明善寺合戦

さき @masakishibata

突然ですが、明善寺合戦について呟きますね。

さき @masakishibata

1566年2月、宇喜多直家は毛利元就の支援を受けて備前に侵攻する三村家親を暗殺。しかし、その跡を継いだ三村元親は手を緩めることなく備前への侵攻を続ける。1567年7月、宇喜多方の明善寺城に夜襲を掛けて城は陥落。その奪還戦に位置づけられるのが『明善寺合戦』である。

さき @masakishibata

直家は先の戦いで三村方に降伏した岡山城・中島城・舟山城の諸氏を再び味方に引き入れ、明善寺城を孤立させる。降伏勧告の使者を明善寺城に送るも、三村方はそれを虚報として聞き入れずに拒否。備中から三村本隊が救援に来るという情報もあり、事態は膠着する。

さき @masakishibata

そこで、直家は岡山城の金光宗高を通して三村本隊を自領に誘い出すことを画策。宗高が未だ味方であると疑わない三村方は、宗高が進言した「本隊と明善寺城の兵で宇喜多勢を挟撃する」作戦を敢行。2万余りの軍勢が備前に侵攻を開始した。

さき @masakishibata

三村元親は庄元祐率いる7000を先発隊として明善寺城の救援に向かわせ、石川久智率いる5000の別働隊を大きく迂回して宇喜多方の背後に回るよう指示。そして、元親自身が率いる本隊8000は宇喜多直家の本拠を落とすべく、沼城に向けて侵攻した。

さき @masakishibata

三村本隊が分散して侵攻を開始したことを受け、宇喜多忠家率いる宇喜多先発隊が明善寺城を急襲。三村先発隊が到着するより早く城は陥落する。庄隊は忠家隊の銃撃を受けて大混乱に陥り、潰走。この戦闘で庄元祐は討ち取られたとされるが、後世の記録に名が確認できることから誤報と考えられる。

さき @masakishibata

明善寺城が陥落したことで三村方の挟撃作戦は頓挫。庄隊敗走の報を受けた石川隊は作戦変更の軍議中に宇喜多本隊に取り囲まれ、防戦を余儀なくされる。しかし、ここでは宇喜多隊が突出しすぎたことにより大損害を喫して敗走。一方、石川隊の被害も甚大で追撃を断念した。

さき @masakishibata

三村元親本隊にも明善寺城陥落の報が届き動揺が走る中、遂に両軍本隊が対峙。前当主・家親の仇である直家を前に三村隊は突撃を敢行し、先陣の明石景親隊・岡家利隊を切り崩す。しかし、両脇に控えた別働隊から挟撃され総崩れとなった。

さき @masakishibata

敗戦濃厚となった三村方だが、元親は更に突撃をしようとするも家臣に諌められて撤退。宇喜多方も追撃することなく、ここに明善寺合戦は終結した。

さき @masakishibata

この一戦により、三村氏は備前西部から撤退。その侵攻を退けて大勝利を収めた宇喜多直家は、主家である浦上家中での発言力を増大させました。また、鉄砲鍛冶と商業が盛んな福岡の地を掌握したことで独立性を確保し、戦国大名としての地位を確立していくことになります。

さき @masakishibata

明善寺合戦における宇喜多方の作戦のキモは「城の奪還に留まらず、それを餌に三村本隊を誘い出して壊滅的な被害を与えた」ことにあると思います。城の奪還だけであれば容易でしたが既に大軍が侵攻してくることも分かっており、それを迎え撃つところまで視野に入れたのが直家の戦略。

さき @masakishibata

敵の標的を「明善寺城の救援」と「沼城の陥落」に分散させ各個撃破する作戦は、小勢で大軍を相手するための常套手段です。それを実現するために「味方を装わせた虚報」「すぐに落とせる城を落とさず餌にする」「しかも自身の本拠地まで餌にする」という発想が斬新かと思います。

さき @masakishibata

明善寺合戦のことを「宇喜多直家が生涯で唯一正攻法で勝った戦」と評価する向きもありますけど、いやいや正攻法じゃないだろう。謀略の類は使っていないものの、これは立派な奇襲ですよ。

さき @masakishibata

まぁでも、宇喜多直家が謀略だけの人ではないことが理解されると幸いです。

さき @masakishibata

てか、宇喜多直家を肯定的に評価する際に「姻戚を手に掛けることはあっても家臣を粛清したことはない」というのがあるけど、普通は姻戚を手に掛けている時点でアウトだろ。家臣を粛清しなきゃ義父や娘婿を殺してもいいとか思っているんですか思っていますよ、いいぞもっとやれ。