ヨウカイスレイヤー「スプリング・スプリングス・ユーレイ・アンド・ロスト・ソウルズ」#3

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YOUKAISLAYER @YKSLYR

パラパラとめくられていく、雷神のエンブレムが右下にプリントされた紙をニトリは後ろから覗き込んだ。「どう?」「見なくても分かる、間違いないよ」「で?貴女はどうしたい?ドゲザ癖のついたあの子らをもう一度問い詰める?」「……貴方ならどうするんだ」ニトリはユカリの目を見る。24

2013-08-30 23:20:32
YOUKAISLAYER @YKSLYR

「すべてお見通しなんだろう?」「誰だって推理できるわよ」ユカリはスキマを開き、押収した設計図や用途不明のガラクタ、食品などを投げ入れる。「さて、確証を得てから殴りに行きましょうか。地底を支配されちゃう前に」25

2013-08-30 23:22:02
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「グワーッ!」サッカーボールめいて通りを転がるマリサ!彼女は辺りを見回す。屋台街は遠く離れ、時折ネズミが飛び出す程度の人気の無い路地だ。「クソッ、なんて力だ」「イヤーッ!」身を起こしたマリサに追い打ちじみたピンポイント・ダンマクが飛来!マリサは再び身を倒し回避!27

2013-08-30 23:35:43
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「オイオイ、本物のジゴクの第四ストリートッてかよ?」彼女はプッシュアップ姿勢から再度身を起こす。「その通りだ」とユウギ。「逃げ転がり回るのがお前さんのパワーかい、ブラック・シーフ殿?」「イヤーッ!」立ち上がりながらのレーザー照射!「イヤーッ!」ユウギは首の動きだけで回避!28

2013-08-30 23:36:47
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「想像以上だぜ。前に鬼とやった時とは大違いだ」(単にアンタが弱いだけかもねぇ)「くっ、言ってくれるな」マリサは毒づく「イヤーッ!」ユウギが道端の石をキックで蹴り上げる!ナムアミダブツ!石に陰陽マークが刻まれ、針めいたレーザーダンマクが射出された!29

2013-08-30 23:37:58
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だがマリサは回避行動を取らず、冷静に陰陽石をダンマクで破壊!迫り来る針レーザーダンマクも、わざとギリギリまで待ってグレイズ回避した。ポイント倍点!脇を通り過ぎていくダンマク!「ほう、口だけではないようだな!」歓喜したユウギがサケを口にする。「当たり前だ、楽しみはこれからだぜ」30

2013-08-30 23:39:00
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マリサは浮遊しながら急速接近、得意の近接ハッケロカラテを繰り出し先手必殺の構えだ!「イヤーッ!」「イヤーッ!」ユウギは突っ込んでくるマリサの勢いを利用した足払いを放つ!マリサは体を丸め回避、連続前転ののち立ち上がる!31

2013-08-30 23:39:57
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「もう一度だ!イヤーッ!」マリサは再度ユウギめがけ空中ダッシュ!しかし彼女は、ユウギの放っているキリング・アトモスフィアを悟り急停止、威嚇射撃の構えに切り替えた。(ヤバいのが来るよ。私のより遥かにヤバいのが)人形の忠告が終わるのを合図に、ユウギが足を踏み鳴らす!32

2013-08-30 23:42:31
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一歩!大地と空気が激しく振動!「イヤーッ!」マリサは本能的に危機を察知し、バックステップで間合いを取る!「イヤーッ!」カラテ・シャウトを際立てる地鳴りのような轟音と共に、高密度のダンマクがユウギを中心にした同心円状に展開!その円の半径は彼女が一歩以内で動ける距離に等しい!33

2013-08-30 23:44:17
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二歩!大地と空気が激しく振動!「イヤーッ!」マリサは本能的に危機を察知し、バックステップで間合いを取る!「イヤーッ!」カラテ・シャウトを際立てる地鳴りのような轟音と共に、高密度のダンマクがユウギを中心にした同心円状に展開!その円の半径は彼女が二歩以内で動ける距離に等しい!34

2013-08-30 23:44:45
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三歩!大地と空気が激しく振動!「イヤーッ!」マリサは本能的に危機を察知し、バックステップで間合い(ダメだマリサ=サン!ダンマクの隙間に突っ込め!)スイカが叫ぶ!「イイイイヤアアアアーッ!」一際強いカラテシャウトが放たれた瞬間、二歩目より外の空間は無数のダンマクに覆われた!35

2013-08-30 23:45:44
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「グワーッ!」マリサは地響きに吹き飛ばされるように地面に倒れ込み、タンブル・ウィードめいてダンマクの隙間を転がった。アブナイ!回避行動がもう少し遅ければ、オーエド人形から地上へ送られる映像はツキジゴア・ムービーへと取って代わられていたであろう!36

