【twitter小説】イミルアの心臓#3【ファンタジー】

観光客のフィルとレッドは忘れ物が眠る館、遺失物の館を訪れますが、そこで……。小説アカウント @decay_world で公開したファンタジー小説です。この話は#4まで続きます
0
減衰世界 @decay_world

「皆が私を忘れてくれる場所、そこが私を呼んでいるの……」  そう言ってイミルアは夕闇に向かって走り出した。カラールは急いで追いかけるが……いくら探しても彼女を見つけることは出来なかった。 86

2013-08-09 19:35:32
減衰世界 @decay_world

「僕はひたすら彼女の行方を探したんだ。あるとき、忘れ物が集まるというこの館のことを知った。ここならきっとイミルアを……取り戻せる。そう信じて」 87

2013-08-09 19:41:21
減衰世界 @decay_world

 そのとき、この部屋の入口からがらくたが転がり落ちてきた。陶器の人形だ。カラカラとセラミックプレートの床を転がっていく。フィルとレッドは身構えた。ズムズムと何かが這いずる音が聞こえる。 88

2013-08-09 19:47:44
減衰世界 @decay_world

「イミルア……オオ……イミルア……」  入口からがらくたが溢れかえる!中心にいるのは鎧を身に纏った……市長だ。鎧は完全にがらくたの群れと同化している。執念ががらくたを取り込んだというのか。 89

2013-08-09 19:55:29
減衰世界 @decay_world

「こいつは……ヤバいぜ」  市長はすでに正常な思考を持っていないのか、獣のような叫び声を上げ足を踏み出した。 90

2013-08-09 19:59:27
減衰世界 @decay_world

――イミルアの心臓#3 (了) #4へつづく

2013-08-09 20:01:37