添田孝史さんが語る電力会社と土木学会のもたれ合いと原発の安全率切り下げ
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CordwainersCat
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「福島第1原発事故の検証・総括なしに、(設備面などに特化した)ハードの基準を作っても安全は確保できない」。普通はそう考えますよね。新潟知事の発言、至極まっとうに聞こえます。/柏崎刈羽原発:新潟知事、新基準を否定 再稼働は困難に http://t.co/n5Nh86BT5Q
2013-06-29 16:44:43![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
1)原発のリスク評価やリスク管理を捻じ曲げた、もしくはそれにお墨付きをあたえてきたのは、原子力ムラに関わる科学者や専門家たちだ。福島第一の津波リスクでは土木学会が主犯格だった。新潟知事が危惧するように、そのような「ムラの組織文化」の検証・総括はなされていない。
2013-06-29 18:17:38![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
2)ムラの専門家会合の特徴は非公開、非透明な「密室の合議」(藤垣裕子、『専門知と公共性』)だ。意思決定にかかわるメンバーの選択、議事からの報告書作成、報告書を実際の意思決定や施策にどう使うか、それぞれのプロセスは明文化、明確化されないまま「空気」が支配する。
2013-06-29 18:18:11![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
3)原発の津波評価をした土木学会の部会を具体的に見てみよう。メンバーは半数以上が電力社員。電事連の内部作業チームがそのまま学会の名を騙っている。議事録は事故のあとに初めて公開された。津波評価研究のための費用や基準作りにかかる費用(約2億円)はすべて電力会社持ち。
2013-06-29 18:18:48![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
4)土木学会の定めた手法の2倍以上の津波が福島第一を襲った。土木学会は「民間指針等とは性格を異にしており,事業者に対する使用を義務付けているものではありません」。一方、東電は「国内の標準的な津波評価方法として定着し、規制当局へ提出する評価にも使用されている」。責任の押し付け合い。
2013-06-29 18:19:06![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
5)土木学会手法を、施策や規制でどのように使っていくか明確にしていなかった。だから責任も明確にできないという、実にうまい、日本的な仕組みになっていた。とはいえ先に述べたように、土木学会とはいっても内実は電力業界だったのだが。
2013-06-29 18:19:28![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
6)土木学会手法の最大の問題は、安全率を考慮しなかったことだ。だから予測した水位のわずか数センチ上に、水をかぶると機能しなくなる非常用ポンプのモーターが設置されていた。予測の精度は「倍半分」と認識していたにもかかわらず、設備側に安全率を見込まないのは専門家としてどうなんだ。
2013-06-29 18:19:44![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
7)当時、保安院の審議官は東電に「よく枕を高くして寝られるね」といやみをいっていたほどだ。土木学会の審議メンバー今村文彦・東北大教授は「安全率は危機管理上重要で1以上が必要との意識はあった」と政府事故調に述べている。しかし主査が研究室のボスだったから、事故前には言えなかったのか。
2013-06-29 18:20:03![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
8)数値予測の精度が倍半分であることは電力業界も承知していた。安全率2倍として規制されたら既存原発がどういう影響を受けるか、土木学会の審議の前にあらかじめシミュレーションしてあった。2倍になると運転できないサイトが続々判明。特に福島第一と島根は1.2倍でもアウト。
2013-06-29 18:20:17![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
9)だから安全率1倍は、工学的判断ではなく、経営的にすでに決まっていたことだった。それを土木学会の名をつけて「オーソライズ」した。「土木学会でオーソライズ」という表現は、電事連の議事録にも登場する。安全率切り下げのために土木学会ブランドを2億で買った。対策工事に比べれば安い。
2013-06-29 18:21:12![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
10)という具合に、原子力ムラは「密室の合議」を責任逃れの場として上手に使ってきた。シビアアクシデント対策の不備、電源喪失対策の不備でも、同様の構図がある。それは改善されたのか?。防潮堤さえ高くすれば再稼動しても大丈夫なのか。
2013-06-29 18:21:38![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
国会事故調の報告書に載ってます(というか、該当部分は私が執筆してます)。事故調は書き方が硬いのでわかりにくいんですけど。@motialt ずっと知りたかったことでした。ありがとうございました。
2013-06-29 19:36:44![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
もし安全率2倍とっていたら、数値予測が6m弱だったので12mが来ても大丈夫なような対策が要求されたいたはずだ。実際に襲った津波は約13m。かなりいい線いってた。被害の様相はまったく違っていただろう。ちなみに地震動は安全率が3倍はあると言われている。柏崎刈羽は想定の3.8倍揺れた。
2013-06-29 19:48:19土木学会に関する最近の話題
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【「危機耐性」の確保を=原発設計で提言-土木学会】 http://t.co/HoOFZukDPi 「土木学会は30日、想定を超える自然災害に襲われた場合でも放射性物質の大量放出に至らせない『危機耐性』の考え方を、設計やリスク管理の枠組みに取り入れるべきだとする提言を公表した」
2013-07-30 23:59:44![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
https://t.co/gkij4es4Ji (リンクの学会ページを見ると、 「委員長 当麻純一(電力中央研究所) 幹事長 大友敬三(電力中央研究所)」とある) https://t.co/4SGcj5W0CI @minadukiG
2013-07-31 00:05:02![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
↓今さらもっともらしい事を言われてもね。電力会社に都合の良い、安全余裕を削りまくった答申を出したのは何処だよ? (添田考史 @sayawudon さんのしばらく前のツイートを参照して下さい)
2013-07-31 00:25:36![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
新たな提言の前に、土木学会がこれまでいかに原発の安全性「低減」に加担してきたか、反省・検証が不可欠なはず。今、各地で問題になっている活断層の見逃し疑惑も、電力と土木学会が一体になった学会基準が元凶だ。 【原発設計で提言-土木学会】 http://t.co/68qONDjwqd
2013-07-31 08:11:17![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
たとえば土木学会基準によれば、島根原発の近くには活断層が存在しないはずであった。ところが変動地形学者が航空写真で見てみると「確実にある」。電力や保安院が「写真で見てるだけ」と批判するので、学者は実際に掘った。実に立派な活断層が発掘されたのだ(2006年)。こんなんばっかり。
2013-07-31 08:14:54