『特高月報』に見る、戦時中の国民の本音

うすぼんやり @gudoon_gudeen

「米国勝て勝て」（「東京都渋谷区鉢山町・反戦落書・捜査中」『特高月報』1944）

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「米英勝、日独負」（「北海道空知郡三菱三唄炭山労務者寄宿舎内大便所・不穏落書・捜査中」『特高月報』1944）

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「日本は米国に勝たない国だ。米に困つて居る様では米国に負けるのも当然だ、私も負けて呉れ勝たなくて宜しいと是非負けることを祈る一人だ。」「私は心から日本が負けること祈る者だ、こんな国民と一緒に勝たんでも宜しい。」（「新潟県・不穏反戦投書・捜査中」『特高月報』1944）

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「日本人は馬鹿だ。英米に戦ふのは無理だ。」（「神戸市須磨区太田町・反戦落書・捜査中」『特高月報』1944））

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「日本はいままけいくさでつぶれます。てんのうはのたれ死にます。だいじんはあはれな死にかたになります。こどもまでくるしめたやくにんはいきのねをとめてくびを吊つて死にます」（「東京・不敬反戦投書・捜査中」『特高月報』1944）

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「日本全滅、米国に日本を引渡すべし」（「静岡県静岡市無職四二歳・不穏投書・送局」『特高月報』1944）

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「米英に頭をさげるんだ　一分でも早く　一分でも速く米英に降参しやう　なんと日本はばかか」（「京都市左京区電柱・反戦落書・捜査中」『特高月報』1944）

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「「万邦をして各々其の所を得しめ兆民をして其の堵に安ぜしむる」と天皇陛下は仰せられて居るに拘ず支那米英と戦争をする事は無意味であつて巧言令色となりはせぬか 詔勅に美辞麗句を連ねてあるが世界は相手にしないではないか」（「兵庫県神戸市社長六八歳・不敬言辞・送局『特高月報』1944）

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「日支事変が永引いて大東亜戦争に続いて居るからとても米英に勝てさうもない、戦争なら早く止めて貰つた方がよい、米英に負けても米英のやり方なら現在と大して変はりはないからそつちから給料を貰つても同じ事だ」（「静岡県・静岡電気通信工事局雇員四三歳・反戦言辞・送局」『特高月報』1944）

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「宣戦布告前にハワイを攻撃したことは卑怯だ　だから日本は戦争に負ける　日本は勝つた／＼と言つてゐるがノモンハンでもソロモンでも負けてゐる　加藤清正が朝鮮征伐に行つた時も負けて帰って来てゐる」（「神奈川県横須賀市理髪業二六歳・不敬不穏言辞・取調中」『特高月報』1944）

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「諸君　日本は何故今度の戦争をやつてゐるんでせう　苛烈な戦争を幾萬の生命物資を消費して何が聖戦でせうか…

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…満州支那いや世界を制覇しようとするのでしよう　侵略主義の日本の政治家よ　正義は何時でも勝つ　欺まん何時の時代でも永続きはしない　日本も滅びる時が来たのだ　噫同胞よ反対せよ」（「神奈川県小田原駅共同便所・反戦落書・捜査中」『特高月報』1944）

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「一城焼けた　二城焼けた　三城焼けた　四城焼けた　五城焼けた　六城焼けた　七城焼けた　八城焼けた　九城（宮城）焼けた　日の丸吹つ飛んだ」（「静岡県中学校、国民学校のあひだに流布・不敬言辞・捜査中」『特高月報』1944）

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「アイ、サレンダー。右の言葉を復唱してよく覚えこみ給へ。役に立つ時が来るから。」「退却中に日本軍から取残された時、「愛されんだあ！」の言葉を使ひ給へ。」（ビルマ英軍の対日本軍電単ビラ「アイ、サレンダー（愛されんだあ）」1945） http://t.co/0Y5bMcJ59J

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『朝日新聞』昭和二十年八月十五日付号外「けふ正午に重大放送　国民必ず厳粛に聴取せよ」。これは放送後に配達された「戦争終結の大詔渙発さる」の朝刊（異例の"昼刊"）より意図的に先に配られた。 http://t.co/674gAaWQx0

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「終戦の詔勅が発せられるということになってから、私どもは内閣情報局の指令に引きずり回された。その第一は証書を掲載する十五日付の新聞は、天皇の放送がある正午前に配達してはいけないというのであった。”朝刊”ではなく異例の”昼刊”にせよというわけだ」（高原四郎「敗戦の実感」1983）

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「「玉音放送」を即時全世界に通達する方法として、次のような対応をした。当時は電波が規制され、出力は10キロワットであったのを60キロワットに増力した。そのうえ、かねては昼間送電のない地方にも特別送電する手はずが整えられた。…

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さらに短波により、東亜中継放送、海外放送を通じて中国占領地、満州、朝鮮、台湾、南方諸地域にも放送された」（竹山昭子『玉音放送』1988）

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「玉音」の録音で使用されたA型ベロシティマイクロホンとテレフケン型円盤録音機@ＮＨＫ放送博物館（港区愛宕）。 http://t.co/lovwBt9G7D

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「しかし数か所、不明瞭な点があったので、長友技師からその旨を侍従に連絡すると、天皇は、”今の声は低かったようだから録り直しをしよう”と下村情報局総裁にいわれた。こうして二回目の録音が無事終了した。」（日本放送協会『放送五十年史』1977）－今日の「玉音」はテイク2だったようだ。

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「玉音」盤@ＮＨＫ放送博物館（港区愛宕）。1975年にＮＨＫに「お貸し下げ」になるまでは宮内省（庁）が所有していたが、保存状態が悪く再生不可能な状態にあったので、ＮＨＫ総合技術研究所が修復保存したのちに展示している。 http://t.co/bOGiXtLngu

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「75年に原盤が譲渡される以前から「玉音」の音源があったのは何故か？」という疑問には、GHQのCIE（民間情報教育局）に所属した春名静人技師の証言がある。今日よく聴かれている音源はCIE版複製からの複製らしい。　「玉音放送」の音源の謎-http://t.co/cKxTxHBiAv

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「「抑〃帝国臣民ノ康寧ヲ図り、万邦共栄ノ楽ヲ偕ニスルハ、皇祖皇宗ノ遺範ニシテ、朕ノ拳々措カサル所」は、明らかに「開戦の詔書」と呼応している。明治天皇、大正天皇が遂行してきた東アジアに対する侵略政策を、「東亜ノ安定」をとおして「世界ノ平和」をめざす政策であったと転倒する事によって…

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…昭和天皇ヒロヒトは自らを大日本帝国の臣民と「民族」だけでなく、「人類ノ文明」をまもる主体へと拡大していく、近代日本の侵略戦争を全面肯定することによってのみ、ヒロヒトは「民族」と「人類」の救済者であるかのようにふるまうことができたのだ。「共同宣言」の「受諾」は…

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…「敵」の「使用」した「新」な「残虐ナル爆弾」によるこれ以上の「無辜」の「殺傷」を食い止め、「我カ民族ノ滅亡」と「人類ノ文明」の「破却」を阻止するための「聖断」であった…