2010.9.23 藤川大祐氏による「ディベート」についての連続ツイートまとめ

●特定非営利活動法人全国教室ディベート連盟 (略称NADE) http://nade.jp/koshien/ 特定非営利活動法人全国教室ディベート連盟は、読売新聞社と共催で「全国中学・高校ディベート選手権」(略称;ディベート甲子園)を開催しています。 続きを読む
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藤川大祐 @daisukef

ディベートのドラマ化、ドラマ好きでディベート関係者でもある私の悲願です。テレビ局ご関係の皆様、ぜひやりましょう!RT @moonlit_subrosa: ディベートはもういっそマンガ、アニメすっ飛ばしてドラマにしちゃえばいいんだ!逆転裁判ぽく!

2010-09-23 06:12:03
藤川大祐 @daisukef

サンデルさんの「正義」の話が盛り上がっていることもあり、私としてはディベートのドラマでは簡単に答えが出ない問題をきちんと考えるということも入れたいです。

2010-09-23 06:15:05
藤川大祐 @daisukef

ディベート甲子園漫画スタートを記念し、将来のディベートドラマ制作を祈念して、今日はディベートについて連続ツイートさせていただきます。私なりの角度で書きますので、「違う」という方はぜひおっしゃってください。

2010-09-23 06:36:39
藤川大祐 @daisukef

ディベート(1)ディベートは、広義には基本的に2つの立場での討論、狭義には教育・学習の手段としての2つの立場に分かれての討論ゲームである。後者は「アカデミック・ディベート」等と呼ばれる。

2010-09-23 06:39:12
藤川大祐 @daisukef

ディベート(2)以下、アカデミック・ディベートについて述べる。ディベートの勝敗は、審判が判定する。ということは、両チーム(多くの場合、肯定側と否定側)は試合の最後まで立場を変えない。否定側に説得されて肯定側が主張を否定に変えるということはない。

2010-09-23 06:41:11
藤川大祐 @daisukef

ディベート(3)各チームが最後まで立場を変えないというあり方は、議論における人の意見の変わりづらさを認める発想から来ているのではないかと考える。よく考えられた意見にはそれなりの根拠があるはずで、意見を変えるには熟慮が必要なはず。短時間で意見を変えさせることには無理がある。

2010-09-23 06:44:40
藤川大祐 @daisukef

ディベート(4)ディベートでは、ルールによって、誰がどの順でどのような種類のことを話すかが決まっている(立論、質疑、第一反駁、第二反駁のように)。これは、発言権の確保の心配なく発言できることを意味する。

2010-09-23 06:48:09
藤川大祐 @daisukef

ディベート(5)自由形式の討論では、発言権の確保が難しい。発言したいことがあってもよいタイミングで発言権を得られなければ発言ができないし、指名されなければ発言できない。討論全体の中で一人だけが突出して多く発言することが憚られるためどこで発言権を求めるのかの判断も難しい。

2010-09-23 06:50:06
藤川大祐 @daisukef

ディベート(6)ディベートでは、正確に話し、正確に聴くことが前提となる。話す時には、項目を要素に分けて数え、見出しや番号をつけて構造を明確にし、メモの取りにくい固有名詞や数字はゆっくり話す等、相手や審判が正確にメモを取りながら聴けるように話す。

2010-09-23 06:52:24
藤川大祐 @daisukef

ディベート(7)聴く側は、記憶と記録(メモ)で相手の言うことを正確に再現できるよう、正確に、整理しながら聴く。議論の要素のつながり、流れ(フロー)が見えるよう、関連する項目を線でつないでメモをとることが基本。文末や接続詞に注意し、主張と根拠の関係、推測か断定か等まで確認する。

2010-09-23 06:55:32
藤川大祐 @daisukef

ディベート(8)相手の論理に飛躍がある場合や根拠が不明な場合等は、「わかったつもり」にならずに聴く。必要があれば質問して補う。徹底的に相手の話を聴けることが、ディベートでは求められる。共感的に聴こうとして言われていないことを勝手に補うことはせず、あくまでも批判的に聴く。

2010-09-23 06:59:13
藤川大祐 @daisukef

ディベート(9)ディベートとはベラベラとよく話すゲームだという印象を持たれがちだが、わかったつもりにならずに丁寧に相手の話を「傾聴」することのほうが重要かもしれない。批判的であることは聞く耳を持たないことではなく、むしろ逆である。批判的になるから傾聴できるのである。

