【竹の子書房】タイトル未定 切り絵風(仮)【絵描きからの逆襲(2)】
@ts_p 試しに絵を先出し。4枚あるのでこのうち一枚を表紙。他を挿絵とかで使えればと思います。まぁ、これは怪集とか怪談系でしょうか・・・・ #tknk http://twitpic.com/2qwtio
2010-09-23 01:11:15「漆原絵:目次」 天の繊月 竹院の乙女 なよ竹のかげ 女こもりて 忍び来て添う 流離の国に 星の衣(ころも) 病める眼に まつげの影の おもしろき春 ひそかにはぜる 花のうき雲 重ねはなびら 君ゆりおこす さびしき頬(ほ)のつめたさよ とほきわかれに #tknk
2010-09-24 02:21:09むかぁし、昔の事にございます。唐竹の林に囲まれた国に、降り立つ天女が二人。薄桃の果実を模した玉を下草にそっと置き、薄衣を翻し唐竹の先の先、そのまた先へと飛び立ちました。後に残るは美しい玉の果実。若竹色の淡い光を受け、ゆろゆろ輝く表面がちりりと音を立て、密かにはぜたのでございます。
2010-09-30 22:58:12さて、この唐竹の国の東にロウという大変働き者の少年がおりました。少年の父は彼が幼い頃、都へ徴兵に捕られて以来、何年も帰っておりません。字を習う事もなかった父御は、当然文を送りようもございません。父の帰りを信じ、少年は一家を支えるべく、朝から晩まで働いておりました。ロウはまだ十才。
2010-10-05 11:34:39このロウという少年は、大変聡明な子でございまして。素直で働き者。まるでこの国の若竹のように、しなやかで真っ直ぐなロウを見初めた御坊様は、寺のお手伝いを頼みながら彼に読み書きを教えておられました。しかし、聡明なロウは知っていたのです。御坊様のご好意も、何の役にも立たない事を。
2010-10-05 11:35:14ある日、いつものように竹細工の材料である竹を求めて竹林に入ったロウは、美しい獣に出会いましたのでございます。「ウウ」と低く唸る銀の獣にロウは動じる事なく、そっと歩み寄りました。「怪我はないかい?腹が減っているのか?」優しくそう言うと、自分の昼食のヒエを手に乗せ差し出しました。
2010-10-05 11:36:06「掌からは、無理か。ではここに置く」そう言って、ロウは竹を切っていきます。こぉん、かこぉん。歌うような鉈の音と、ロウの静かな息。獣の鋭い金の瞳。時が止まったかのような、美しい光景を獣の声が静かに絶ちました。「主、名は」「雌であったか。ワシはロウ」しなやかな笑みでございました。
2010-10-05 11:36:39「タロウか、ジロウか。そんな名だったが、名前を付けた父者がロウと呼んでいたのでな。今ではもう分からぬ」さしたる事も無い、と微笑んだロウに獣は呻きます。「ワシは名がない」「それは…心細いな」寂しそうに笑ったロウへ獣は「主、ワシに名をくれ」と申したのでございます。「ワシでいいのか?」
2010-10-05 11:37:39「よい。出会うたのも縁じゃろう」姿勢を正した獣に、ロウも向き直り正座しました。「では、玉輪でどうじゃ。金の瞳が月のようだ」青空に白み霞んだ月を仰ぎ、獣は満足げに頷いたのでございます。「うむ。今よりワシは玉輪じゃ」「仲良うやろう、玉輪」なよ竹の影が、青く二人を包んだのでございます。
2010-10-05 11:38:09これは甘酸っぱい「幼い恋愛未満の御伽譚」にするつもりで書いております。出っ来るかな♪出ッ来るかな♪腐無しで書けるかな~♪さてほほ~♪ …無理だったらゴメン!と先に謝ってみる(笑)
2010-10-05 11:42:35