リボルバー・アンド・ヌンチャク #1
「オイ!ジダイ=サンなら昨日死んたぞ!今頃ジゴクの第四ストリートだ!」廊下を歩いてきた老人が言った。彼はこのマンションの最上階に住むオーナー、ホバタ爺さんだ。「……死んだって?」「ああ、自分のリボルバー銃でズドンよ」ホバタ爺さんはこめかみに指を二本あてて首を振った。 25
2013-07-19 23:31:07マッチはその場に立ち尽くした。「ああ見えてよ、金払いはキッチリしてたんだ!ちきしょうめ、マトモな奴から死んでくぜ!ヘイ、ブッダ!まだ寝てんのか!」ホバタ爺さんはぶつぶつと呟き、サケ瓶を引きずりながら廊下を歩いていった。「うるせえぞ爺さん!」「バカ!」住人の罵声が聞こえる。 26
2013-07-19 23:37:19ホバタ爺さんがいなくなると、マッチは素晴らしい虎が描かれたフスマをそっと開けた。もうマッポと清掃業者が入った後で、ほとんど何も残ってはいなかった。部屋の隅にぽつんと残った黒いヌンチャクを、彼は泣きじゃくりながら拾った。「ジダイ=サン、あんたに一言、お礼を言いたかったんだが」 27
2013-07-19 23:44:08「駄目だ、泣いちゃいられない。ジダイ=サンに怒られる。俺は生まれ変わったんだ……!リボルバーとヌンチャク……!もっとニンジャを殺してケースいっぱいの万札を稼ぐ……!」マッチは涙を拭ってカビ臭い部屋を出た。木人を背負い、息を切らしながら階段を下りて、自室の強化フスマを開けた。 28
2013-07-19 23:52:19ゴミだらけの室内。旧式のジャンク品オイランドロイドを掘り出して声をかけた。会話機能は無い。「誰にもいうなよ。ニンジャを殺して、大トロ粉末と万札を手に入れたんだ。ビデオデッキを買おうか。一緒に観るんだ。3Dオスモウホログラフでもいいな」それから彼女を何度も熱烈にファックした。 29
2013-07-19 23:59:14マッチの脳内では、ニンジャが爆発四散する神秘的な光景が何度もフラッシュバックし、極彩色の閃光となってループしていた。その光景が、彼に無限の力をもたらした。マッチは長い付き合いの彼女にとても優しくし、熱烈に愛した。明日にはお別れすることに決めていたからだ。 30
2013-07-20 00:05:41次の日、彼はニンジャハンターとなる決意を固め、サングラスをかけて出社しピザ屋をクビになった。清々しい気分で家に帰った。「まずは情報収集だ!それからカラテだ!」部屋に溜まったゴミを捨て、オイランドロイドも担いでいった。だが情が移り、結局オイランドロイドは連れて帰ることにした。 31
2013-07-20 00:09:58それから二年間、彼は奥ゆかしい情報収集とカラテトレーニングを続けた。ニンジャは強大であり、目立った行動を取ればニンジャに殺されると悟ったからだ。幸い、戦闘は一度も起こらず、そもそもニンジャを発見できなかった。ついに生活に窮し始めると、彼はまたチョット・ピザで働き始めた。 32
2013-07-20 00:18:07