第6回「スキャットで決まる!コーラス編」

アカペラアレンジにおいて、スキャットの考え方をまとめてみました。
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Twit アレンジ講座 @aca_arr

これまで「刻み」「字ハモ」とコーラスのアレンジについての講座を行いました。 伸ばしでのコーラスも含め、音符を置くことが最初のステップですが、その置いた音符に対してのスキャットの置き方でまたひと工夫出来ると、よりよいアレンジになるので、気をつけるといい点について考えていきましょう。

2013-07-12 22:00:45
Twit アレンジ講座 @aca_arr

スキャット(Scat)とは、元はジャズで歌詞がない、音に合わせた即興的な歌唱法のことを指すそうです。 スキャットだけを利用した『スキャットマン』は非常に印象的ですね。アカペラでは、コーラスのウーアーなどの歌詞じゃない部分を指しますね。ではスキャットの置き方を考えていきましょう。

2013-07-12 22:02:18
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まずは、スキャットの種類と見ていってみましょう。なお、スキャットの表記の差異に関するお話しは、今日の講座の目的と少しそれるので割愛させていただきます。 また別の時にお話出来ればと思います。 ※以下、カタカナ(英語表記の一例)とさせていただきます。

2013-07-12 22:04:04
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◆ウー(uh、woo、oo) 「ウー」は最もハモりやすいスキャットで、ポップスのバックコーラスにもよく使われています。迷ったらコレ!(笑) ウーの中でもストレートにウーと歌う場合と、ゥウーとこもらせるニュアンスで使い分けると幅が広がって面白いです。

2013-07-12 22:06:49
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◆アー(ah) 「アー」はとても勢いがあり、サビで使うと効果的です。ただし、声の個性がはっきりと出てしまうため、ハモりにくいとも言えます。 盛り上げることが出来る一方で、使いすぎるとくどい印象を与えることもあります。一番盛り上げたいところを意識して効果的に使いましょう。

2013-07-12 22:09:01
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◆オー(oh)ウォー(woh)ウォウ(wow) 「オー」はアーと同じく盛り上げたい時に使います。サビで使ったり、サビ前で盛り上げていきたい時に使ったりします。ちょうど、ウーとアーのクッションの役割も出来て「ウー→オー→アー」と変化させていくと盛り上がりが分かりやすいと思います。続

2013-07-12 22:11:19
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(続) ウォーやウォウも、オーと似たような感覚で使われますが、瞬間的に盛り上げたり、一瞬だけ大きくなって元の音量に戻る、という場合に使うと効果的です。 また同じスキャットでもwの音をためるようにするとより強調されます。(ウォーをゥウォーと歌うイメージ)

2013-07-12 22:13:09
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◆フゥー(fu、whoo) 「フゥー」はウーと似ていますね。フゥーを使うとコーラスの頭がちょっと目立つので、4小節フレーズの頭だけフゥーにして残りの3小節をウーにしたりします。fの発音によって息が入るのがポイントです。強調したい時は息を多めにするとよいでしょう。

2013-07-12 22:15:19
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◆トゥー(tu、too) トゥーは更に輪郭がはっきりしているスキャットで、刻みが細かい時に使うと、音にしまりが出ます。さらに強調したい時はドゥー(du、doo)なども使われます。

2013-07-12 22:16:43
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刻みのコーラスのお話し(http://t.co/YrqFERF8Kd)の時に、「子音と母音を分けて考えると説明しました。フゥー、トゥー、ドゥーの「発音にしにくさ」が強いものほどリズムを強調する役割を持つようになります。そういう観点で決めていくと流れがより伝わりやすくなります^^

2013-07-12 22:18:08
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この他にも色々ありますので、アカペラの楽曲でどういうものが使われているのか研究してみましょう。 それぞれに、何か効果を持たせて書いてあるはずなので、そこまでわかるとまたコーラスが違って聴こえます。役割を意識して使うことが出来ると、スキャットひとつで大きく印象が変わります。

2013-07-12 22:19:58
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それでは、再開しましょう!^^ スキャットの決め方は基本的に、盛り上がり方とリズムの出し方で判断していいかと思います。もう一歩踏み込んで「リードボーカルが歌っている歌詞との関係」まで考慮に入れることが出来ると、より一体感が生まれるかと思います。

2013-07-12 22:30:27
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リードの歌詞との関係とは、どういうことを考えるのか、譜例で考えてみましょう。これはBメロからサビ頭までの楽譜と思って、丸で囲ってある部分のスキャットを考えてみてください。 http://t.co/QF55UTHmP6

2013-07-12 22:32:05
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ここで歌詞に注目すると「ありがとう」となっていて「う」で二分音符の伸ばしとなっています。そして、おそらく発音上「ありがとおー」と歌うので、ここでコーラスを「オー」にすると、リードとより一体感がでると思います。

2013-07-12 22:32:50
Twit アレンジ講座 @aca_arr

「愛してるー」だったら「ウー」にしてみたり、「さよならー」なら「アー」で合わせてみたり。 そのようにすることで字ハモの時に近い一体感を得ることも出来ます。もちろん「合わせないといけない」というわけではありませんので、ひとつの手法として参考に知っておいてください。

2013-07-12 22:33:52
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リードの歌詞との関係性でコーラスを決めるのは、特にコーラスの声部が少ない5人ないし4人グループで効果的です。 字ハモではないアレンジ箇所において、リードが「第3音」で歌っていたときに、この手法で「根音」と「第5音」を置くことで和音を補完することも出来ます。

2013-07-12 22:35:41
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最後にちょっと発展的なお話を。 これは次回講座にもつながるお話しなのですが、オープンハーモニーの場合は、比較的ハモりやすいウー系のスキャットを選ぶと歌いやすいです。オープンハーモニーとは、コードの構成音を歌わせる時に「離れて」音を歌う和音を作るものを指します。

2013-07-12 22:38:15
Twit アレンジ講座 @aca_arr

例えば2人のコーラスラインでCの和音を作る時に上が「ミ」、下が「ソ」と歌って「間のドを抜く」ようなケースはそれにあたります。 離れると和音的な広がりが出る分、ハモりにくくなるのでウーなどを使うと響きやすくなります。

2013-07-12 22:39:12
Twit アレンジ講座 @aca_arr

「ウーでないとダメ」というわけではありませんが、 意図してオープンで広がりを出そうとするときは、ウーでハモり、反対にクローズハーモニーで近くの音でハモる場合はアーでハモる、という使い分けは効果的です。 「コーラスの音の配置で使い分けることもある」と覚えておくといいでしょう。

2013-07-12 22:41:03
Twit アレンジ講座 @aca_arr

◎今日のまとめ ・盛り上がり方を意識してウー・アー・オーを使い分ける ・リードボーカルの歌詞の母音を意識してみる ・コーラスの音の配置も参考にして考える(詳しくは次回)

2013-07-12 22:41:56
Twit アレンジ講座 @aca_arr

次回講座は「2人で決める!コーラス編」です。コーラスが2人の場合にどういう音の置き方をすればいいのかを考えていきましょう。このお話ではは、3人コーラスにおいても「1人が字ハモに行った場合」の2人の動きの考え方の参考にもなると思いますので、ぜひみなさんご覧になってみてください^^

2013-07-12 22:45:07