茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1014回「チェルシーにしか、わからないことがある」
- toshihiro36
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ちわ(1)昨日の、米軍の不正行為をウィキリークスに告発して35年の判決を軍事法廷から受けたブラドリー・マニング氏の件、もう少し補足したいと思う。ブラドリー・マニング氏が、獄中で女性ホルモンの注射を受けて、女性に転換し、「チェルシー」として生きていきたいと願っているということ。
2013-08-24 07:12:17ちわ(2)ぼくは、このニュースに、とても心を動かされた。なぜならば、チェルシーにしか、わからないことがあると感じたからだ。チェルシーとは何か。生物学的には男として生まれながら、女性であると子どもの頃から感じている人のことである。そのような人にしか、見えないことがある。
2013-08-24 07:13:27ちわ(3)チェルシーの行為は、正当なものであったと考える人がいる。私もそうである。しかし、「機密」を「敵」に流したという論理でしか考えられない軍事法廷は、チェルシーに35年の判決を出した。軍とは何か? それは、敵と味方、白と黒、上下関係を、厳密に考える組織のことである。
2013-08-24 07:15:05ちわ(4)「敵」がいなければ、戦闘行為は意味がない。かつては「共産主義者」たちが米軍にとっての「敵」だった。今なら「テロリスト」あるいは「ならず者国家」。米軍の根強い文化として、世の中を「敵」と「見方」に分けて、その中ですべてを判断する、という体質が染みついている。
2013-08-24 07:16:15ちわ(5)しかし、「敵」と「味方」というのは人間がつくったフィクションであって、もちろん世の中は実際にはそのようにはできていない。例えば、米軍にとって日本は70年前は「敵」であったが、今では「トモダチ」である。「敵」なのか、「トモダチ」なのかはっきりしないのが、軍には一番困る。
2013-08-24 07:18:13ちわ(6)世の中には、「男」と「女」がいて、ある人がどっちかということははっきりわかっている。これも、一つの「フィクション」である。実際には、「男」と「女」の間で揺れ動く人がいる。ロバート・マニング氏=チェルシーも、その一人だった。そのような人にしか、わからないことがある。
2013-08-24 07:19:22ちわ(7)ぼくは、ロバート・マニング氏が米軍の機密をもらしたとか、敵に情報を流したとか、「決めつけて」、断ずる人が苦手だ。しかし、米の軍事法廷は、そのような決めつける人たちで出来ているのだろう。そうでないと、回らない世の中があるとするならば、ぼくの感性とは違う。
2013-08-24 07:20:43ちわ(8)在日韓国人はこうだとか、韓国はこういう国だとか、ヘイトスピーチをして平気な人がいるとき、ぼくは単純に、ああ、この人は韓国とビジネスをしたり、恋人が韓国人だったり、親しい韓国人がいたり、そういうことがないんだな、と思う。そりゃあ、簡単に白黒つけられるよね。ラクだから。
2013-08-24 07:22:32ちわ(9)韓国と何ののつながりもない人が、「韓国けしからん」とか言うのって、トリヴィアル(とるに足らない)に単純だ。本当に面白いことは、ネトウヨの青年が、韓国の女性と熱烈な恋愛をした時に初めて起こる。男か女か、白か黒かの狭間に生きる、「チェルシー」にしかわからないことがある。
2013-08-24 07:24:23