テレビ朝日『ザ・スクープ』で振り返る「日米　核の歴史」

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「ザ・スクープ」総括⑮原子力平和利用の国際的先兵とされた日本で、アメリカは駐日大使館付の広報文化交流局を中心に宣伝工作を強化する。【番組が触れていない点④】これに全面的に協力したのが、読売新聞社主の正力松太郎であり、日テレ創設者の柴田秀利である。とくに柴田の活躍は目覚ましかった。

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「ザ・スクープ」総括⑯よく正力松太郎の言葉とされる「毒をもって毒を制す」戦略は、実は柴田の発案で、柴田が広報文化交流局を通じてアメリカにアドバイスしていた。日本政府が「原子力の平和利用に関する基本的態度」を決定する決定打をもたらしたのも、実は柴田だったのだ。

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「ザ・スクープ」総括⑰日本政府が「基本的態度」を決定した翌月の1955年5月、当時国務大臣となっていた正力松太郎の肝いりで「原子力平和利用使節団」が日本に招待される。翌月に、濃縮ウラン受け入れが決定事項となり、同11月には #日米原子力協定 が調印されるのである。

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「ザ・スクープ」総括⑱【番組が触れていない点⑤】この #日米原子力協定 こそがアメリカの対日核兵器受け入れ政策の根幹であり、原子力平和利用戦略の最大の成果なのである。その過程で、幻の「広島原発」計画や広島平和記念館での「原子力平和利用博覧会」などが実施された。

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「ザ・スクープ」総括⑲すべての対日宣伝工作は全て、日本に原子力協定を受け入れさせ、日本自身が原発推進国となることで、原子力平和利用の世界の広告塔とすることを目的に進められた。そして1957年8月、ついに日本自身が原発推進国となるのである。日本の原子力政策はここから始まった。

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「ザ・スクープ」総括⑳さて、ここで改めて第一章に戻る。福島原発事故への対応で「自衛隊の放水」はなぜ行われたのか。その裏にあったアメリカの思惑と、意味の無い対応を行った日本政府の懸念はなんだったのか。【番組が触れていない点⑥】この背景に「現在」の #日米原子力協定 の規定がある。

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「ザ・スクープ」総括⑳2013年現在の #日米原子力協定 は、これまで4回の改正を経た1988年の改定協定に基づいている。1955年の原子力協定で、先進技術のプルサーマル発電に基づく核燃料の再利用など想定できるわけもない。ここを番組は明確には区別していない。

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「ザ・スクープ」総括㉑ここからは予測になるが、米側が福島厳罰事故対応が「日本の生き残りの問題」である（ケビン・メア氏）としたのは、日本の原発事故への適切な対処が原子力平和利用推進に不可欠だからだと思う。そこを日本政府側は「６０年前に戻るかもしれない」と頓珍漢な読みをしている。

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「ザ・スクープ」総括㉒したがってアメリカが求めたのはあくまで実効性のある対処であり、間違ってもヘリ放水などという全く効果のないHIGHリスクNOリターンな対処ではなかった。たしかに日本が対処しなかったら、原子力緊急事態への対処経験がある国として米軍が投入されたかもしれない。

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「ザ・スクープ」総括㉓だが、米国は軍の使用には市民感情に配慮する。高線量被ばくの可能性が高いのであれば、たとえ同盟国のためでも在日米軍をそのために派遣はしないだろう。第一に、それにより戦力が減退したらどうそれを補完するというのか。そんなリスクを常識ある国がとるわけがない。

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「ザ・スクープ」総括㉔福島原発事故当時の日本政府首脳は、こうした常識的な判断ができなくなるほどのパニックに陥っていだ。この時点でおそらく「日米同盟」は実質的危機にあった。それは現行の日本政府では良識に基づいた相互に互恵的な同盟関係を維持できないという考えからだ。

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「ザ・スクープ」総括㉕こうして、米側が菅政権の対応で呆れていたら、今度は野田政権になって、現行の #日米原子力協定 に関する理解を全くなしに、「原発ゼロ政策」を言い始めた。だからアメリカは必然的にあからさまな圧力によりこれをけん制し、変えさせた。民主党政権の考えが安易過ぎたのだ。

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「ザ・スクープ」総括㉖野田政権の「原発ゼロ」政策に米側が具体的に懸念を示したのは、①日本の人材・技術確保の困難という課題と、②核拡散努力へ懐疑だった。①は日本の産業・経済に関わる問題であり、②は米国の安全保障に関わる問題だった。このいずれに対しても、民主党政権は回答できなかった。

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「ザ・スクープ」総括㉗1955年以来、脈々と受け継がれてきたアメリカの核戦略の根底には、世界の核軍事バランスにおけるアメリカの絶対優位を維持する目的があった。そのために米原子力法が存在し、各国と締結する原子力協定とそれを支えるIAEAを軸にした原子力平和利用戦略がある。

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「ザ・スクープ」総括㉘日本の原発推進を支えているのは、国内の原発ムラなどという矮小なものではなく、アメリカの核戦略なのである。原発推進のピラミッドは米本国に行き着く。 #日米原子力協定 はその一環に過ぎない。今回この番組が意味を持つのはその背景を1本の線で結んだことにある。

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「ザ・スクープ」総括㉙1945年の終戦直後から連綿と築かれてきた原子力平和利用の砦。これは「民意」というもので崩すには、あまりに強固かつ強大なものである。敵本国アメリカにあり、アメリカの法体系にある。 #日米原子力協定 の大元である米原子力法。これに取り組まず脱原発は為されない。

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「ザ・スクープ」総括㉚終。この番組は無意味ではなかった。しかし番組に抜けていることを補完しなければ、その価値を最大限に発揮することはできない。日本の国家主権を憂う全ての人間は、原子力の平和利用を否定し覆すことこそが、日本の生き残り戦略なのだということを肝に銘じてもらいたい。了

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以上、「ザ・スクープ」総括。番組を補完しそれをまとめるのに30編を要しましたが、これが私のできる精一杯の総括です。脱原発派の皆さん、核保有を夢見る皆さん、国家の主権に関わることを憂う全ての人間にとって、この不条理な #日米原子力協定 は唾棄すべきものです。一緒に考えましょう。

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総括まで全てまとめ終わりました。これにて完成です。お待たせ致しましたm(__)m 「【視聴メモ】テレ朝『ザ・スクープ』原発と原爆　日本の原子力とアメリカの影 #日米原子力協定」 http://t.co/LGZIwY0DDz

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ご指摘により総括①㉑に訂正を追加しておきました。ツイート自体は削除・投稿のし直しはしません。ご指摘感謝！ 「【視聴メモ】テレ朝『ザ・スクープ』原発と原爆　日本の原子力とアメリカの影 #日米原子力協定」 http://t.co/LGZIwY0DDz