#往来新人 「短歌往来」今月の新人欄を読む・第九回
- hikaritoshigo
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短歌研究が話題になっていますが、それとはあまり関係ない短歌のお話を始めます。うるさかったらお気軽にフォロー解除して下さい。よろしくお願いします。
2013-08-21 12:13:55※※※
【#往来新人 第九回】吉田恭大(@tanka_daya )・千種創一(@chigusasoichi )による批評ユニット #砂上の塔 で短歌総合誌「短歌往来」の「今月の新人」欄を取り上げていきます。今回は6月号の山階基さんを取り上げます。
2013-08-21 12:14:382.さつきから二時間ドラマの容疑者が僕の名前で責められてゐる /山階基「かるがる」(短歌往来2013年6月号) #往来新人
2013-08-21 12:14:563.見えないものは存在しないといふ背[せな]に視線伸ばせばきよろきよろとせり /山階基「かるがる」(短歌往来2013年6月号) #往来新人
2013-08-21 12:15:00※※※
4首目。写真展かな。一枚のなかに建物と空が写ってる写真が壁に展示されていて、写真にお客が触れないようにするための線が床にある。と読んだ。(その足元、というのがミスリーディングだけど) 結句で「線」を特出しすることで淡い拒絶感を読み手に与える。淡いってのがポイント。#往来新人
2013-08-21 12:16:004首目、面白いですね。建物と空、の写っている写真、それが飾られているギャラリー、と入れ子式に場面がひらけていく。結句以外にも建物、壁、線って全体が真っ直ぐな直線で構成されているように見えるのが千種さんのいう「淡さ」に効果的なのだと思います。 #往来新人 .
2013-08-21 12:24:36全体的に、語彙や内容が身近なもので構成されてはいるんだけど、2の淡い不安感とか4の淡い拒絶感とかがちらちらしていて、意識的に連作に陰影を付けてる。浅野いにおとかの描く都市生活のどろどろしてない上澄みを抽出したような印象。そこには抽出という作業がある。 #往来新人 .
2013-08-21 12:26:09生活の小さな、ありがちな感じがむしろ面白く見えるのは、旧仮名の効果かなと思います。一首目の「まつしろ」二首目の「さつきから」「ゐる」とか、これが新仮名だと読者の既視感の中でフラットに読めすぎてしまう。 #往来新人 .
2013-08-21 12:34:19まず「かたことで喋る小鳥」ってのがフィクショナルな存在で、しかもそれを捕まえる、部屋に放す、窓を開ける、って段階を踏んでいる。 #往来新人
2013-08-21 12:41:56捕まえて自分の部屋に放すけど、窓を開けるってことは鳥に対して「逃げたければ逃げてもいいよ」ってスタンスなんですよね。その屈折(手に入れたい、手放したいという葛藤)は面白いかもしれないけれど、日常詠とくらべてやろうとしていることが見えすぎてしまう。 #往来新人 .
2013-08-21 12:44:42タイトルいいね。たんたんとしてるけど、かるがる。いや、たんたんだったらそのまますぎちゃうしね。そろそろ締めますか。#往来新人 .
2013-08-21 12:48:44