茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第983回「いますぐ、デカップルする」

脳科学者・茂木健一郎さんの7月19日の連続ツイート。 本日は、このところ考えていたこと。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第983回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、このところ考えていたこと。

2013-07-19 07:02:07
茂木健一郎 @kenichiromogi

いで(1)個人的な気分というか、潮目が変わって最近は発言が少なくなっているが、日本の教育に大きな問題がある、ということは依然として認識している。その結果、日本人のマインドセットがもったいないことになっている。もちろん、いいところもたくさんあるのだが、欠けている心のビタミンがある。

2013-07-19 07:03:50
茂木健一郎 @kenichiromogi

いで(2)それで、このところ小学生とか、中学生、高校生、そして大学生と話していて改めて痛感したのは、彼らにとっては、「今、ここ」だということである。教育のプロセスの改革は必要だが、それにはおそらく時間がかかる。ところが、その間に、生きものとしての時間はどんどん経っていってしまう。

2013-07-19 07:05:10
茂木健一郎 @kenichiromogi

いで(3)どんな学校に行っていても(行ってなくても)、どんな教科書を使って学習していても(学習していなくても)、生きものとしての、二度と戻ってこない時計の針は、かち、かち、かちっと、秒を、分を、時を、日を、月を、年を刻んでいってしまう。つまり、取り返しなどつかないのだ。

2013-07-19 07:06:27
茂木健一郎 @kenichiromogi

いで(4)教育のあり方を、システムとして変えることで、インスパイアされる子どもたちが出て来ることは間違いない。たとえば、アメリカにMake: という雑誌があって(http://t.co/6QyDgtyUjk)、3Dプリンタでものをつくってしまう人たちのバイブルになっているとか。

2013-07-19 07:09:10
茂木健一郎 @kenichiromogi

いで(5)諸外国のおもしろ事情を情熱を持って語る先生がいたら、良い中二病にかかる青年が出てくるだろう。一方、相変わらずの偏差値受験で決めつけられ、息苦しくさせられ、選別され、劣等感を受け付けられ、あるいは虚無の優越感を持った人間が社会に出ていけば、その社会は停滞するだろう。

2013-07-19 07:10:39
茂木健一郎 @kenichiromogi

いで(6)だからシステムは大切だし、それを良いものにするのは政治家、文科省の責務なのだが、とは言っても今まさにこの瞬間を生きている子どもたちには間に合わない。だから、ある種の解毒剤として、システムがどんなものであれ、この子の、私の学びをそんなもので決められてたまるかという

2013-07-19 07:11:59
茂木健一郎 @kenichiromogi

いで(7)学ぶ覚悟のようなものが必要なことも事実だ。つまり、「いますぐ、デカップルする」ということ。システムがどうであれ、自分の学びの本質はどこにあるのかを見極め、システムに左右されない学びを実践するということ。実践するとしたら、今しかない。昨日も、大阪大学である学生さんと

2013-07-19 07:13:32
茂木健一郎 @kenichiromogi

いで(8)話していて、TOEICの点数を上げたいという。日本企業の就職ということを考えたら、現実的な処方箋。対応すればいい。偏差値受験も、それを通り抜けなければならないんだったら、やりくりすればいい。だけど、学びの本質は別のところにあるから、その自由は確保しなければならぬ。

2013-07-19 07:15:21
茂木健一郎 @kenichiromogi

いで(9)システムがどんなものであれ、学びの本質が見極められれば、それからデカップル(脱相互作用)できる。システム改革は、ある意味luxuaryかもしれぬ。生きもののするどい時間は、経っていく。一番大切なのは、今ここ。全国の小中高生に、毎日少しずつシステムから抜けることを薦める。

2013-07-19 07:17:32
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第983回「いますぐ、デカップルする」でした。

2013-07-19 07:18:06