新自由主義入門

ブーリキー @tincanscarecrow

【新自由主義入門】国会内の掃除がかなり進みましたね。いよいよ消費増税、更にTPPや「構造改革」を進める、新自由主義者との戦いになります。反日＆護憲の日本共産党が、反消費税、反TPPを掲げているので、頭の中は今までになくねじれそうですが、とりあえずは彼等も「味方」になる訳です。

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【新自由主義入門１】そこで新自由主義について、最も基本的な事をおさらいしておこうと思います。まず特徴は３点です。 １．（主に）米国共和党の考え方です。 ２．弱肉強食を良しとしています。 ３．国家による「富の再分配」を無駄と考えます。

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【新自由主義入門２】「富の再分配」とは、大雑把に言えば「福祉」の事です。富裕層から税金を取って貧困層に移転する事で、貧富の差を縮め、社会的公平と活力をもたらす事が目的です。具体的には １．社会保障制度 ２．公共事業 がそれになります。

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【新自由主義入門３】公共事業と言えば、昭和40年代は地下鉄工事が花形でした。『巨人の星』で星一徹は、地下鉄工事や道路工事で、子供二人を育て上げます。実際、それが可能な位、払いは良かったようです。美輪明宏の『ヨイトマケの唄』も、戦時中から敗戦直後の時代を歌ったものでしょう。

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【新自由主義入門４】星一徹も美輪明宏の友人家族も（些か強引な表現ですが）、公共事業と言う「福祉」政策で生計を立てていた訳です。 新自由主義は、その「福祉」を 「無駄」 と考えるのです。 そして、福祉を切り捨てて行った結果、生まれてくるのが 「小さな政府」 なのです。

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【新自由主義入門５】小泉政権が誕生してから、急に「無駄遣いをなくせ！」「公共事業は無駄だ！」との声が強まり、「小さな政府」「民営化」「談合は悪」と言う言葉が流行しました。あれが新自由主義だったのです。しかし、今でも小泉政権を保守政権と勘違いされている方は多いでしょう。

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【新自由主義入門６】理由は、小泉改革に対する「抵抗勢力」と呼ばれた人達の中に、労組やサヨクも入っていたからだと思います。しかし「真の抵抗勢力」は、亀井静氏らケインズ派でした。彼等を黙らせ、「構造改革」を不可避と思わせるためには、「財政破綻」を華々しく訴える必要がありました。

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【新自由主義入門７】小泉政権は、爆発的な国民人気を背景に、次々新自由主義的政策を実現して行きます。 １．郵政民営化 ２．道路公団民営化 ３．三位一体改革 ４．FTA、EPAの推進 ５．市場化テスト ６．医療制度改革 ７．構造改革特区 ８．その他

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【新自由主義入門８】小泉政権がこれ程の人気を得たのは、それまでの自民党政治への不信感が原因です。やはりロッキード疑獄がその嚆矢と言えそうです。あの事件以来、TVの時代劇にも「越後屋」等商社を連想させる商人が登場、大臣と結託して汚職するのが、「ワルのパターン」となりました。

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【新自由主義入門９】既に「日本破綻」のキャンペーンは頂点に達していました。 「自民＝汚職＝無駄使い＝財政破綻」 国民はそう刷り込まれ、 「クリーンで赤字を解消してくれる政権」 を期待していました。 しかし、新自由主義を期待してはいなかったし、知りもしませんでした。

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【新自由主義入門10】多くの国民が、小泉さんに 「クリーン」 「清貧」 「私心なき改革意志」 「純粋さ」 を見ました。それは事実だったかもしれません。けれどそれらは「釣りの餌」でもあったのです。 国民は、米国新自由主義者に見事釣りあげられてしまったのです。

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【新自由主義入門11】では、なぜこの新自由主義政権が誕生したかと言えば、溯る事12年、1989年と言う年にその秘密があります。この年は「日米構造協議」が開始され、宇野総理がパパブッシュから「構造改革をしろ！」と命ぜられたのです。理由は、米企業が日本をに進出したかったからです。

