《「『チェルノブイリ』と『福島』は違う」という主張を分類、分析してみました》

連続ツイートで、私なりの分析をしてみました。 本文でも書いていますが、 私は『福島』という表現に違和感があります。 科学的な根拠に基づいて考えた場合、 事実と異なる主張によって混乱が起きている原因は、 続きを読む
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宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

0 「『チェルノブイリ』と東電原発事故に関する『福島』とは違う」と主張する人たちの論理のバリエーションについて、一通り並べて見たいと思う。「『福島』は大丈夫、健康被害は起きない」と主張する人の中にも、様々な考え方が混在するので、整理するためだ。

2013-07-14 10:30:40
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

1 最初に断っておくが、個人的には「福島」という書き方に対しては「フクシマ」とか「FUKUSHIMA」とかいう書き方と同じかそれ以上の違和感を感じる。東電原発事故で放射性物質は地球全体にばら撒かれているし、汚染の深刻度はや県境で変化するものではない。汚染の度合いが問題なのだ。

2013-07-14 10:37:24

FBからの転載記事です。
放射性物質の放出量について、
『チェルノブイリ』と『福島』を比較して
正確に「こちらが多い」と判断するのは難しいようです。

https://www.facebook.com/notes/yosuke-alexandre-yamashiki/福島第一原発事故からの放射性核種放出量に関する大きな誤解-/543489545715107

宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

2 分類①「『チェルノブイリ』と『福島』は異なる」と主張する人たちの中で、とんがった主張の片方は、「『チェルノブイリ』では収束作業員以外は誰にも健康被害は出ていない。農作物の摂取制限や、住民の広域避難など、本来必要なかった。不要な避難で地元コミュニティが破壊された」というものだ。

2013-07-14 10:48:48
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

3 分類①続き この主張は、その後日本の山下俊一氏らでさえ認めた小児甲状腺癌の多発さえも、原発事故の影響ではない、とする。もちろん、ヨーロッパ各地で現在も続くキノコやベリー類の摂取採集制限も、不必要な騒動になる。

2013-07-14 10:49:39
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

4 分類①続き この主張によると、1シーベルトを超えるような急性被曝以外では、健康影響は全くでないことになり、低線量被曝の場合、線源の核種も、放射線の違いも、内部被曝の問題も、全く存在しないことになる。

2013-07-14 10:52:35
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

5 分類①続き この主張は結論に到達すると、『チェルノブイリ』では原発事故で死者が出たが、『福島』では、不要な避難をした影響と風評被害の影響以外では死者が出ていない」という話につながっていく。論理展開は、先日批判を受けた与党幹部と同じになっていく。それも頭に入れておいて欲しい。

2013-07-14 11:50:41
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

6 分類①続き この主張に従うと、年50ミリシーベルトを超える空間線量があった地域でも避難は不要だったことになっていく。東電福島第1原発1号機や3号機の爆発による目に見える大きさの降下物が降った地域でも、避難は不要だったことになる。そういう、かなり極端な主張だ。

2013-07-14 20:32:37
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

7 分類①続き この主張に属する人たちは、「年100ミリシーベルト以下の被曝は健康に良い」とする「放射線ホルミシス効果」を主張することが多いと思われる。「科学者」としては高田順氏。著名人としては、高田順氏を賞賛する田母神俊一氏、渡部昇一氏、副島隆彦氏などを上げることができる。

2013-07-14 20:43:36
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

8 分類その② 「『チェルノブイリ』と『福島』は異なる」と主張する人たちの中で、とんがった主張のもう一方は、「『チェルノブイリ』の場合は水素爆発ですさまじい量の放射性物質が放出されたが、『福島』の場合は、水素爆発が2度あっただけで、放射性物質の放出量は非常に小さい」というものだ。

2013-07-14 20:48:36
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

9 分類その②続き この主張は主に、東京電力や政府がメルトダウンを認める前に多く見られた。「福島」の爆発に核燃料自体は関係ない、という観点で多く語られた。しかし、メルトダウン、メルトスルーが公式に認められた後、おおっぴらに主張する人は殆ど見かけなくなった。

2013-07-14 20:50:37
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

10 分類その②続き この主張を2011年3月に行った人は、非常に残念ながら、物理関係などの科学者に多かった。爆発はあったが、炉心には関係ない、という論旨だった。しかし、爆発の元になる水素が核燃料の被覆剤であるジルコニウム由来の物と思い当たれば、論理的には無理な主張だった。

