【愛で】試練を与えてみました(* ´ ▿ ` )っ―*゚+。.。₀:*゚✲゚*:₀。.
- aria0rideregatt
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@deza_FSM それからも彼女と親しくなることはなく、言葉さえ交わすことはなかったが、貴方は度々彼女の姿を見つけた。心が惹かれるまま吸い寄せられるように、彼女が泣いているところ、寂しげに微笑んでいるところを見つけた。想い募る中、彼女が懐妊した。産まれたのは男女の双子であった。
2013-08-29 23:25:08@deza_FSM 跡継ぎを産めぬことで精神が参っていた彼女は男児のみをひたすらに可愛がった。そして貴方はある日のように庭で目撃する。彼女とよく似た幼い少女が、花の影に隠れるように泣き濡れる姿を。あの日と違ったのは、貴方が少女へと近づき、その涙をそっと拭ったことだ。
2013-08-29 23:25:20@deza_FSM それから時が過ぎ男児が成長すると、正妻と貴方の関係はますます緊張するものになった。それでも貴方は彼女を忘れられなかったが、同時にその娘である少女との距離は近過ぎるほどに近くなってしまった。
2013-08-29 23:25:33@deza_FSM 従者たちも巻き込んで苛烈化する跡継ぎの争いの中、貴方を慕う異母妹、その関係性を疑う異母弟。そして今だ貴方の記憶の奥底に根を張る正妻の泣き顔。そんな時、最悪のタイミングで父が急性した――。
2013-08-29 23:25:41@fooko1204【異端の枷】
@fooko1204 貴方は生まれ持って特殊な身体をしていた故に、世間から隠すようにして育てられた異端児。心と身体、感情と思考、すべてがバラバラに貴方を苛む。そんな貴方が心を許したのは村を挙げての大祭の日、誰もいない屋敷に現れた一人の少女でした。
2013-08-29 23:48:18@fooko1204 彼女は座敷牢の前に立ち、まるで何も知らないかのように無邪気な微笑みで貴方に語りかけた。彼女が語る外の世界は貴方の世界に色を与えた。まるで見たこともない景色が瞼の裏に浮かぶ。
2013-08-29 23:48:38@fooko1204 薄暗い座敷牢が彼女の語る間だけはどこまでも広がる世界を創り、幾日もの時と思い出と共有したかのように感じた。祭り囃子の音が薄れ、夜の暗闇が全てを包み込み、人々が日常へと戻り始めると同時に彼女は貴方に別れを告げる。縋る貴方に彼女は小指をたてて笑った。
2013-08-29 23:48:52@fooko1204 「また会いましょう、生まれ持った枷が外れたら」偶然見えた彼女の首筋から、着物の内へと入るように不可思議な模様が見えた。その赤色が貴方の目に焼き付いた。大祭を終えて数日、何故かまた人々が騒がしい。また祭りだろうか、祭りの夜であれば、また彼女に会えるかもしれない
2013-08-29 23:49:09@fooko1204 貴方は少しだけ希望を抱いて微笑んだ。どこかそぞろに浮き立つ人々の隙をみた貴方は、産まれて初めて、その座敷牢を抜け出した。家の中はもぬけの殻だ。誰もいない。そっと外を覗くと、そこには神輿に担ぎ上げられた彼女がいた。
2013-08-29 23:49:31@fooko1204 真っ白な着物に身を包んだ彼女は、まるで貴方の声が聞こえたかのように、すっとその瞼を上げてこちらを見つめた。微笑む彼女は美しい。しかし貴方の耳に届いたのは、今宵彼女がその身を神に捧げ、水流の中へと消えるという事実だった。
2013-08-29 23:49:38hsr_ds【かなしぶ人】
@hsr_ds 貴方は愛する者を失った。叫んでも泣いても彼女はどこにもいない。最後に交わした言葉が頭に浮かぶ。諦めきれぬ貴方は禁忌に手を伸ばした。生者が踏み込むべきではない領域へと足を踏み入れた貴方。そこにいたのは儚げな風貌の美しい乙女だった。しかし貴方が求める人は彼女ではない。
2013-08-30 00:04:10@hsr_ds 想いのままに彼女に詰め寄ると、貴方は最愛の人を取り戻すべく問いただした。彼女は首を振る。無駄足だった、そう悟った貴方であったが、それでももう、この他に道を見つけられない。生と死の境を彷徨う貴方。自分の生命が削れていくのを感じる。
2013-08-30 00:04:28@hsr_ds いつの間にか遣りきれぬ想いを乙女に吐き出す内に、その清廉な魂に切ない心を溶かされるように癒されるのを感じた。けれど頭に思い浮かぶのは最後に交わした愛する人の言葉と、貴方を見つめるその表情、その瞳の色――。けれど彼女はもう、貴方の腕の中には戻ってこないのかもしれない
2013-08-30 00:04:33@hsr_ds そう考えつつ此岸へと戻った貴方は、何という運命の悪戯か、あと僅かな生命を揺らめかせながら眠る彼女を見つけた。見つけてしまった。 彼女を救いたい、急激に込み上げる感情と、脳裏を過る岸辺の乙女。貴方はどうすれば彼女を救えるか知っている。もちろん、その為に必要な犠牲も。
2013-08-30 00:04:41day_of_aigis【守り人】
@day_of_aigis 貴方は自らを厳しく律することで今まで自分を保ってきた。護るべき者を守り、意思を貫くことが自分の生を満足のいくものにすると信じていた。その凛とした生き様は多くの人を惹き付けたが、同時にそれは貴方自身を知らず知らずの内に追い込んでいくものでもあった。
2013-08-30 00:49:00