- hinami_net
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あずささんの唇に、自分の唇を重ねる。 俺自身、総余裕があるわけでもなかったが、彼女の苦痛を和らげるために、とっさの事だった。 「…プロデューサーさんが…私と一つに…っ」 下腹部を撫で、あずささんがうわ言の様に呟く。 「…あずささんの中…熱く、蠢いて…!」 俺の限界も、近い。
2013-06-26 00:51:44腰を引き抜くたび、強烈な快感が、俺の意識を真っ白に染め上げる。 あずささんの、快感を押し殺した喘ぎ声が、耳をくすぐる。 「あっ…ずさ…!」 「… さん!」 荒い息遣いが、部屋の空気を震わせる。 ぐしゃぐしゃになったシーツが、その行為を物語っていた。
2013-06-26 00:57:28「…名前、呼び捨てにしてくれましたね」 「あずささん…名前で呼んでくれましたね…」 「「ふふっ…」」 「…あとで、お風呂に入りましょうか…」 「そうですね…そう…しましょう」 強烈な眠気が襲ってきた。 あずささんは、すでに俺の腕を枕にして、寝てしまった。 もういい。今日はこれで…
2013-06-26 01:00:44「…誰も、居ませんよね?」 「ええ…」 油断していた。 この旅館には、765プロのアイドル達が他にもいた。 あのまま寝てしまい、部屋から二人で出てきたとなれば、要らぬ騒ぎになる。 朝風呂に一番乗りすべく、まだ薄暗い廊下に出ようとする。 「おや…お二人とも、おはようございます」
2013-06-26 01:03:22「お二人とも、浴衣は来ておられなかったのですか?」 貴音に見つかるのは、ある意味想定内だったが、部屋から出てすぐとは迂闊だった。 「あ、ああ、どうもなれなくてな、あはは」 「え、ええ、そうですね~」 「ふむ…朝風呂は、ようございますね、空気は澄み、人も少ないので」
2013-06-26 01:09:12「そ、そうだな、うん、朝風呂はいいな、うん」 「それでは、参りましょうか、あずさ…それとも、混浴風呂の方がよろしいですか?」 「たっ…貴音ちゃん!」 「ふふっ…昨晩は、お楽しみのようでしたので…」 「貴音…お前」 「ふふっ、あなた様、誰にでも、とっぷしいくれっとはあるものです」
2013-06-26 01:10:54「ご心配ならずとも、私はお二人の仲を裂くような無粋な真似は致しませぬ」 「そ、そうか」 「あ、あら~」 「ですが…気を付けないと、殿方の心は移り変わるもの、あずさ、ゆめゆめ、油断なされぬように」 「え、ええ…ありがとう」 「それでは、朝風呂を満喫いたしましょう、うふふっ」
2013-06-26 01:12:59意味ありげにほほ笑んだ貴音は、そのまま露天風呂へと向かった。 「…危なかった…」 「…危なかったと言えば…」 「え?」 「プロデューサーさん…その、私実は昨日―――」 その日から数か月、俺は冷や汗をかき続ける事になった。 終
2013-06-26 01:14:49幕間
貴音宵為
露天風呂からは、よく月が見え、冷ややかな空気に火照った体も冷やされ、非常に心地よいですね。 こんばんは、四条貴音です。 …誰と話しているのか、と? ふふふっ…それは、とっぷしぃくれっとですよ。 さて、この後どうするものか… 見れば、双海亜美と真美が居るではありませんか。
2013-06-26 22:26:55何やら、双海亜美と真美は、あずさの部屋の前で、悪戯を思いついているようです。 「亜美、真美、そこで何をしているのです?」 此方に気づいた亜美と真美が、駆け寄ってきます。 私に抱き着いた二人は、まこと、可愛いものですね。 「あのね、あずさお姉ちゃんの部屋にスニーキングミッションを」
2013-06-26 22:39:15あずさの部屋の前に立つと、私はある事を思い出しました。 のぼせた、と言っていたあずさが、確かプロデューサーに付き添われていたこと。 野暮というものですね。 亜美と真美を春香の部屋へ行くように促すと、私もそれに続こうとしました。 が…好奇心、というものが、心の中で芽生えたのです。
2013-06-26 22:51:14さて、需要有るんかな?これ。 亜美と真美が、ドアノブを回した所為で、部屋の扉は、少しだけ隙間が開いていました。 駄目です、覗き見など下賎の者がする行為。 しかし…あずさの艶のある声が漏れ聞こえたことで、私の自制心は、少しずつ、無くなり始めていました。
2013-06-26 23:00:14廊下には、私だけ。 扉の隙間から、そっと部屋の中をうかがいます。 私は、目を疑いました。 あの、朗らかで、柔らかな笑みを浮かべるあずさの顔が、情欲の中に溺れている。 その事に、私は衝撃を受けました。 漏れ聞こえる、熱い吐息と、うわ言の様なあずさの声。 一糸纏わぬ、2人の姿。
2013-06-26 23:11:45ドアの隙間からでは、あまりよくは見えませんが、何をしているか。 その程度の事は、私も存じております。 2人は、男女の契りを交わしている。 その事実が、私の意識に、凄まじい衝撃を与えました。 元より、2人が恋仲であろうことは、私は察しておりましたが…
2013-06-26 23:16:44いけない、これ以上は見てはいけない。 そう思いながらも、私はその行為から目をそらす事が出来ませんでした。 体が、熱い。 この感覚、下腹部が疼く…と言うのでしょうか? 駄目だ、このままでは。 でも… 「貴音さぁん…なにしてるんですかー?」
2013-06-26 23:26:25「やっ…やよい…」 「あずささんの部屋の前でどーしたんですかぁ…?」 眠そうに、眼を擦りながら歩いてくるやよい。 悟られては、行けない。 「いえ、あずさに用事があったのですが、もうお休みのようなので…」 「やよいー、こんなところに居た」 水瀬伊織が、やよいの手を引いて帰りました。
2013-06-26 23:32:22