2010-09-23 07:01:31
藤川大祐 @daisukef

ディベート(10)ディベートでは批判されることが前提である。各チームが主張したいことは立論で出さねばならず、第一反駁で言えることを第二反駁で初めて出すことも許されない。相手に十分に批判の機会を与え、それでも生き残った主張だけが審判に認められるのである。

2010-09-23 07:03:36
藤川大祐 @daisukef

ディベート(11)言いたいことは最初に言うということは、本来はどんな話し合いでも望ましいことである。会議で次から次へと新しい主張が出されていては、いつまでも終わらない。主要な説明を出す局面、それらについて質問して確認する局面、批判的に検討する局面を分けることが望ましい。

2010-09-23 07:06:45
藤川大祐 @daisukef

ディベート(12)ディベートでは話せる時間が限られている。言いたいことをすべて言うことなどできない。自チームの勝利のために何を話すかを取捨選択しなければならない。微視的な鋭い議論だけでなく、巨視的な重要性の判断が求められる。早口で全部言おうとしては判断能力が鍛えられない。

2010-09-23 07:08:41
藤川大祐 @daisukef

ディベート(13)ディベートはあくまでも教育訓練の道具であって、ディベートで直接意思決定をすべきではない。ディベートの勝利は、その試合の中での議論が勝っていたことが認められたことを意味するだけで、勝ったチームが正しいということにはならない。

2010-09-23 07:11:19
藤川大祐 @daisukef

ディベート(14)ディベートでは、同じ論題について複数回試合を行うことが基本である。論題が適切であれば、肯定側が勝ったり否定側が勝ったりするであろう。ディベートで扱われる問題には、「正解」はないのである。同じ論題で繰り返し議論するので、議論に上達しやすいということもある。

2010-09-23 07:13:29
藤川大祐 @daisukef

ディベート(15)民主主義社会では、多様な立場の人が「正解」のない問題について丁寧に議論することが大変重要である。ディベートはおそらく、そうした議論に必要なスキルの多くを最も効果的に習得できる手法である。

2010-09-23 07:15:57
藤川大祐 @daisukef

以上、ディベートについての連続ツイートでした。

2010-09-23 07:16:23
あすこま @askoma

私のようにその「あり方」に抵抗感がある教員もいると思いますが、そういう見方があるのですね。目から鱗。RT @daisukef: ディベート(3)各チームが最後まで立場を変えないというあり方は、議論における人の意見の変わりづらさを認める発想から来ているのではないかと考える。

2010-09-23 06:53:27
藤川大祐 @daisukef

授業で議論をして、短時間で一つの結論を出そうとする時、納得抜きで多数派に従わせることになっていないかを、検討する必要があると考えます。RT @askoma: 私のようにその「あり方」に抵抗感がある教員もいると思いますが、そういう見方があるのですね。目から鱗。

2010-09-23 07:17:58
mii10 @mii10matome

@daisukef久しぶりに学生気分でした。自分自身社会に出た際にディベート教育は役に立ちましたが、ディベート自体は日本人同志の議論に合うものだと思われますか?

2010-09-23 07:21:12
藤川大祐 @daisukef

ディベートで求められる批判的思考は、日本社会全般というより、これまでの日本の学校文化との相性が悪いと認識しています。しかし、学校文化が批判的思考を育てられるものに変わることが必要なのだと考えます。RT @singularity_jp 久しぶりに学生気分でした。自分自身社会に出た際

2010-09-23 07:29:13
池田 修 @ikedaosamu

ジャッジとして、ここが言えてなかったからダメ、という言い方ではなく、この議論を伸ばせていたから良かった、のようなコメントを心掛けたい。RT @daisukef: ディベート(12)ディベートでは話せる時間が限られている。言いたいことをすべて言うことなどできない。

2010-09-23 07:31:35
mii10 @mii10matome

@daisukef 学校文化との相性、なるほど。僕ら保護者として学校に関わる人間も学校文化の変化に協力できるようしていかなければなりませんね。現場の先生たちの足枷にならないようにしたいものです。

2010-09-23 07:38:03
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