ガールズ＆パワードスーツ

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Chapter1は『反則泥試合』で

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戦車道は変わった。限界の見えない技術向上は新たな兵器の開発を止めた。戦車道は変わった。人は人を兵器そのものにするようにした。戦車道は変わった。人はついに、人を戦車にすることにしたのだ。戦車道は変わった。もはや人は戦車の一パーツとなった。安価かつ量産可能なパワードスーツによって――

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「こちらあんこう1。敵の姿は見えない」「了解、そのまま警戒を続け――」「待て！なんだアレは！クソッタレ、化物だ！」「馬鹿な。生物的な人間強化は禁止されているはず！」「パワードスーツに乗っけた砲弾にウィルスでも詰めたんだろうよ！あの制服はウチのだ！殲滅しなきゃウチが反則になる！」

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「クソッ！クソッ！キリがねぇ！こちらあんこう1！増援はまだか！」「無理だ。大規模な戦闘が他で起っている。カメラもそっちだ！」「増援送って目立つ訳には行かないってか！？そうだよな、反則扱いになるもんな！」「そうだ。カメラがあるなら奴等もウィルスは撒かないだろうしな」「クソッタレ！」

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「こちらあんこう1！ヘリだ！ヘリ型パワードスーツが雲の上にいるのが見えた！アレがウィルスを撒いてやがるんだ！糞アメ公が！反則のオンパレードだ！」「了解。なんとか破壊できないか」「出来るわけが――いや待て！ブッ殺した化物共のパワードスーツを集める！」「何をする気だ！」「花火だよ！」

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「よし！パワードスーツを全部繋げ終わった！」「待て、それらは破損してるはずだ。そんなものを起動させたら大爆発が――まさか！」「花火だっつったろ！穴も掘り終わった！カーボンも張った！爆弾も入れた！見ろ、天然の発射台だ！」「何を発射して破壊するんだ！？」「私だよ！BOOOOOOM！」

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「こちらあんこう1だ！角度よーし！飛距離よーし！着いたぞクソ野郎！」「なっ！？戦車型パワードスーツがどうやってこんな空中に！」「戦車が飛べない訳ないだろうが反則コソコソネズミの淫乱豚が！下まで吹き飛んどけボケカス！」

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「こちら本部。全く、ナイスな角度で吹き飛ばしてくれたな。ヘリ型パワードスーツはカメラの目の前に落下したぞ」「こちらあんこう1。そりゃ計算尽くだよ、ばーか」「相手チームは反則で全員拿捕された。誰も五体満足では帰れないだろうな。生きて帰れるかも怪しい。試合は我々の勝ち扱いになった！」

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「そうか！これで予選突破だな」「兵は大分消耗したがな。補充が間に合うといいが」「何にせよ残った問題は一つ。私が無事に着陸できるかどうかだ。ブースターで落下速度を軽減しちゃいるがそろそろ燃料が切れる」「あー……。お前は優秀だから無傷で帰って来てくれ」「投げっぱなしかクソッタレ！」

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（前回までのあらすじ）あんこう1の活躍により、敵高校の反則を暴いて勝利を収めた大洗女子校。兵の補充、パワードスーツの強化も終わり、いよいよ二回戦が始まった。

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Chapter2『雪の中』

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「こちらあんこう1。敵の姿は見えない。この吹雪じゃ向こうだって見えちゃいないだろうな」「そうか。引き続き進行してくれ。お前を信頼しての単独行動許可なんだからな」「はいはいっと。それにしても凄い雪だねぇ。パワードスーツが無きゃ凍え死んでたところだよ――あ？なんだありゃ。山小屋か？」

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「こちらあんこう1、山小屋を発見した」「妙だな。大会運営側から提示された地図にはそんなものは書いてないが」「ひょっとしてルート外してるのか、私」「GPSの反応は正常なルートにいる。一応、その山小屋を調べてみてくれ。敵が作った仮拠点かもしれん」「それにしちゃボロボロだがな。了解」

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「さて、調査調査っと……なんだこりゃ。死体だらけじゃねーか。しかも敵の制服か？血塗れでわから。酷い事しやがる。パワードスーツごと真っ二つに千切って中身を引き摺り出したんだろうなぁ。そんな馬鹿力の出せるスーツ、ウチにあったか？しかもこの欠損、まるで喰われたような――なんだぁ！？」

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「クソッタレが！本部、応答しろ！」「どうしたあんこう1！敵がいたか？」「敵だ！敵だが、敵じゃねぇ！」「何を言ってる！正確に言え！」「雪男だよ雪男！見境なく襲ってやがるらしい！危うく千切られそうになったぞ！」「雪男！？そんな非現実的な物がいるはずない！」「いたんだから現実的だよ！」

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「どうする！？大会どころじゃねぇぞ！？」「だが、運営に伝えて信じられるとは思えない。とりあえず前進しろ！」「はぁ！？マジで言ってんのか！？」「あぁ、雪男どもを殲滅しつつ的の陣地に向かえ！そして――」「なるほど、カチ合わせる訳か。悪どいこと考えやがるな！了解したぞ、クソ外道！」

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「こちらあんこう1！ヤバイぞクソ！雪男どころか雪女まで出てきやがった！ESPを使ってきたぞ！」「なんなんだこの山は……まさか」「心当たりあんのか？」「この辺に政府の研究所があったと聞いた。不慮の事故で研究員や兵士が全員死んだとか。都市伝説だと思っていた」「間違いなくそれだ馬鹿！」

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「その研究所は何処にあるんだ！？アイツらはどうせそこから産み出されてんだろう！何か殲滅する手段があるかもしれん！」「聞き流していたから詳しくは知らん。だが、あるとしたら地理的には……敵の陣地の後ろ、かな」「つまりこのまま予定通りに行けってことだなクソッタレ！」

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「こちらあんこう1。敵の陣地に着いたが人っ子一人いない。落ちてる通信機からは本部に応答を願う敵さんの声が聞こえるがな」「あー、そうか。多分、みんなそこにいると思うぞ。雪で覆い隠されてるんだろうな」「あぁ知ってる。そこら中の雪が真っ赤だ」「試合は我々の勝ちらしい」「私が帰れりゃな」

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「そこから研究所は見えるか？」「見える。多分、敵さんが研究所に気づいて開けちまったんだろうな。さっきから一つの入り口からワラワラ湧いてきやがる。撃ちやすいがな」「銃声はそれが理由か。再び封印することは可能か？」「いや、もっといいモン見つけた。敵さんが残したらしい。超巨大な爆弾だ」

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「まさかあんこう1、それで奴等の巣ごと爆破するつもりか？」「当たり前だろ？」「だが仕掛けるには近づく必要が」「いんや、それも問題ねぇ。お誂え向きにリフトがありやがる」「そうか。あんこう1！命令だ！速やかに研究所を爆破し、無事に帰還せよ！」「ほいよ。まずは機械を直さんとな」

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「さて、リフトはこれで動くな」（乗った後）「雪クズども！ロープを切ろうとしてやがるな！片っ端から撃ち落としてやる！」（研究所の真上に到着）「よし、あとはここからコイツを落として起爆――なんだぁ？あんなデカいのがいるなんて聞いてねぇぞ！クソッタレ！口の中にコイツを突っ込んでやる！」

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「こちらあんこう1」「あんこう1か！どうだった！？」「やり遂げたよ。研究所は15m雪男がブッ壊してくれたが、ソイツは私がブッ殺したよ」「そうか！すぐに帰還してくれ！」「あー、それなんだがな。爆発の衝撃でまた空飛んでんだ私」「前も大丈夫だったから今回も大丈夫だろう」「クソッタレ！」