2013-07-14 20:53:22
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

11 分類その②続き この主張を行った「科学者」は、原発の基本的な仕組みを知らずに語ったのでなければ、知っていて虚偽を主張したことになる。燃料の溶融、つまりメルトダウンがなければ水素爆発は起きない。逆に言うと、原発の仕組みを知っていれば、バリバリ文系の私でもしない間違いだった。

2013-07-14 20:58:23
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

12 分類その③ 「『チェルノブイリ』と『福島』は違う」という主張の中で、徐々に穏当な方に属する主張を見ていく。『チェルノブイリ』での健康被害を、急性被曝による作業員の死者に加え、小児甲状腺癌の増加に限定して認める。『福島』では、早期に対策したので小児甲状腺癌の増加はないと主張。

2013-07-14 21:05:10
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

13 分類その③続き この主張を、日本では「被曝医療の専門家」と称する人の殆どが採用している。この主張では『チェルノブイリ』の死者は作業員30人前後、小児甲状腺癌患者15名、と称する。作業員で、作業後7日以後に死んだ場合は急性被曝症状でも死者に含めていない。

2013-07-14 21:08:05
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

14 分類その③続き この主張では、小児甲状腺癌以外では、低線量の健康被害の存在を全く認めない。IAEAやICRP,WHOの公式見解では認めている白内障や白血病の増加も認めない。その上でさらに『福島』では小児甲状腺癌が増加する可能性さえも認めない。

2013-07-14 21:10:34
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

15 分類その③続き この主張では、主張①と同じく、避難者の死亡増加原因を「放射線恐怖症」と避難によるストレス増大に求める。他の可能性があるとしても、それは無視する。なぜなら、「その程度の被曝では健康被害が出ないことになっているから被曝による健康被害ではない」からだ。

2013-07-14 22:22:57
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

16 分類その③続き この主張の最大の特徴は、徹底した同義反復(トートロジー)にある。「その程度の被曝では健康被害は出ないのだから健康被害ではない」と、これまで数例しか該当する大事件がなかった現象について、決め付けていく。決まり文句は「査読付の論文でのエビデンスがない」だ。

2013-07-14 22:31:57
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

17 分類その③続き この主張に属する人々は、「『チェルノブイリ』と『福島』は違う」と言いつつも、その前段で「チェルノブイリ」の健康被害も過小評価する。しかも、自らが「チェルノブイリ」の調査に赴き、IAEAとWHOの報告に関わった日本の「専門家」の多くがこの主張に与している。

2013-07-14 22:35:01
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

17 分類その③続き この主張に与するのは、山下俊一氏、長瀧重信氏、高村昇氏、酒井一夫氏、神谷研二氏ら。つまり首相官邸 原子力災害専門家グループ http://t.co/a5QU1mffaE のメンバーだ。したがって、日本国政府の主張もこの分類に属すると考えて良い。

2013-07-14 22:38:18
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

18 分類その④ 「『チェルノブイリ』と『福島』は被曝量が違う」と主張するが、「『チェルノブイリ』では白内障や白血病が増えたので、万が一の為に『福島』でも血液や眼の検査をしたほうが良い」という主張。これは、日本国内ではあまり見られない主張だ。

2013-07-14 22:44:24
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

19 分類その④続き もしIAEAやWHOの現在の公式見解にしたがい、かつ『福島』の事故による被曝量が低いという立場に立つなら、この主張になるはずなのだ。しかし、繰り返すが、この主張に与する日本の科学者は、殆ど見かけない。

2013-07-14 22:46:46
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

20 分類その④続き なぜこの主張に与する科学者が日本に殆どいないのか、推測する。原発事故発生直後、「『チェルノブイリ』で発生した健康被害は、小児甲状腺癌だけだったのです」と、「現地」に行ってきて、IAEAやWHOの報告書を作った「科学界の権威」が繰り返し主張したからだろう。

2013-07-14 22:51:07
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

21 分類その④続き この主張のバックボーンには、調査当時の笹川財団、現在の日本財団が存在する。あまりご存じない人の為に解説すると、この財団は、競馬以外の公営ギャンブルを握り、その「上がり」を左右できる巨大な財力を持っているのだ。カネでこの財団に逆らえる存在は、殆どいない。

2013-07-14 22:54:04
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

22 分類その⑤ 「『チェルノブイリ』では多くの集落(村)が廃棄され、永遠に人が住まない場所になった。しかし『福島』ではそんな自治体は作らない」という主張。これは、原発事故の深刻さ、放射性物質の放出量や、被曝による健康被害などとは直接の関係がない主張だ。

2013-07-14 23:10:32