『被疑者取調べと可視化テクノロジィ』の講演内容リアルタイムメモ
ツィッター上は取調べ全過程可視化推進布教活動の教祖のようなつぶやきっぷりのワタクシですが、実は中の人は結構実利主義。ホントは運動論的活動より、そのメリットを最大に享受しつつデメリットを最小限にする具体的な導入方法の方に興味があるのです。
2010-09-24 16:27:02てなわけで、今日はこれから『被疑者取調べと可視化テクノロジィ』by日弁連法務研究財団に参加しようと、都内某所へ移動ちう。韓国やイギリスの導入事例の話が聞けるらしい。
2010-09-24 16:30:28ちなみに、この催しの問合せ先事務局が富○通のとある部署に設置されているようで。既に可視化全面導入に向けたシステム業界の熾烈な争いが始まっている予感…。
2010-09-24 16:34:43取調べの可視化導入で、各国では録画する空テープを被疑者の目の前で入れるべきか、などについて議論されてきたらしい。既にデジタル全盛の今の日本なら、検察・警察によるデジタルデータ改ざんが絶対不可能ということを担保したシステム作りは必須だな。今回の件があるから検察も抵抗できまい。
2010-09-24 17:34:13韓国では、録画実施は今のところ、まだ全体の事件の50%程度なんだそうだ。導入2年後の時点で、検事の半数が録画に肯定的、残り半数は否定的な意見らしい。市民の満足度は90%ですって。
2010-09-24 17:43:04ちゃんと通訳しないなら、パワポが英語なんだから、英語で話してくれれば、もっと内容が聞き取れたのにな。つぎは可視化先進国イギリスのお話in日本語。ありがたいw
2010-09-24 17:45:20イギリスは、検察は取調べをしないそうです。取調は警察だけで、検察の役割は起訴すること。イギリスの警察では、大量のアナログテープがたまっちゃって大変なことになってて、デジタルへの移行を進めようとしているらしい。
2010-09-24 17:49:02イギリスでは、バリスター(日本でいえば弁護士)や被疑者もネットワーク経由(ただしIPアドレス固定)で、録音データにアクセスできる仕組みを検討しているとのこと。自分たちの都合のよいように録画したデータのDVD交付するのに念書とったり大騒ぎする日本の検察とは大違いw
2010-09-24 18:24:21北大の仲教授、取調べの目的を、今までのような「自白追求アプローチ」ではなく「情報収集アプローチ」に転換すべきと。大いに同意。
2010-09-24 18:52:17とあるシステムメーカー社員からの講演。現在の一部限定導入されている録画システムはIT化が遅れていると指摘。録画、保存、保管、複製全てが手作業。つまりシステムが前時代的ってことですね。システム業界にしてみれば、新規ビジネスのチャンスってことかぁ。新たな視点。
2010-09-24 19:13:42いかに改ざんを防ぐか。提案としては電子署名システムだそうで。それはいいけど、とかく大手システムメーカーがお役所に納入するシステムは、高くてしかも使い勝手悪い傾向になるから、ちゃんと効率的で安価で操作性のよいシステムを構築してあげてほしい。
2010-09-24 19:16:57児童に対する事情聴取や取調については、誘導や圧迫とならないようことのほか配慮が必要なのに、警察はそこらへんに無神経だなと思うことが多い。ここは速攻で全面可視化する必要があると思うなぁ。被疑者だけでなくて、目撃者・被害者などの場合でも。
2010-09-24 19:19:51録画しておけば、捜査機関にとっても、たくさんの捜査情報を保存しておけるのでメリットがある、とキム検事。そーなのです。被疑者が取調段階で、客観的証拠と矛盾する不合理な弁解をしたり嘘をついていたことが、容易に立証できる。
2010-09-24 19:27:42捜査機関の想像ストーリーを押しつける強引な取調べ手法はもう許容されないのだから、捜査機関は、取調官の取調技術をポジティブに向上させる努力をすべき。オープンクウェスチョンを多様して細かく事実を聞いていくという基本的情報収集能力が低いから、押しつけ的な取調べになるのです。
2010-09-24 19:48:12と思っていたら、イギリスには取調訓練学校という機関があるとのこと。心理学の専門家や上級取調経験者等が指導。警察だけでなく軍その他の取調べ機会がある機関から研修を受けに来る。取調官には等級が5段階まであって、最上級でないと重要事件の取調は担当できないのだそう。
2010-09-24 20:18:08その取調訓練学校を案内してくれた上級指導官は、昔は我々も自白偏重の取調べをやっていたんだ、と言っていたそうです。by成城大学指宿教授。変わろうと思えば変われるっちゅーことですね。
2010-09-24 20:22:04イギリスがなぜ取調べ録音録画データをデジタル化、ネット化を進めているのかというと、証拠関係全体の電子化・ハイテク化が背景にあるそう。単に捜査の適正担保ということではなく、効率化・迅速化・省スペース化という動きでもある。実際、実験では取調時間の短縮が確認されたらしい。
2010-09-24 20:22:50韓国では、当初は、人権派弁護士団体も、裁判所と同様に、取調べの可視化に反対していたらしい。というのはちょっとびっくり。理由は…ちょっとよく聞き取れなかったので不明。
2010-09-24 20:23:48以上、ランダムに『被疑者取調べと可視化テクノロジィ』のご報告でした。政策論的、運動論的なこととは違う視点で色んな話が聞けておもしろかったなり。なお、韓国語の同時通訳も、後半のパネルディスカッションではちゃんとやってもらえました^^
2010-09-24 20:26:05昨日の『被疑者取調べと可視化テクノロジィ』がNHKでニュースになったらしいのですが、この文字おこしが正確なら、なんて不正確な報道なんだ! >「取り調べ可視化 シンポジウム」NHK http://ow.ly/2JHEN
2010-09-25 13:26:15ここが実際のニュアンスと全然違う→「日本の専門家からは、取調官の士気が下がることや、容疑者が報復を恐れて共犯者を明らかにしない可能性があるという指摘がなされました。」 >なんて不正確な報道なんだ! >「取り調べ可視化 シンポジウム」NHK http://ow.ly/2JHIL
2010-09-25 13:31:51続き)昨日の『被疑者取調べと可視化テクノロジィ』で北大の仲先生が指摘されたのは、「取調官の士気低下や報復を怖れて供述しない等という意見もあるが、それは取調べを主眼を自白追求アプローチに置いてるからの意見であって、
2010-09-25 13:35:27続き)情報収集アプローチを重視した取調べがなされるべきだ、その方が取調べの録画とも親和性がある」という趣旨のことを指摘されたのです(だいぶ意訳してしまったけど)。発表のごく一部だけを恣意的に切り取って、逆方向に引用するのは違うと思うぞ。せっかく地道な取材活動なのに。
2010-09-25 13:37:45