2010/09/28 ツイッター小説 お気に入りセレクト

今日読んだついのべの中から独断と偏見で味のある作品をセレクトしてみました。 ついのべ #twnovel とは140文字以内で書かれた短い短い物語です。 過去のまとめ http://togetter.com/id/laybacks
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amaguri @kurikuriamaguri

電車に揺られぼんやりと車窓を見つめながら、遠い記憶をたどっている。「余命3ヶ月です」思いがけない医者からの一言。今こうしている間にも私は死に近づいている。残された時間は10368000秒。あれもこれもと考えるけど、最後はあなたの暖かな温もりがあればそれでいい。 #twnovel

2010-09-28 00:20:08
泥辺五郎 @dorobe56u

#twnovel 詩人は食えたもんじゃない。骨張っていて言葉が貼り付いていて臭みが酷い。どぶに湧いてるのも賞を貰ってるのも味に大差はない。その点画家は安いのは不味いが高級品は軽くトリップ出来るほど美味だ。しかし私は金がないので今日も三食詩人で済ます。こちらの血液にも言葉が混ざる。

2010-09-28 00:24:26
ヒデユキッス @hideyukiss

#twnovel 「急に激しい雨が降りだしてね。私はその洞穴を見つける走りこんだよ。追われていたからね。服がずぶ濡れでとても寒かった。燃やすものなんかどこにもない。私は一瞬、躊躇したけど鞄の中の物に手を伸ばしたよ。刑事さん、お札ってのは燃やすと暖かいんだよ。人の金は特別だったよ」

2010-09-28 00:49:49
Takao Rival @takao_rival

#twnovel 星間航行技術の革新により各国で星間植民船の建造が開始された。我が国では総理の主張により歴史文化を尊重した設計が推進され、巨大な植民船の中は江戸の街並を模し、人々の姿もちょんまげ和服となった。後に総理が「あれは冗談の積もりだった」と語ったのは最高機密とされている。

2010-09-28 01:19:49
@tohmei

新聞配達の途中、路地裏に女の子が寝ていた。酔いつぶれて、朝まで眠ってしまったのだろう。女の子は目を見開き、にっこり微笑んで、僕に向かって「にゃーん」と鳴いた。一目で愛されてしまったようだ。「うち、ペット禁止なんだ」女の子は帰る場所を求めるように、月を見上げた。 #twnovel

2010-09-28 01:38:41
twnovel-layback @layback7

「ふぁぼったーをいったい何回リロードしたんだい? お言い!」「さ、30回です……」「星がりやさんだねぇ。そんなにふぁぼって欲しいのかい?」「は、はい……」「じゃあ、ぼくのいやらしい #twnovel をふぁぼってくださいとお言い!」

2010-09-28 01:45:49
糖類の上 @tinouye

#twnovel 預言システムのご提案。まず人間に沢山のご飯を食べさせます。食べさせ終わったらすぐに眠らせます。目覚めて最初に話した内容が預言です。但し預言後すぐに人間は死にますので、食べてすぐ寝ると牛になることを利用したこの「くだんシステム」は預言1つごとに人間が1人必要です。

2010-09-28 03:41:34
浅葉積木 @tsumiki_a

料理教室で習った技を披露したいというので、彼女の部屋に呼ばれた。期待して待つ僕の前で華麗に舞っていた包丁が、僕の首筋を切り裂いた。彼女は続けて手足の肉を飾り切りしたあと、見得を切って言う。「くくく。さあ、どう料理してやろうか」 セリフの順番は習わなかったらしい。 #twnovel

2010-09-28 07:10:27
(ゆないキズト) @Kyzt__

「鬱を我慢して生きている」友人は言った。「医者に行かないのか?」私は訊いた。「鬱を我慢して生きていると、いつか「躁」の状態になるコトがある。それを待っているんだ」「…そうか。」「…そうだ」 #twnovel

2010-09-28 10:52:36
す~ぎした @trailer_soo

珍しく「飲みに行こう。」と誘ってきた。いつも不満だらけで職歴豊富な彼だ。珍しく愚痴も無しに酒が進むと、急に彼は笑いながら涙を流した。「うちのチビが幼稚園の遠足のお土産を自分の小遣いで買ってきてくれたんです。」そう言うと彼は派手なハンカチタオルで涙を拭いた。 #twnovel

2010-09-28 11:41:55
はたなか茶 @cha_hatanaka

泣く準備は出来ていた。アイラインとマスカラを、上瞼にだけ施した。泣かない覚悟をして行った。ちょびっと涙ぐむ程度ならセーフ。そして目元メイクもなんとかセーフ。女心。待ち合わせの喫茶店で、ヤツはごめんと言った。ごめん、やっぱりやり直したい。涙は黒い河となりにけり。 #twnovel

2010-09-28 12:05:39
岩宗 繁樹 @sekisuihouse_sa

息子と喧嘩中!彼は、以前の様に毎日遊んで欲しいんだそうだ。 仕事で疲れているからと言っても、許してくれない。 お気に入りは、トンネル遊び。行ったり来たりするのが嬉しいらしい。 以前は、毎日遊んでくれたのにと、不満を言う。 そう言えば、女房ともご無沙汰だな~。 #twnovel

