリ「シベリア爺ちゃんと唄のない街」http://t.co/KPaXihZVu4 性・暴力・優しさ、人間として備えている多彩な倫理性を丁寧な文体で歌い上げる作者。この作品では、お爺さんとのやり取りとその背後にある戦争、主体の郷愁とお爺さんの記憶が重なっていく
alchemist @allplusnothing
2005年抒情詩賞、みつべえ「けふのうた」http://t.co/pVrRiWeIUd 生活が液体化したかのような不気味な世界観。おかねや客という社会的なものが、逆に主体の不気味な欲望に食らい尽くされている。「ほんとうのわたし」は金を稼ぐという「仮面」を内側から食い破っている。
生卵を喰う鳥 @namatamago_tori
みつべえ「卓上家族」http://t.co/QlIKZLisuk家族を大事にしましょう、家族は大切です。なるほど、お前にとってはね。家族の構成員との距離の取り方など人それぞれではないか。語り手のように俯瞰して、卓上のミニチュアを見つめるようにしてやっとバランスが保たれる、とかね。
alchemist @allplusnothing
2005年抒情詩賞、軽谷佑子「Mother stood」http://t.co/4vfv4R4zs2 若い女性の、驕ることも媚びることもない端正な感性を持った書き手。母親は初めから母親なわけだが、母親の愛情を実感したところで、やっぱりあなたは母親なのだとこちらからまなざしていく。
alchemist @allplusnothing
2005年抒情詩賞、守り手「夜明け」http://t.co/2RJc1VNb0l 白鳥央堂氏の初期作品。硬質ながら甘さと柔らかさのある叙景。少女のモチーフや音楽のモチーフが重要な役割を果している。寓意や意味をある程度度外視したところで、イメージの美しさに酔える作品。
生卵を喰う鳥 @namatamago_tori
守り手「姉妹(星空の中で)」http://t.co/2JwNziTMzPたとえば堅くこんがらがってしまった結び目を少しずつ丁寧にほどくことが快感であるように、濃縮された物語を完成された詩から読み取ることは気持ちのいいことだ。姉妹や腹の痕がどういったものなのか、想像させられる快楽。
alchemist @allplusnothing
2005年抒情詩賞、丘光平「壁」http://t.co/3i43xgzlRx 単純な語法でありながら詩世界の深さを作り出している書き手である。簡潔で平明であるように見せながら、残酷なことをさらりと書いてしまう。壁を見つめることで人間をやめ「僕」と敵になる「彼女」。極めて寓意的だ。
生卵を喰う鳥 @namatamago_tori
丘光平「冬のくじら」http://t.co/AAHtt6sgFo多くの描写は読者の視覚を刺激しようとするが、本作は冒頭から聴覚と触覚に働きかける。多くの読者が思い起こせる冬のイメージに、聴覚と触覚からハッキングをかまされてるので、くじらの鳴き声を違和感なく受け取れる。
alchemist @allplusnothing
2005年実存大賞、ミドリ「煙」http://t.co/s2F6b5dOPI 性から社会から人生から、雑駁なモチーフを縦横無尽に操りながら、それでも一本筋の通った書き手。女目線から書かれたこの作品も、「生きる意志」という通低音に束ねられ、ユーモアも恋愛もお手の物である。
生卵を喰う鳥 @namatamago_tori
ミドリ「クマの名前はヘンドリック」http://t.co/BcdjJK7bxgポップでキュート。そして読む者の隙間に叙情を滲ませる。ミドリ作品の代名詞ヘンドリックは、「キャラクター」という概念を詩に生かすことの素晴らしさを教えてくれる。こんなに読み易くてかっこういいのが、詩だよ!
