- shells_whales
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病院の窓からベイブリッジを見る、朝の空を背景にして、とてもきれい。いつも思い浮かべるのはレモンのスライス入りの「ペリエ」。早く水が飲めるようになりたい。退院したらつぶやきます。そのときが楽しみだ。
2010-02-06 07:17:13また窓からベイブリッジを見てる。同じ風景でも、違う朝なのだから、違うように見えて当然なのに、同じようにしか見えない。この違いがわかって、それを表現できれば、本物の表現者になれるのかな・・・などと修行中の武蔵のようなことを考えているのが我ながらおかしい。それどこじゃないだろ、自分。
2010-02-07 07:17:46おはようございます。5時に起きて、何もすることがないので、また窓辺にすわって、ベイ・ブリッジを見つめています。早く夜明けにならないかな? 飲まず食わずというのは、思った以上に消耗するもので、あなかなか仕事ができません。ここは、やっぱり我慢かもしれません。
2010-02-08 05:46:29今朝もまたこの時間にベイブリッジを見ています。辛抱が足りないのか、どうしても だんだん明るくなるのを見続けていられない。何かの拍子に目をそらすと、もう暗かった風景が一変して、明るくなっている。それが妙に悔しい RT@videobird ベイブリッジ日記が楽しみになってきています。
2010-02-09 05:25:26明るくなってきた、明るくなってきた。これ、青みがかったグレイかな、グレイが青に追い払われる感じ。と見るまに、ああ、つぶやいている間に、もう朝だ。ハイウェイの照明の照り返しと、薄い青、薄いグレイのグラデーション・・・
2010-02-09 06:15:39十二指腸に大きな潰瘍。胃カメラでようやく判明。内径が通常の十分の一しかない。出血がつづいていて、それで貧血状態だった。これから、潰瘍組織の検査をするけれど、十二指腸はガンができにくい部位だから、まずは大丈夫とのこと。ホッ。おれの体すごい。誰かが綱渡りを楽しんでいるとしか思えない。
2010-02-09 20:09:16今日こそ、ベイブリッジが、朝日のなかに徐々に浮かびあがってくる過程を、この目で視認したいと思う。でも、今日は、三時ごろ、おかしな時間に目を覚ましたせいか、妙に眠い。まだベイブリッジは闇のなか、点滅するブリッジの明かり・・・車のヘッドライト、赤いテイルランプ・・・ううん、眠いや。
2010-02-10 05:24:35ああ、気がついた。夜明けまえに、高速の明かりが透明感を増すというか、輝度を増すというか、フワッと明るくなるんだ。でも、もうダメ。眠い。「明るくなるまで待って」と言ってるのに・・・
2010-02-10 05:31:19いまから病室を抜け出して、エレベーターに乗って、ミネラル・ウォーターを買いに行くんだ。「はじめてのお買い物」みたいで、すこしドキドキして、楽しい。そのあと、すぐに寝よう。夜明けのベイブリッジが待っている。昨日、原稿執筆量8枚、徐々に病室での仕事も慣れてきた。皆様、おやすみなさい。
2010-02-11 00:14:21五時五三分。いまから始めれば、夜から朝に移行するベイブリッジを見ることができるはず。窓の前面に高速ランプ下り、その後ろにランプ上り、右から左にかけて高速がしだいに遠ざかるように延びていき、ぎりぎり左側で、奥に蛇行し、視野の頂点にベイブリッジがある。さらに海、ガントリークレーン。
2010-02-11 06:00:39それに音。車の通過音が絶えず聞こえる。潮騒のようににうねって聞こえるということはなく、単調に、同じ高さで聞こえつづける。それぞれ車の重さは違うはずなのに、どうして音がひとつながりに聞こえるのだろう? ときおり、ガタン、という音が聞こえるが、これはまた別に考えるべきこと。
2010-02-11 06:05:54目立つのは陸送トラック。コンテナが照明を反射して、銀色に浮かびあがる瞬間がある。感情移入をいっさい排除する冷淡さ、だけど、ここには確かに詩情のようなものがある。乾いた、というより、むしろ冷酷な詩情。かつて光瀬龍のSFで体験したことがある。スペースマン、太陽系外宇宙船、孤独・・・
2010-02-11 06:13:23気がついたら空がすでに全体に明るくなっている。目、に徹するつもりだったのに、ふいに記憶の底から浮上してきたSFの郷愁に捕らわれ、身動きができなくなっている。おれはここから始めて、ここに帰ってきた、という思い・・・後悔に似ているのはどうしてなのだろう? どこで道を誤ったのか?
2010-02-11 06:21:25ほんの一、二分で、夜から、夜明けまえの明るさになっている。もうコンテナが銀色に浮かびあがることはない。SFの魔法はほんの一瞬のことだったのか? そうではない。左にベイブリッジ、右にクレーンが何機も浮かびあがり・・・高速道路は加速レール、ここはもう光瀬龍の荒涼とした宇宙基地。
2010-02-11 06:32:26朝になった。だけど曇り空。どんよりした空に鈍色に浮かびあがるベイブリッジ。こんな朝は嫌いだ。朝日のなかに浮かびあがるベイブリッジが見たい。今日は失敗だった。また、明日、やり直そうと思う。
2010-02-11 06:35:15退院したら「NOVA」の中編の準備にとりかかろう。若いときからの夢だった、誰が読んでもおもしろい、物語性に富んだ、リーダビリティの高い、しかし、ハードコアSFの実現に取り組みたい。いまのおれにできるかな? できるさ、できると思いたい。
2010-02-11 10:02:51七階に病室を移動し、バースペクチブが変わった。ベッドの裾に腰をおろし、椅子を机がわりにして、かがみ込んで、パソコンで作業している。視線をあげると、視野の中央にベイブリッジが入ってくる。曇りの日は夜明け前の闇もどんよりしている。今日のベイは描写するだけの価値がない。意味もない。
2010-02-12 05:48:03一階おりただけで、風景が俗っぽくなった。倉庫群が目に近くなった。山積みのコンテナ。はっきり確認できないのだが、その横に、骨組だけの(ちょうどスーパーのカートのような)コンテナが積みあげられている。あれ、コンテナではなしに、パレットだろうか。骨組みだけのコンテナなんてあるだろうか。
2010-02-12 07:56:06そうですよねー、いま気がつきました。これ小説のつかみにそのまま使えますね。そうしょうかなー。 RT@yuusakukitano 一階おりると風景ががらりと変わる、なんてのは、経験しないとわからないいいツカミだなあ。
2010-02-12 09:30:40ちょっと前、高速道路にも、一般道にも、一台の車も走ってない瞬間があった。まるで黒沢清の「回路」・・・日の出前の「逢魔が刻」・・・あわててPCを立ち上げたときにはもう日常が戻っていた。起きながら夢を見てるよう。無人の交差点に点滅する信号。彼方にベイが浮かびあがる・・・
2010-02-13 05:15:24また道路に車が走り出した。もうすぐ夜明けだが・・・もしかしたら、おれは、ベイが日の出を迎えるのを見るのを無意識のうちに回避しているのではないか・・・そんな気がしてきた。どうしてなんだか、漠然と理由もわかるような気がするが、たぶん、あまり突きつめて考えないほうがいいだろう。
2010-02-13 05:34:32さあ、もうすぐ六時だ。経験からいうと、これから、あっというまに日の出になってしまう。今日こそ、朝日のなかに徐々に浮かびあがるベイを見るKとができるか?
2010-02-13 05:59:11