【愛で】試練を与えてみました(* ´ ▿ ` )っ―*゚+。.。₀:*゚✲゚*:₀。.
- aria0rideregatt
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@day_of_aigis 強く、堅く生きる程に貴方は弱くなった。少しでも隙を見せれば己が崩れる恐怖を見てみぬふりをし続けた。そんな貴方の手をそっと優しく包み込むぬくもり、その小さな手こそ貴方が護ると誓ったものだ。彼女は貴方に優しく告げる。
2013-08-30 00:49:20@day_of_aigis 貴方がそう望んでくれたように、私も貴方の心にあたたかな雫を齎すものでありたい。貴方が弱さを疎まずたおやかに、その心を潰さずに済むように。貴方のいる未来を望みますと告げる彼女に、貴方は痛みを訴える喉であたたかいものを呑み込んだ。
2013-08-30 00:49:39@day_of_aigis 彼女のおかげで少しだけ和らいだ貴方の心に春風が触れる。貴方の隣に立つその人は弱さ哀しみを分かち合い喜びをくれた。貴方の頬にやわらかな笑みが浮かんだそんな日々に訪れた知らせ。貴方の大切な少女の灯火が消えかけている。
2013-08-30 00:49:48@day_of_aigis 飛び出したい気持ちの貴方を押しとどめるのは小指に光る銀の指輪だ。揺らぐ貴方を送り出す彼だが、走り出した貴方に後方から聞きたくない音が響いた。先に進んでも戻っても、どちらも間に合う保証などない。
2013-08-30 00:49:55※小指ではなく薬指でした
@512nor【白い庭】
@512nor 貴方は真っ白な庭を見つめている。そこに咲く花は葉も茎も根でさえも雪のように白い。貴方が座るその椅子も、窓枠も、この小さな世界を形作る屋敷も全てが時を止めたように白い。貴方のその心臓はトクトクと小さくも音を立てて、愛する者を待っている。
2013-08-30 01:03:41@512nor 何年も何年も、何度も何度も待ち続けている。だが貴方から会いに行くことは叶わない。この屋敷から一歩でも踏み出せば、貴方の小さな心臓は溶け崩れて、真っ白な肌が包む肉体は砂のように崩れさるだろうことを、貴方は知っている。
2013-08-30 01:03:54@512nor 貴方の目は、何処にいても何度死んでそして生まれ変わっても、愛するその人を見失うことはない。けれど彼には貴方は見えず、思い出すこともあれば思いださぬまま逝くこともある。けれど彼の魂はずっと泣いている。貴方を探して泣いている声が聞こえる。
2013-08-30 01:04:07@512nor 彼は貴方に会うまではずっとその苦しみを忘れずに泣き叫びながら輪廻を繰り返すしかない。彼を解放する為に全て捧げるか?けれど彼の魂は貴方を失いたくないと叫んでいる。そして貴方も彼を失いたくないと強く願っている。
2013-08-30 01:04:15@psyka_dz【彼女の物語】
@psyka_dz 貴方は愛する人の物語を綴っている。その人の声、表情、些細な癖や、気持ちの揺らぎ。何ひとつ見落としたくないというように、その文章の内容は細事にわたる。筆を持つ手が震えるが、瞼を閉じて知らぬふりをする。涙は出ないが呼吸は詰まる。
2013-08-30 01:32:08@psyka_dz 傍らの手ぬぐいが赤く染まっているが、最早気になる光景ではない。塵と共に捨てられた血の量を考えても意味がないと知っている。無邪気に笑う彼女の物語は毎日新しく始まる。その長さは年々短くなっていって、今ではまるで短編集のようだ。
2013-08-30 01:32:41@psyka_dz かつて書いた物語で彼女が望んだことを、叶えるべきなのかもうずっと悩んでいる。答えは出ないままに、貴方が笑う回数は減り、部屋に響くのは重い咳の音だけ。彼女はたまに思いだしたかのように願いを告げる。それは決まって同じ言葉だと知っている。
2013-08-30 01:32:53@psyka_dz けれど瞬きをして眠りにつけば、また物語は最初から。徐々に重ならなくなっていく生を実感しながら、それでも貴方は彼女に恋をし続ける。まだいけるのか、限界なのか。彼女の願いは変わらないままなのか。
2013-08-30 01:33:18@mitsu_d【日没】
@mitsu_d 貴方が望んだのは大切な人とのささやかな幸せ。貴方が心を捧げるのは皆に傅かれる人だ。誰もがその身と剣を捧げることに誇りを覚える相手。貴方も彼等と同じ気持ちだった。けれどほんの一瞬の出来事がそれを変えてしまった。多くの騎士と共に跪く貴方。その顔を上げた一瞬のことだ。
2013-08-30 02:43:17@mitsu_d 貴方とその人の視線が交わり、美しい瞳が寂しげな夕焼けの色をきらめかせて揺れた。誰も気づかない程の短い時間でも、確かに交差した瞳が、貴方の心に熱を灯した。
2013-08-30 02:43:30@mitsu_d 清廉で憂いを帯びた表情のその人を誰もが救世主のように崇めていたけれど、その瞬間から貴方の中でその人は徒人となってしまった。燻る想いを胸に秘めたまま過ごした貴方は、やがて他の騎士よりも近い場所で過ごす権利を得た。
2013-08-30 02:43:42@mitsu_d まるであの時の事などなかったかのように振る舞うその人に胸が痛む。しかしあるアクシデントで護る為に抱き寄せた身体は小さく震え、見開いた目はあの時と同じ色をしていた。貴方たちはお互いの手を伸ばしてしまった。手を握るだけで良い、その人は誰のものにもなれない。
2013-08-30 02:43:51