私家版「けいおん!」論 ~“クレバー”な登場人物と優しい世界~
普通だったらここはキレるところだろう、とかここだったら事件がおこるだろう、ってところでトラブルを回避してしまうのがけいおんクオリティ。
2010-09-29 22:22:26彼氏に振られたさわちゃんですら、結局深刻に落ち込んではいない。上手い具合に感情を発散しているなーと思う。教え子のクリスマスパーティに乱入の是非? けいおん! 世界なら最適解だと思うよ。現実なら迷惑千万。でも勘違いして現実に乱入やっちゃう教師が出てくるかもね。[けいおん! 7話]
2010-09-29 22:26:08すぐに人を怒鳴りつけたり感情的になって黒い感情を撒き散らす人間が苦手です。そういう姿を見るたび「賢くないなあ」と思います。でも、そういう僕にも「賢くない」部分があります。たぶん誰にだってあります。疲れが溜まってたり不運が連続すると、誰だって「賢くない」部分が表に出てしまうもの。
2010-09-29 22:34:04僕たちが「賢くない」のは仕方ないことなんだけど、それを笑って受け入れられるほど僕は懐が深い人間じゃない。だから、感情的になり過ぎない、感情に根差したトラブルを回避できている(ようにみえる)「けいおん!」世界の人々を「クレバー」と言いたくなるんだろうなあ。憧れてるんだろうなあ。
2010-09-29 22:35:32あずにゃん感情的になるも即効で宥められる。あずにゃんの提案を澪、そしてみんなは受け入れる。あずにゃん自身も反省。変にあとを引きずったりしない。嫌な意味で感情的になったりしない。[けいおん! 9話]
2010-09-29 23:17:16澪の真面目さを、「なにあの子真面目ぶっちゃってー」とせずに、受け入れるあたりがいいな、って思う。嫌な意味で感情的な言動をしないのが素敵。[けいおん 9話]
2010-09-29 23:26:41澪が練習を呼びかけることで梓の気持ちを代弁してあげてるのもいいよね。現実の部活って、それまでの空気を維持しようとする面があるように思う。先輩連中はこのだらけムードを維持しようとして「文句あるなら去れ」って言い放っちゃうかもしれない。でも、この世界にはそれがない。[けいおん 9話]
2010-09-29 23:29:09みんな、相手の気持ちを思いやれる良い子。いや、相手の気持ちを想像出来るくらいには“クレバー”なんだよ。いつまでも自分の気持ちに捉われたりしない。[けいおん 9話]
2010-09-29 23:30:23僕たちは、自分の気持ちに捕らわれて、他の人の気持ちに鈍感になってしまうことがある。「私はこんなにも辛いんだから、他人のことなんか考えなくてもいい! 虐げたってかまわない! 私は私のことだけ可愛がっていいはず!」って考えてしまう。難しいよね。虐げられて当然の人なんていない筈なのに。
2010-09-29 23:32:05あずにゃんは変に意地を張らない。合宿が楽しかったこと、自分がはしゃいでいたことを認められる。自分の心の動きを観察できるクレバーな子 [けいおん10話]
2010-09-29 23:53:58はっきり言ってあずにゃんからすると、唯は「頼りない・情けない先輩」に見えても仕方ないと思う。けれど、ぞんざいに扱ったりしない。1人の先輩として敬意ある態度で接している。 実際の部活だったら唯ってナメられて後輩からもイジられるんじゃないかなー、って。[けいおん! 11話]
2010-09-30 00:07:35ようやくここで亀裂。この時の律も澪も、これまでと違ってとても“賢くない”。自分の気持ちの処理でいっぱいいっぱい。お互いの気持ちは慮れていない。けれどすぐに和解出来てるわけで。延々引っ張ったりしない。それまでの不満が噴出して愚痴愚痴、なんてこともない。[けいおん! 11話]
2010-09-30 00:18:37僕たちが嫌だと思うのは、1つの衝突がきっかけで、それまで見過ごされていた不満について愚痴愚痴言われること。「この際だから言うけれど、~ってどうかと思う。ずっと我慢してたけどさ!」みたいな。
2010-09-30 00:20:10まあ唯たちも完全にはクレバーではないよね。けれど、現実世界の僕たちに比べれば比較的クレバー。愚かしい部分だって残ってる。例えば11話の衝突とか。とはいえ、チャンネルを変えたくなるほど馬鹿馬鹿しい衝突じゃあない。[けいおん! 11話]
2010-09-30 00:26:0412話までを通して見て思ったのは、部活・学生生活にまつわる「不快なもの」を取り除いたのが「けいおん!」なのかな、と。嫌なリアリティを削除した感じ。
2010-09-30 00:27:4712話が終わる。うん、終わる。終わり。基本的に肯定的な反応ばかりを返してくれる人々で構成された世界。まさにファンタジー。[けいおん! 12話]
2010-09-30 00:59:24煮詰まってきたのでけいおん! についてはこの辺で終わろうか。昨日から延々語り続けてきたのは、自分の言葉に微妙な齟齬を覚えていたから。本当に唯達はクレバーなのかしら、って。だから1期だけだけどまとめて見なおした。解ったのは「唯達はクレバー」って視点に立脚して見るのもアリってこと。
2010-09-30 01:03:39「けいおん!」について語る際に心がけていたこと。1.できるだけ自分の経験に引きつけて語る(「けいおん!について騒いでるアイツら」みたいな語りをしない) 2.「けいおん!」とそれ以外のアニメ・漫画・ドラマ・ラノベなどを比較して、「けいおん!とは何か」を自分なりにはっきりさせること。
2010-09-30 01:12:43その上で解ったのは、たぶん、「けいおん!」は、僕たちが現実の部活・サークルで経験する「嫌なもの」を排除した世界だと言うこと。どうやって排除したか。世界を構成する人間全てに、クレバーさを備えさせたのだ。自分の感情に捉われすぎない、他人を思いやれる――不要な衝突を避けるクレバーさを。
2010-09-30 01:15:47逆に言うと、僕たちが部活やサークルで嫌な思いをするのは、誰もがクレバーじゃないから。自分の感情にとらわれて他人の気持ちに鈍感になってしまうから。仕方ないことなのは判るんだけどね、人間だもの。……なんかディケイド論の時も同じような話をした気がするぞ。何故他者に不寛容になるのか、とか
2010-09-30 01:17:56その上で、自分を、自分の感情と言う牢獄から解き放つにはどうしたらいいのかな、って思う。今後の課題。昔、「肉体は魂の牢獄である」ってプラトンは言った。違う。魂は二重の牢獄の中にある。感情の牢獄と、肉体の牢獄。
2010-09-30 01:19:24感情の牢獄の問題は深刻だと思う。僕自身経験があるから言えるんだけど、鬱病下における気持ちってのは、まさに感情の牢獄に囚われたようだった。窮屈で、動けない。その不自由さに耐えきれず、死んでしまいたくなる。
2010-09-30 01:20:49