内田樹×岡田斗司夫 「評価と贈与の経済学」出版記念トークライブまとめ
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●あの質問が来たときの僕らの、困ったなっていうのは何かというと、この条理は見つけるもんであって教えるもんではない。どうやれば? ○どんなに不条理に見えることでも、その中には何らかの論理性があってある種の構造的な法則がある。それについての革新を持つ。
2013-06-13 01:15:59●あと、フレーム小さくするのもいいんじゃありません?日本をどうするかではなく、近所をとか、うちの家を、自分の会社をとすれば、条理が見えやすくなる。その訓練をする。
2013-06-13 01:16:15○たとえばの話。私の亡くなったオジサンが、大きな会社の人で年収もあるんだけど、背広がボロイの。なんであんな恰好しているんだろう。身内の人は、「あまり見た目に構わない人だから」という。で、その人の奥さんが着道楽の人で何でも買っちゃうの。
2013-06-13 01:16:36○稼いだお金を着物とかバッグに使っちゃうから、旦那が抗議していたのwお前が金を使うせいでオレはこんな汚い恰好をしているんだって。でも奥さんには言えないから、自分はあえてぼろぼろの服を着ていたわけ。
2013-06-13 01:16:55○それは彼の立場になるとわかるんだよね。一見すると不可解に見える行動は、ある誰かに対するメッセージである。 ●人間って、びっくりするくらい合理的ですよね。
2013-06-13 01:17:19○人々がやっている奇妙な行動にはある種の主観的合理性があって首尾一貫性があるってことを確信してからは、どんな変なものを見ても、「なんでこんな変なものがあるんだろう」って思うようになってくると、家族の中から広がって、日本社会のことになっても「日本社会は変ですよね」といわれても、
2013-06-13 01:18:15変になるには変になるある種の根拠がある。本気で一生懸命努力して作ってきた人々の善意があったりする。 ●世の中の条理が分かるようになるには、そのひとの身近の、わかんない人とか、バカだと思っている人の、内的な合理性がわかるようになれと。お前には日本の問題は早い!
2013-06-13 01:19:42○まだ早い。まだ赤ちゃん。ミルクをのむことから始めなければならない。 ●最近の若い人って僕らが20代30代のころより、明らかに頭がいい。クレバー。やたら流線型なんですよ。
2013-06-13 01:20:21○それは、社会が危機的になってきて成功のロールモデルがないわけだから、クレバーで、生き方もシャープになっていくんじゃないかな。 ●というわけで、最初の問題の、日本をどうすればいいかは「まだお前には早い!」
2013-06-13 01:20:392問インターネットをどう考えるか。 ●内田先生の方が、ブログとかで発信量多いですよね。あれは何でなんですか? ○僕は書き助だから。子どもの頃からガリ版で書いていた。中学でSFクラブに入っていて、封書で出していた。
2013-06-13 01:23:06●いわゆる同人活動をしていたんですね。 ○そのころのお小遣いは紙代と切手代。今の子たちの「ケータイの通信費が何万円」と同じで90%くらい通信費。 ●そのころのガリ版で書いていたことがインターネットになったわけですね。 ○ネットっていうとんでもないおもちゃをもらって、狂喜している
2013-06-13 01:23:29●内田先生は、本では、身体性を重んじて、ネットの情報には懐疑的であるとまとめてもらったんですが、実際のところは?
2013-06-13 01:23:49○ネットだって分かるよ。140文字であっても、その人の身体性が。自分の身体性を乗せられる人間と乗せられない人間がいて、90%の人は乗せられない。中にはネットに身体性を乗せられる「文体」を持つ人がいる。その人の身体的感覚、たとえば味覚を、読んでいる人と同期させられる人がいる。
2013-06-13 01:24:21○その人の皮膚感覚や感情の中の言語化しにくい部分をのせて、ポンと伝えられる。これって昔はなかなかできなかったこと。そういうことが上手くできる人には女の子に多い。ネットコミュニケーションの力だと思う。
2013-06-13 01:24:44●人間って書きながらものを考えているってありますよね。書いているうちに、だんだんその考えになっていく。書くのが下手な人とか、ネットでケンカになっちゃう人って、字を書くことで興奮して攻撃的な言葉を使っちゃう人が多いと思うんです。
2013-06-13 01:25:20●そういう人は自分の身体性が乗っかるのではなくて、手先にのっとられて文章を書いてしまって自分がそういう人格になっているのがあると思うんです。ネット人格とリアル人格の差がでてしまう。
2013-06-13 01:25:46○攻撃的な言葉になるのは簡単で、人間は人を攻撃するときが一番全能感がある。ものを作るのは長い時間がかかるけど物を壊すのは一瞬でできる。どんな非力な人間でも一瞬で壊せる。自分の無力さとか非力さに苦しんでいる人は100%破壊に走る。攻撃ってのは自分の能力が何百倍にもなる。
2013-06-13 01:26:10○ネット上の論調が攻撃的になるのはあたりまえ。 ●お金と似てますね。金を通してしか物が見えなくなってくると、「結局それはなんぼやねん」「オレはなんぼ得するねん」という受け答えと似てる気がします。お金って大部分の人が、何でそんな使い方したか分からない使い方するんですけど、
2013-06-13 01:26:52●実のある使い方ってできないんです。だから、お金持ちのお金の使い方に感動できないですよね。セレブとかがバッグとか買ったり豪邸建てたりするんですけど、なんでそんなのが好きなんだろう?って思うことはあっても、こんなスゴイお金の使い方があるんだ、カッコいいなあとは思わない。
2013-06-13 01:27:17●今、何が怖いかって、自分たちの発言って誰か記録とってたりするんですよね。若い頃に言った稚拙な悪口とかが残って、30年後にこういう講演したときに「二十歳のころツイッターでこういう発言してましたよね」っていわれちゃう。
2013-06-13 01:27:34○ほんとに怖いね。これから、後を消す商売って成立するんじゃない? ●今、ネットにはまっている人って、遺言をどうするのかとか、死んだら、自分の持っている画像ファイルとかメールアドレスとかテキストデータを処分する仕組みとかサービスをやっている人がいます。
2013-06-13 01:28:02●でも、死んだらなにバレてもいいと思うんですけどね。 ○いや、一応ルールとして、「死んだら、そいつのパソコンはさわらない」そのままお棺に入れてあげる。冠婚葬祭の常識になるんじゃない?死んだ後のほうが、存在感が増すって事があるからね。これを新しい常識にしよう。
2013-06-13 01:28:243問 内田先生のブログは女性に共感されやすい。一部の自分に自信の無い男性には上から目線発言に聞こえてアンチが多い気がする。普段どういう相手を想定しているのか ○女子大の先生を21年やっていたので、教壇から20歳くらいの女子大生に話しかけるのがデフォルトなので、文体も似てくる。
2013-06-13 01:28:58●あれ女子大生に向けた文体なんですか? ○学生たちは非常にシビアな存在で、ただ授業をしてたら寝ちゃうんですよ。でも、寝てる子たちは話が面白くなると起きるの。コンテンツに反応しているんじゃない。いまそこで起こったことを話すと反応するわけ。
2013-06-13 01:29:17○あるとき、難しい授業だったんだけど、「今、北口の向こうにヤクザがね」っていったらみんなシーンとして聞くわけですよ。コンテンツ関係ないんだ。「今僕が君たちにしたい話があるよ聞いて!」の「聞いて」に反応するの。
2013-06-13 01:29:48