【twitter小説】ナィレンの暴走列車#1【ファンタジー】

遺跡都市ナィレンの古代列車システムが復活した。列車は街を破壊しながらレールの上を暴走! 赤錆の騎士ミェルヒと冒険画家エンジェが列車に挑む。 @decay_world はツイッター小説アカウントです。この話は#4まで続きます
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「えっ、停止に失敗……はい。わかりました。必ずや」  ミガサスは無線で連絡を取っている。どうやら精鋭たちは列車の破壊に失敗したらしい。無線を切るミガサスと、エンジェとミェルヒは無言で頷きあった。 24

2013-07-19 20:32:05
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 とりあえずホームによじ登り、列車を待つ。遠くからバリバリという何かが壊れる音が近づいてくる。きっと列車が建物を破壊しながら近づいているのだろう。この地区の避難はすでに完了しているが、心苦しいものである。 25

2013-07-19 20:36:19
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 駅のホームからは、いまや七色に発光する様々な機器がせり上がってかつての機能を取り戻しつつあるようだった。 「乗り込むチャンスは一度だけです。気をつけて」  ミガサスも緊張しているようだった。 26

2013-07-19 20:41:26
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 そして、大きく爆発音が聞こえた。向こうから土煙を上げながら銀色の塊が突っ込んでくる。あれが列車だろう。列車は銀色の四角い角棒のような形で、前面にレンズが3つ光っていた。そのレンズは光線を発し、障害物を焼き払いながら進んでくるのだ。 27

2013-07-19 20:45:29
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 列車はやがて駅に近づくにつれゆっくりと速度を落としていった。列車の横には規則的に透明な窓が開いているようだったが、こちらからは鏡のように光を反射して中の様子は窺えなかった。 28

2013-07-19 20:49:35
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 おそらく古エシエドール語と思われるアナウンスが繰り返し響いた。ゆっくりと列車はホームへ進入しそして止まった。列車の窓の間には縦長の扉のようなものがいくつかある。そして列車の停車と共に、それが開いた。 29

2013-07-19 20:54:21
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 3人は列車内部を見て息を飲んだ。列車の中は……化け物の巣だったのだ。 30

2013-07-19 20:59:02
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――ナィレンの暴走列車#1 (了) #2へ続く

2013-07-19 21:01:25