#愛宕によるヌルい艦艇四方山話

スクラップヤード @CA_atago

んー、久しぶりに #愛宕によるヌルい艦艇四方山話 でもしてみようかしらね。お題は『特殊潜航艇シドニー攻撃』で行こうかと思うわ。さて、うまくまとまるかしら

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特殊潜航艇・・・甲標的によるシドニー攻撃は昭和17年5月31日に決行された作戦よ。目的は英連邦間の通商破壊。 参加潜水艦は伊21、22、24、27、29の5隻。この内22、24、27潜が甲標的搭載艦よ。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話

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参加艦のうち、甲標的搭載の3隻は5月18日トラックを出港（ただし、24潜のみ搭載艇事故のため少し遅れて出ている）。30日にはシドニー沖に到達。31日の16時過ぎに相次いで発進。3隻は湾内を目指したわ。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話

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シドニー湾は形状が複雑な上にあちこちに防潜網（その名の通り潜水艦侵入防止用の網）や徘徊する哨戒艇やあちこちにある見張り所、更には磁気探知用のループコイルまであるという極めて防備の硬いエリアだったのよ #愛宕によるヌルい艦艇四方山話

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事実、27潜搭載艇は湾口の防潜網にかかって脱出不能となり21時半ころに自爆しているわ。 そんな中、22潜、24潜搭載艇が警戒網の合間を縫って湾内に侵入。24潜は搭載艇は湾奥に停泊している米重巡シカゴを発見。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話

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これに雷撃を試みたけれど外してしまう。ところがこの魚雷が向こう側に有った岸壁に命中。このショックで付近に停泊していた宿泊艦「クッタブル」が沈没。 22潜搭載艇が最後に湾内に侵入しているけれど、ループコイルで探知された上に湾内は警戒厳重。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話

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哨戒艇の猛攻撃に晒された22潜搭載艇は魚雷を発射することなく自爆。24潜搭載艇は脱出こそしたものの行方不明。最終的に沈没と認定されたわ。 ちなみに発進させた潜水艦は6月3日までは帰投を待っていたそうよ。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話

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この話はまだ続きがあるわ。 豪海軍は侵入してきたうちの2隻、22潜搭載艇と27潜搭載艇を6月5日に引き上げ。この時に4名の遺体を回収。 22潜搭載艇は松尾大尉・都竹兵曹のペア、27潜搭載艇は中馬大尉・大森一曹のペア。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話

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豪海軍シドニー港司令官であったグルード海軍少将は4名を海軍葬にて弔うと同時に彼らを讃える声明を出しているわ。 6月9日の葬儀では遺体は日の丸に包まれ、二列に並んだ儀仗隊が「敬礼」と「捧げ銃」を行い弔銃を発射。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話

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もちろん、この事には豪国内で反対意見は出た。まぁ当然の反応だわね。 でもグルード海軍少将はこういってその反論を封じた。 「このような鋼鉄の棺桶で出撃するためには、最高度の勇気が必要であるに違いない。（続 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話

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「彼等の持っている勇気は、いずれの国民の特質でも、伝統でも、遺産でもない。 彼等は最高の愛国者であった。はたしてオーストラリア人の幾人が、この日本の勇士の千分の一の覚悟を持っているだろうか」 まぁ、概ねこんなことを言ったそうよ。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話

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この発言以後、大きな批判は無かったそうよ。 遺体は葬儀の後に荼毘に付された後、遺骨は戦時交換船「鎌倉丸」によって10月9日に帰国を果たしているわ。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話

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まぁ、豪海軍がこのような措置を取った背景には、既に発生していた豪軍捕虜への待遇改善を求める意味もあったとは言うけれど・・・ 勇気の有り様を示した者への敬意は敵意とは違うものだったからだこそ、と思いたいわね。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話

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引き上げられた甲標的は豪戦争記念館で今も展示されているわ。いたずらもされたようだけれど・・・ #愛宕によるヌルい艦艇四方山話

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ちなみに戦後の昭和43年になり、松尾中佐（死後特進）の母上がシドニーを訪問されているわ。 シドニー湾を眺めた母上は「よくぞやりました。母はあなたを褒めてあげますよ」と言ったそうな。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話

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母上は昭和55年には亡くなられたそうだけれど、この時は豪政府から弔電が届き、それを大使が届けに来たそうだけど。 （大使が届けた辺りはちょっとうろ覚え入ってるので間違いかもしれないわ） #愛宕によるヌルい艦艇四方山話

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というわけで（凄く大雑把な）今日のお話はここまでとしましょうか。 この手の作戦というのは敵から批判されるのが殆どだけど、その勇気故に敵からも敬意を受けた珍しい事例だわね。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話

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こちらのサイトが湾の形状とか状況に詳しいので参考にしてね→ http://t.co/9gLNGY9qCb

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はやっ？！もうトゥギャられたΣ(´∀｀；)

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さて、戦艦からの砲撃で沈んだ空母というと、レイテ沖での（厳密にはサマール島沖）ガンビア・ベイが有名だけれど、実はもう一隻存在するのよ。 （千代田は巡洋艦相手なので今回は別枠にするわ） #愛宕によるヌルい艦艇四方山話

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その空母というのは英空母『グローリアス』。今回はちょっと太平洋を離れて欧州の方の話よ。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話

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グローリアスは元々は軽巡洋艦として建造されたわ。軽巡洋艦と言っても2万トン近い排水量に38センチ砲を積んだ、戦艦と呼ぶ方が正しそうな艦だけどね。 本来は水深の浅いバルト海で使う目的だったのだけど、WW1が終わったことで意味がなくなってしまった。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話

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そこで英国はグローリアスと姉妹艦カレイジャス、準同型艦フューリアスを空母に改装することを決意。 ちなみに新造時の赤城・加賀よろしく多段式飛行甲板を採用しているのよ。 画像→ http://t.co/64N7UrNxpG #愛宕によるヌルい艦艇四方山話

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さて、時は流れて1940年。ドイツは当時中立国だったノルウェーに侵攻。鉄鉱石の確保や重水工場があったこと、自軍艦隊が北海に閉じ込められることを防ぐ等様々な思惑と共に始まったこの作戦はドイツ側に有利に進行したわ。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話

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英国はノルウェーを支援していたけど、ドイツの進撃の前に撤退の必要が出てきた。ことに北部の方は伸び伸びになっていたし、現地に居る英空軍部隊を収容する必要も出てきた。 で、その役目がグローリアスに回ってきたわけね。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話