「シュニトケとの対話」 ― ドイツ・ユダヤ・ロシアのはざまで

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直立演人 @royterek

独ソ戦の勃発とともに、「ドイツ人住民のほぼ全員」がシベリアやカザフスタンに強制移住させられたが、シュニトケ家は(純粋なドイツ系の母方の家系も含めて)例外的に強制移住を免れた。ハンブルク生まれのシュニトケの父親が奔走して、自分がユダヤ人であることを当局に証明できたからである。

2011-08-16 12:10:13
直立演人 @royterek

ヴォルガ・ドイツ人は総じて母語であるドイツ語を保存してきたが、そのドイツ語はドイツ本国のドイツ語と比べて著しく異なる(語彙、アクセント等)。ハンブルク出身のシュニトケの父親はユダヤ人であったが、母方の家系の誰よりも完璧なドイツ語を話した。息子のシュニトケにはそれが当惑の種だった。

2011-08-16 12:13:59
直立演人 @royterek

ヴォルガ・ドイツ人の運命と類似しているのが、「高麗人」(кореец)と呼ばれる沿海州出身の朝鮮人の末裔。1937年10月までに沿海州に居住していた約3万6千世帯17万人の高麗人が、対日協力の疑いで中央アジアに集団追放、翌年までに少なくとも4万人が死亡。だが彼らは日本人ではない。

2011-08-16 12:25:20
直立演人 @royterek

スターリン時代に中央アジアやシベリアへ懲罰的に強制移住をさせられた民族は、ヴォルガ・ドイツ人や沿海州の朝鮮人の他に、クリミア・タタール人、チェチェン人、イングーシ人、カルムィク人、メスヘティ・トルコ人などがあり、その総数は200万人余りに上る。

2011-08-16 14:42:18