鳥山仁さん(@toriyamazine)の商業小説の分類法
(26) ⑤ 極度にパターン化されているストーリー展開。あるいはストーリー展開をパターン分類化したがる傾向。 ⑥ 芸術作品。文学。(編集者の権威が過度に高いジャンル) (以下は個別のパターン解説だが削除)
2013-06-22 06:45:46(27) さて、仮に貴方が娯楽系の作家を志す場合、非娯楽系の商業作品を要求する編集者や読者への対処を考慮しておかねばならない。逆に、貴男が非娯楽系の商業作品を書こうと思っている場合は、娯楽系の商業作品を要求する編集者や読者への対処を考慮しなければならない。
2013-06-22 06:46:03(28) というのも、この2つは幾つかの例外を除いて本質的に相容れないので、編集と作家の指向が異なると「作家として潰される危険性高い」からだ。どこかで妥協点ができるはず……という甘い考えは捨てた方が良い。
2013-06-22 06:46:16(29) たとえば、私は典型的な娯楽系の編集者なので、娯楽の要素を満たさない作品は、それが売れると分かっていても基本的に通さないし、その為のスクリーニングを作家に課している。
2013-06-22 06:46:29(30) 具体的には「オープニングにインパクトのあるシーンを持ってきて下さい」という物語初頭のストーリー展開に縛りをつけている。これは娯楽系の作家であれば100%クリアできるハードルで……
2013-06-22 06:46:41(31) ……たいていの作家は物語初頭で事故や犯罪事件に主人公が巻き込まれるというプロットを立ててくる。予想外の出来事を起こして欲しいのだから、このプロットが正解である。
2013-06-22 06:46:57(32) しかし、非娯楽系の商業作品を書きたい作家は、予想外の出来事が起きるのを嫌がるため、事故に巻き込まれたり、犯罪に巻き込まれるという「巻き込まれ型」のプロットが書けないか苦手である。そこで自動的に、このタイプの作家は弾かれるという仕組みになっているわけだ。
2013-06-22 06:47:09(33) 逆に非娯楽系の商業作品を要求する編集者であれば、プロットに執拗なまでの必然性や伏線を要求する。彼らは予想外の事態が起きて欲しくないので、プロットの段階からそうした要素を可能な限り排除しようとする。
2013-06-22 06:47:28(34) その結果として、話が平坦になろうがご都合主義的な展開をしようが構わない。娯楽系の作品を書きたい作家は、この条件を呑んで仕事をしていると心身共に疲弊してしまうので、仮に1作はこの条件で小説が書けても後が続かないという仕組みになっているわけだ。 (以下略)
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