2010-09-28 12:59:26
miyagaaaaもしくはnakoso @inabetz

心を3センチ動かしたら、ウキウキしてきた。また3センチ動かしたら、可笑しくてたまらなくなった。さらに3センチ動かしたら、涙が止まらなくなった。もう3センチ動かしたら、腸が煮えくり返った。それから3センチ動かして、もう指先ひとつ動かす事すら億劫になった。 #twnovel

2010-09-28 13:05:26
おぼろちゃん @oboroose

#twnovel 「あんたはこいつらの子孫か」彼は目の前に立った客に驚いてみせた。彼が売る土産物の古代生物ぬいぐるみにそっくりな姿だからだ。客は両手合わせて十本しかない指で器用にぬいぐるみを掴み上げ懐かしそうに呟いた。「わしが創ったのだ」彼はおかしな客がきた、とため息をついた。

2010-09-28 13:10:40
140字物語 @shortshortshot

彼に元の姿を一瞬見られてしまった。急いで誤魔化そうとしたが彼は「実は俺もそうなんだ」とドラゴン型の宇宙人に変わった。「なーんだ」私もホッとしてウサギ型に戻る。「今までの相手三人共宇宙人だよ」「私もみんなハズレ」もしかしたら地球人は一人も残っていないかもしれない。 #twnovel

2010-09-28 14:22:36
中村ヘボピー @hebop_

20年前に新道が出来て以来すっかり人の途絶えた旧道のトンネルに、幽霊が出るといつから言われるようになったのか正確に知るものはいない。今では夏場に見物人が来るようになったトンネルの、淋しがり屋の幽霊本人が流した噂だということはおそらく誰も知ることはないだろう。 #twnovel

2010-09-28 14:25:33
みもとりも @mimoto_rimo

#twnovel レストランの窓から見える夕日が海に沈むまで、彼女はそれを見つめていた。「飯が冷めてしまっただろう?」彼女と俺の最後の晩餐だ。「夕日と同じね、私達」彼女は冷めたスープを口に入れながら言う。「さよならの跡さえ残せないのね」レストランの薄暗い照明が燈り始めた。

2010-09-28 14:28:21
浪野(namino) @mint202

淹れたてのミルクティーは温かく、ほんのりと立ち上る湯気に肩の力が抜ける。ティースプーンでぐるぐるとかき回せば、生まれた渦の中に、小さな扉が見えた。ああこの扉はどこに繋がっているんだろう。私は、渦の中に指を浸そうか迷う。 #twnovel

2010-09-28 14:33:01
シマ @iland35

タバコを買うお金でお米が買えるのよ!値上がり前のまとめ買いにはしる夫に向かって妻は叫んだ。男は言った。俺の飯はカップ麺だろ! #twnovel

2010-09-28 14:41:48
まつい @vsenyo

#twnovel ホールケーキの四方から対地ミサイルが構えている。国連による線引きがいままさに発表されようかというそのとき、どこからか核ミサイルが放たれた。世界は殺戮の光りと熱に包まれ後には何も残らなかった。ただホールケーキだけを除いて。

2010-09-28 15:29:43
@sobatoyou

雨音が耳から浸透して脳を浸す。頭蓋に溢れた雨は麻酔薬の様に、私の一切を痺れさせた。もはや指先一本動かす事も叶わない。雨に体を支配され、私に許されたのは黙って天井を見つめる事だけ。その視界も、体内から漏れ出した雨に濡れて歪み始める。誰か、私を雨から救って下さい。 #twnovel

2010-09-28 15:43:17
yosirabi @yosirabi

#twnovel 「神様、どうかかわいいアヒル口にしてください」。毎晩眠る前に祈りました。でも全然だめ。「神様の意地悪。くすん」と泣きながら眠りにつくと、夢に神様が出て言いました。「わかった。願いをかなえよう」。やったあ!と思わず声に出すと、ものすごいガーガー声になっていました。

2010-09-28 16:27:04
ひのもと 和義 @khinoxyz

30年ぶりに皆と合った!今日は小学生の頃に埋めたタイムカプセルを開ける日。目印の木を探す。タイムカプセルにしたお菓子の缶はあるだろうか。あった!少しわくわくする!中に思出の品が・・・その中に『将来の自分』と言う作文があった。読み返す・・・全員、無口になった! #twnovel

2010-09-28 17:41:21
いでゆのまち @ideimachi

#twnovel ベッドを降りて彼は煙草を出した。窓辺でかちりと火をつける。やめたんじゃなかったっけ?「たまに禁煙すると旨いんだ」煙の奥で笑う。ふうん、私は瞳をくるくる回した。倦怠ぎみの私たちも、たまには…「何考えてる?」「貴方と同じコト」にんまり笑って煙草を奪う。んー、しみる。

2010-09-28 18:00:36
すわぞ @suwazo

#twnovel 島には姉神がいる。魅惑的で奔放な女神。誰もが彼女を愛している。けれど気まぐれな姉神は時々言う、「さよなら、あなた」。その言葉を受けた者は崖から海に落とされる。海には妹神がいる。優しく穏やかな女神。誰もが彼女の中で安らぐ。美しい姉妹神はそれぞれ生者と死者を司る。

2010-09-28 18:38:25