とあるゲームクリエーターの裏話

リッジレーサーやエースコンバットなどのゲームを制作された河野一聡さんの、クリエーター裏話のまとめです。
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Kazutoki Kono : 河野一聡 @kazutoki

で、ここから4℃さんの話になるのだけれど、結構ヘビーです。先ずはお金。予算が全然無かった。それでもAC3の豪華IGさんのアニメと、何とかバランス取らなきゃいけなかった。だから、結局、先ず、その時の時代性、あと自分の感覚だけで、「スタジオ4℃さん突撃作戦」を自ら立案して実行した。

2013-07-02 01:41:38
Kazutoki Kono : 河野一聡 @kazutoki

つまり、「勝手にやった」のである。アニメの相場も知らなければ、制作体制も知らない。でも、当時の4℃さんは尖ってて、カッコ良かった。だから、情熱だけで、104で調べて電話した。だって、電話番号伏せられていましたし。パイプも無かったし。

2013-07-02 01:45:31
Kazutoki Kono : 河野一聡 @kazutoki

幸い電話に出た方は、此方の小僧の話も聞いて頂ける、気さくな優しい女性だった。「一度話を聞きますから、スタジオまで来れます?」即答で、直ぐに伺う約束をした。緊張感高く、初めてのスタジオ訪問には正直ビビっていた。でも、ドア向こうで迎えてくれたのは電話の気さくな女性だった、社長だった。

2013-07-02 01:52:50
Kazutoki Kono : 河野一聡 @kazutoki

片渕監督から久々にメールを頂きました。案件は監督の講演に関することでした。追伸で「リツイートしたので、AC04当時のコトを書くのにブレーキがかかっていませんか?」「読むのを楽しみにしています」って言葉が添えられていて、ありがたいやら、嬉しいやら、恥ずかしいやらで、うひゃひゃひゃ。

2013-07-08 20:32:23
Kazutoki Kono : 河野一聡 @kazutoki

せっかく、応援して頂いたので寝るまで。前回は4℃に何も知らずに突撃。名刺交換させて頂いたら、アポとりして貰えたのは社長!オレンジ色の頭でフラつく森本監督!みたいな、カオスな場所でした。グイグイっと打ち合わせスペースに通され、社長の第一声が「ウチはゲームの仕事やってないんですよ」

2013-07-09 01:49:06
Kazutoki Kono : 河野一聡 @kazutoki

「終わったー!退散!」って気分でしたが、仕事の内容を一生懸命説明。「ゲームの仕事といっても、アニメーションじゃないんです!」もうね、オマエは何処に来て何を言ってるいるのだと。一通り説明を終えると、社長から「話の内容を聞いてピッタリな監督がいるんだけど」あれ?脈あり???

2013-07-09 01:54:08
Kazutoki Kono : 河野一聡 @kazutoki

失礼ながら、当時、まだ片渕監督のコトはご存知上げず、大砲の街こと、アリーテ姫のこと、そしてミリタリーに詳しく、自分たちが持って行った企画に対して、この人しかいないと。つまり「スゴイ方を紹介してあげるけど、どうよ?」である。新進気鋭の当時の4℃さんからのご紹介。

2013-07-09 01:59:12
Kazutoki Kono : 河野一聡 @kazutoki

「あっ、でも予算が僕ら全然なくて、出来るだけ頑張りますが、失礼な金額かもしれません。なにせ、相場も知らないので。(相場ぐらい普通は調べるもんだが。苦笑。)」に対して、「いいの、いいの。使える予算の中でイイモノを作りましょうよ。」って、「ゲームやらない→仕事やる」の急展開。

2013-07-09 02:02:48
Kazutoki Kono : 河野一聡 @kazutoki

「ありがとうございます。では次は、もう少し具体的な内容を持って近々、また御伺いします。」と、大人な引き際を見せた俺に対して、社長の「今決めましょ。次の予定ここで今決めましょ。ダメです。」の食い気味のツッコミ。このやりとりは、実はその後、数度にわたって行われる。笑。鍛えられた。笑。

2013-07-09 02:07:34
Kazutoki Kono : 河野一聡 @kazutoki

こうして、無事?に社長の洗礼を受け、片渕監督とついにお会いするコトになるのである。この時の河野は多分、20代の終わり。初めて本格的に外部に飛び込み、何も知らないままに、初っ端がやり手社長とベテラン監督とコンビ。今振り返るとそれが良かった。それ以来、肝が太くなった。笑。

2013-07-09 02:13:33