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【新自由主義入門12】所が、日本の企業風土、商習慣は米企業の様な、株主最優先、弱肉強食型ではないため、簡単に参入できないのです。ちなみに、ナポレオン・ヒルやライフ・ダイナミック等の成功哲学、自己啓発セミナーが入ってきたのもこの頃です。

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【新自由主義入門13】所がヒル達が言う「成功」は、「株で一攫千金、仕事をリタイアして悠悠自適」というものです。そのため、それを目指した「思想改造」には、受講生のほとんどが違和感を持ち、「守銭奴セミナーだ」との反発が生まれました。それは、今の新自由主義への反発とほぼ同質です。

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【新自由主義入門14】宇野総理はスキャンダルに塗れて退場。以後12年間で８人首相が変わります。内閣としては11代。米政府からの圧力も日米構造協議、日米包括経済協議（1993）、年次改革要望書（1994～現在）、日米経済調和対話（2011）と続き、政府は今も苦しみ続けています。

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【新自由主義入門15】ここで言う「構造」とは、日本経済の構造の事ではありません。「米国の対日貿易赤字」の事なのです。それが減らないのは、日本が市場を開放しないからだ、仕組みが閉鎖的だからだという訳です。

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【新自由主義入門16】日米構造協議とは、英語で「Structural Impediments Initiative 」。「構造的障害の発議」です。「邪魔モンはホカセ！」命令です。それが20年以上続いているのです。そしてその圧力の日本代理店が、竹中平蔵氏とその亜流という訳です。

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【新自由主義入門17】「ランド・ラン」をご存じですか？映画『シマロン』や『遙かなる大地』に登場した、米開拓時代の土地獲得競争です。広大なオクラホマの土地に馬で行き、先に旗を立てた所が無料で貰えたのです。当然、物凄い事になります。死者も出ます。新自由主義はこの姿に似ています。

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【新自由主義入門18】これが「ランドラン」を描いた絵です。映画では馬車が倒れ、馬の下敷きになり、次々死者が出ます。子連れの家族は泣く泣く競争を諦め、条件の悪い土地に旗を立てます。尚、土地を貰えるのは白人だけだったようです。 http://t.co/vLlx4Gn4Br

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【新自由主義入門19】この状態を、新自由主義者は自由で、能力に応じて報酬が貰えるのだから、公平だと言うのです。しかし画像を見れば分かりますが、独身で屈強な若者、壮年だけが有利で、家族連れ、老人、女性、子供は決定的に不利なのです。

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【新自由主義入門20】新自由主義は、自由の名の下に、新たな階級を生むと言って良いと思います。人の能力は年々低下するし、お金がないと開発できません。家族も増えます。途中までは良くても、一旦不利な立場に立ったが最後、二度と這い上がれないでしょう。

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【新自由主義入門21】国家による富の再分配を無駄扱いすれば、 「能力別階級社会」 になるのです。逆に言うと、国家の役割は １．冨の助成・保護・再分配 ２．社会的公平さと活力の確保 にこそある、という事が理解できると思います。一言でいうと 「富の管理」 ですね。

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【新自由主義入門22】絶対権力者が生れると、身勝手な事をされてしまうので、その権能を制限する事も、「富の管理」には含まれてくるでしょう。だが、新自由主義は管理される事を嫌い、国家よりも大きな権限（主権に近いものと言えます）を要求するのです。

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【新自由主義入門23】新自由主義の言う「自由」「平等」はまやかしです。「博愛」等欠片もない事でしょう。しかし、彼らは彼らの利己主義を隠ぺいするため、理論的にも自分達が正しいと言い張ろうとするのです。それが「新古典派」と呼ばれる経済学者グループですが、今回はそこには触れません。

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【新自由主義入門24】彼らはまず「無駄をなくせ！」「財政を健全化しろ！」と叫びます。しかし、実際にはその必要はありません。なのにそれを叫び続けるのは、「構造改革」に結び付けたいからです。魅力的で、いかにも必要そうに見せたいからです。サヨクを攻撃するのも、同じ理由からです。