2013-08-30 23:46:19
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「ほう!まさかこのダンマクを躱せる奴がいるとはな!」「冗談キツイぜ。ただの初見殺しだろ……イヤーッ!」転がりながらワン・インチ距離にまで接近したマリサのハッケロが火を吹く!「イヤーッ!」ユウギはダッキングで至近距離砲火を難なく回避し、必殺のカラテチョップを叩き込もうとする。37

2013-08-30 23:47:39
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だがマリサのハッケロカラテがハヤイ!「イヤーッ!」射撃反動を利用し、勢いの乗った回転裏拳を叩きこむ!「イヤーッ!」ユウギが突き出した腕を引いてこれをガード!BLAM!左手に持ちかえられたハッケロの砲撃!「イヤーッ!」ユウギは盃を高く放り投げ、素早い側転で回避!38

2013-08-30 23:48:27
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だがやはりマリサのハッケロカラテがハヤイ!「イヤーッ!」「グワーッ!」射撃反動でマリサの体が最下点に到達したヨーヨーめいて逆回転!勢いの乗った肘打ちが側転中のユウギの脇腹に突き刺さる!「イヤーッ!」その肘を支点に、裏拳を叩き込む!「グワーッ!」39

2013-08-30 23:49:25
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雑魚ヨウカイであればそのままワイヤーアクションめいて吹き飛ばされていたであろう打撃だ。しかし非凡な妖力を持つオニ・ヨウカイは、腕でたたらを踏むのみ!そして素早く上体を反転させ、盃をキャッチする。当然、サケは一滴も零れない!40

2013-08-30 23:49:58
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「訂正するぜアリス。ダンマクはパワーだがカラテはスピードだ」息も絶え絶えのマリサが余裕めかして言う。(めでたい頭だねぇー。私らオニが手加減しないことなんてないのに)「イヤーッ!」人形の小言の間に距離を詰めていたユウギが踏み込む!「グワーッ!」マリサは腹部に打撃を受け吹き飛ぶ!41

2013-08-30 23:51:01
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マリサはウケミし、マウントを取りに来たユウギを対空スプリングキックで弾き飛ばす。反動で起き上がり、暗黒武道ハッケロカラテを構えた。両手に大口径銃を構えるピストルカラテとは違いハッケロは一つだが、ピストルの三倍もの反動威力、そしてハッケロそのものの威力はむしろアドバンテージだ。42

2013-08-30 23:53:25
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BLAM!ハッケロが火を噴く!「イヤーッ!」ユウギはダンマクをぶつけ相殺!射撃反動で回転跳躍すると、マリサは回転蹴りを繰り出す。「イヤーッ!」「イヤーッ!」ユウギは上体を反らし回避!そこへ二段目の蹴りが入る「イヤーッ!」空中二段蹴り、アルマーダ・マテーロ!43

2013-08-30 23:54:42
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「イヤーッ!」ユウギはガード!「イヤーッ!」マリサは右腕でショートフック!「イヤーッ!」これもガード!BLAM!右手に握られていたハッケロが火を吹く!「グワーッ!?」至近距離射撃!「イヤーッ!」反動のカラテ「イヤーッ!」「グワーッ!?」ナムサン!回転の僅かな隙をついた当身だ!44

2013-08-30 23:56:19
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そのまま彼女はカラテを叩き込む!「イヤーッ!」「グワーッ!」衝撃でマリサの体がキリモミ回転!ユウギはカイシャクの一撃を叩きこむべく、マリサに狙いをつけ、首を切断するかのような勢いでチョップを繰り出した!「イヤーッ!」「グワーッ!」45

2013-08-30 23:59:12
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……カラテを受け怯んだのはユウギの方だ!何事か?ヨウカイ動体視力の持ち主であれば視認できたであろう。チョップが突き刺さる直前、マリサのハッケロが火を吹き回転の勢いが増加、その力で突き出されたチョップにチョップを当て弾き返したのだ!「とある神様のアイデアを拝借ってところだ」46

2013-08-31 00:09:43
YOUKAISLAYER @YKSLYR

「お見事!してやられたよ」ユウギは顔の前に突き出されたハッケロの銃口を、空の盃で遮って言った。「本気出さない鬼に勝ってもうれしくないぜ」「言うじゃないか」ユウギは笑った。「というわけでだ、飯代立て替えよろしくな」「当然だ。約束を守るのは私らの礼儀だからな」47

2013-08-31 00:22:10
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マリサが屋台街に戻ると、ヨウカイスレイヤーはまだ同じ屋台にいた。ヨウカイスレイヤーはマリサの接近を視界の端でとらえると、店主に何かを言いつけ、チャを飲み干した。店主は箱のようなものをいくつか、お手拭で口を拭うヨウカイスレイヤーの前に積み上げた。48

2013-08-31 00:28:02