スクイークやスクラッチにおける「反射」のファシリテートについて

スクイークやスクラッチでワークショップを行う際によくある反射(跳ね返り)について、どのようにファシリテートするかの一例です。
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アベ先生 (CV: 阿部和広) @abee2

私のワークショップのネタをひとつ。子供たちはスクイークなりスクラッチなりの基本的な使い方(リテラシー)を持っていることを前提にします。つづく

2010-09-21 13:40:56
アベ先生 (CV: 阿部和広) @abee2

「車の運転」の後に、車や道を他のもの(ボールや魚、ラケットや池)に見立てることで同じスクリプトでも可能性が広がるという展開をよくやります。これは固定した視点に対する揺さぶりです。これをやらないと、車が走ってよかったねで終わりがちです。つづく

2010-09-21 13:45:01
アベ先生 (CV: 阿部和広) @abee2

ここで自由制作に入っても良いのですが、このパターンだと、ほぼ確実に「反射」の問題にぶつかります。ここでいう反射とは、たとえばボールがラケットに当たったときに跳ね返るというようなことです。これはブロック崩しでも、キャラクタ同士の衝突でも起こります。つづく

2010-09-21 13:48:54
アベ先生 (CV: 阿部和広) @abee2

一般的な指導では、「ボールはその色に触れているか」でボールとラケットの衝突判定を行ない、結果が真の時は「ボールを回す」で方向を変えます。つづく

2010-09-21 13:50:43
アベ先生 (CV: 阿部和広) @abee2

このとき、ボールを回す角度は子供たち自身で考えさせますが、適当な数を入れたり、乱数を使うことが多く、入射角と反射角の関係まで踏み込まないのが普通です。これは子供には分からないだろうという大人の思い込みのためです。つづく

2010-09-21 13:53:04
アベ先生 (CV: 阿部和広) @abee2

しかし、子供たちは現実の世界でボールが跳ねるときの角度について知っています。地面や壁にバウンドするボールは日常的な経験です。黒板にボールとラケットの絵を描き、ボールの角度を矢印で示すと、ほとんどの子供は反射の角度を正しく答えます。つづく

2010-09-21 13:57:38
アベ先生 (CV: 阿部和広) @abee2

そこで、スクイークなりスクラッチなりで、ボールの向き(角度)を表示するように設定して、いろいろなケースについて実験し、入射角と反射角の関係の表を作らせます。つづく

2010-09-21 14:00:37
アベ先生 (CV: 阿部和広) @abee2

例えば、水平のラケットに45°の角度でぶつかったボールは135°になり、60°は120°、0°は180°になります。この表から気付いたことはないかと考えさせると、二つの角度の和が180°になっていることにすぐ気が付きます。つづく

2010-09-21 14:05:35
アベ先生 (CV: 阿部和広) @abee2

つぎに、ぶつかる角度から出て行く角度を知るにはどうすればよいかを問うと、180からぶつかる角度を引けば良いことを発見します。その結果として、「ボールの向きを(180-ボールの向き)にする」という式を得ます。つづく

2010-09-21 14:10:19
アベ先生 (CV: 阿部和広) @abee2

この式を実際にプログラムにすると、うまくいきます(「やったー」と盛り上がる)。しかし、垂直方向のラケットだとうまくいきません(跳ね返らずギザギザの動きになる)。つづく

2010-09-21 14:12:07
アベ先生 (CV: 阿部和広) @abee2

つまり、この解は特殊解だったということです。垂直のラケットの時はどうなるか、さらにはラケットが任意の角度の場合はどうなるかという一般解については、大人は介入せず子供に任せれば勝手にやってくれます。おわり

2010-09-21 14:14:50