alchemist @allplusnothing
2005年実存大賞、鈴川夕伽莉「「架空」#2」http://t.co/DgXZRo6vTA 日常の何気ない断片に触発されて、そこから世界に踏み込んでいくタイプの書き手。この作品ではまず地名への関心に惹かれる。そしてそういう生臭いものを「ラピュタ」というファンタジーに昇華させる手腕
生卵を喰う鳥 @namatamago_tori
鈴川夕伽莉「鯨幕」http://t.co/3yj46r7DAw誰かの思い出になること、記憶がどんどん消えていくこと。友人の死をきっかけに郷里に帰った語り手が郷里を発つまでの間に、想起され、同時に喚起される感情を丁寧に書いている。現在(葬式)に過去(郷里)と未来(会社)が混在する。
alchemist @allplusnothing
2005年実存大賞、光冨郁也「バラ線」http://t.co/kIs6VIcDr8 ハードボイルドな文体で、ときには自らの問題を、ときには虚構を、あるいは虚構に託して自らの問題を描く。この作品では自らの問題を直視しながら不思議に傍観者的であり、その辺りに彼の倫理があるのではないか
alchemist @allplusnothing
2005年新人賞、コントラ「熱帯アメリカ」http://t.co/X6e2ssGG35 描写の強度でイメージを叩きこんでくる書き手。恐らく彼は時系列というものを大事にしているのではないか。環境を感覚するただそれだけのことで自然に生まれてくる抒情を土台にしながらスケールが大きい。
2006年
alchemist @allplusnothing
2006年殿堂入り、一条「nagaitegami」http://t.co/3tjhFnoiP5 とにかく何が起こるかわからない。一刻も油断ができない。意表をつく展開を繰り広げていく書き手。「長い手紙」をめぐって豊かに繰り広げられる情景が「長い手紙」の繰り返しで統御されかつ逸脱する
生卵を喰う鳥 @namatamago_tori
一条「マクドナルドは休日」http://t.co/TuL8rV8uG9父である語り手が娘と休日のマクドナルドに行き隣席のカップル(別れ話中。結局男性は振られる)や相手の女性(パンツが見えそうで見えない)を気にしながらハンバーガーを食べる話。二組の男女の対比から時間の流れが読める。
alchemist @allplusnothing
2006年創造大賞、コントラ「→」http://t.co/G8WCBKJnBN 客観的な描写にすぐれた書き手だが、珍しく内省的なベクトルの強い作品。とはいっても、内省によって何か結論や明確な思想が生まれるわけではない。主観と客観が斬り合うところに立ち昇る世界の強度が素晴らしい。
alchemist @allplusnothing
2006年創造大賞、りす「A・K  夏の椅子」http://t.co/jYXR9VHq6T 上品な筆致の中に軽やかな哀歓を描きこむのがうまい。この作品でも、母と子の微笑ましいやりとりだけでなくどこか切なくなるような夏の情景を描いている。人間が飽くまで自然との交渉の中にいるのがいい
生卵を喰う鳥 @namatamago_tori
りす「モモンガの帰郷のために」http://t.co/AOubElaPPB 出会い/別れ。その隙間に何かが抜け落ちているんだけど多くの人はその何かに気づきつつもすぐに忘れてしまう。感謝なのか謝罪なのか、「すまない」という言葉でしか表現できない感情がコミカルな情景から不意に現れる。
alchemist @allplusnothing
2006年抒情詩賞、fiorina「海」http://t.co/FcIxGSPFEB 人生を見つめる眼が確かな書き手であり、喪失や希望・死を多く取り扱っている。存在すること・存在しないことについて何も感じないではいられない。存在は不在へ向かい不在は存在へ向かうことへの態度表明だ。
生卵を喰う鳥 @namatamago_tori
fiorina「春の手紙」http://t.co/tdLGNtJLsy安吾「桜の森の~」を再読したばかりなんですが、本作も、言語でしか記述しえない何もかもが消失してしまう美しさが表現されていて、伝達できないからこそ届いてしまう、ということを信じざるを得ないどうしよもなさが、いい。
alchemist @allplusnothing
2006年抒情詩賞、軽谷佑子「捨て野」http://t.co/HnK3okxYGx 彼女の作品は、自らの身体について書かれる詩編と外界の描写がなされる詩編に大別される。この作品は「麦を刈り取る」という身体的かつ描写的なものであり、興味深い。身体と自然の交わりから立ち昇るもの。
alchemist @allplusnothing
2006年抒情詩賞、中村かほり「つまり愛とかなんだろう」http://t.co/KpdiARU2kq 瑞々しく匂い立つようなすっきりした感受性をもとに書かれている。この作品では愛というものが否定性の中でとらえられている。人を人でないものとする愛、人を腐敗させる愛。愛の本質かも。
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