アステルパーム氏による東方考察合同誌2査読まとめ

アステルパーム氏(@asuteru100)さんによる 東方考察合同誌 vol.2の査読をまとめたものです。 ※査読とは、研究者仲間や同分野の専門家による評価や検証のことである。(wikipediaより) 実際の理系論文の査読と対等な条件で査読を行うことを意識していますので、 続きを読む
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asuteru @asuteru100

しかし,著者はせっかく「アレロケミカル」という用語を定義したにもかかわらず,以降もフェロモンという言葉を繰返し使用している.是非アレロケミカルとフェロモンを区別して議論をおこなって欲しかった.

2013-08-29 21:52:55
asuteru @asuteru100

以上前半部の気になったところを述べた.様々な指摘を行ったものの,自分はこの前半部を非常に高く評価している.なぜなら,この文章は化学生態学における非常に有用な概説だからである.概説を書くのは大抵大先生と相場が決まっているが,これは概説を書くために,多くの知識と判断力が必要だからだ.

2013-08-29 21:55:27
asuteru @asuteru100

p184 右l6-13 情報科学物質データベースとリグルの関係について. 著者はこの関係の理解について,意識ー選択ー物質の結びつきとと意識ー物質の結びつきの2つに分けて考察している.

2013-08-29 21:58:44
asuteru @asuteru100

しかし私見ではこの整理は,人間が腕を動かすときにミオシンとアクチンを意識しながら動かしているか?という観点から,あまり意味が無いと感じた.それよりも,非常にデリケートな合成が必要であろう,情報化学物質の合成を考えると,リグルは何種類の物質が合成できるかのほうが気になる.

2013-08-29 22:02:12
asuteru @asuteru100

リグルが多種多様な昆虫に影響をおよぼすと仮定した場合,必要な情報化学物質の種類は膨大になる.これをどのようにコントロールするのか,また運用の工夫で種類を減らしているのか,などはパターンを考えるだけでも面白そうだ.

2013-08-29 22:04:12
asuteru @asuteru100

p185 左l3「一種の皮肉」 リグルが殺虫剤としての機能を秘めているのは同意だが,同時にこの能力は人間と昆虫の住み分け,共生を考える上でも重要である.もしリグルが柔軟な運用をできるなら,無理に殺すよりもうまく住み分けたほうが双方に利益が大きいだろう.

2013-08-29 22:06:11
asuteru @asuteru100

p185 左l11 「IEEE MEMS」 少し補足すると,MEMSとは「Micro Electro Mechanical System」の略で,ここで示されているのはおそらく IEEE international conference on MEMSのことである.

2013-08-29 22:08:14
asuteru @asuteru100

無線誘導的観点について 著者は無線誘導的観点について考察を行っているが,この点については考察にキレを感じない.確かにHi-MEMSは今流行のテーマであるため取り上げる価値はあるが,リグルがこの手法を使用していると考えるに足る状況証拠があまり提示されていない.

2013-08-29 22:10:09
asuteru @asuteru100

仮にこの論文の情報からだけ考えると,リグルは幼虫のうちから虫に何かを埋め込んでいることになる.……このような描写は自分はまだ聞いたことがない.

2013-08-29 22:11:58
asuteru @asuteru100

集団運用モデルについて 集団運用モデルを2つ提示し,その混合について検討を行っているが,この部分はよく納得した.おそらく1対1対応では個々の習性を利用して細かく動かせるが,集団ではネットワークの持つ方向性に反することはできないといったところだろうか.

2013-08-29 22:14:35
asuteru @asuteru100

これはこのモデルだけではなく,人里の集団モデルや妖精の集団モデルを考えるときにも,基本となる考え方だろう.

2013-08-29 22:15:17
asuteru @asuteru100

p187左l29 「彼女は蟲のリーダー~極めて興味深い」 最初の指摘ににも書いたが,これは行動研究,機能研究の観点から考察したため,リグルの行動がそのように見えるのであって,同じ方向を向いているかどうかはもっと慎重に検討する必要があるだろう.

2013-08-29 22:17:20
asuteru @asuteru100

確かにリグルの能力の限定的な再現は本論文に述べた手法の発展によって可能であるように思えるが,同時に全く異なる手法でも行えるかもしれない.(なにせ幻想郷には魔法がある!)収斂進化の罠に引っかからないように慎重に検討する必要があるだろう.

2013-08-29 22:20:15
asuteru @asuteru100

後半部のまとめ 前半部を受けて非常にベーシックで意味のある論が展開された.特に重要なのはリグルの限定的な再現を,これまで述べた手法によって行うことができる可能性を示したところだろう.

2013-08-29 22:25:24
asuteru @asuteru100

【訂正】以上の結果から,アステルパームは[書式]6[構成]7[新規性]3[統合性]10[インパクト]7の33点と判定する.

2013-08-29 22:29:52
asuteru @asuteru100

以上,Dieさんの査読風考察をお送りしました#東方考察合同2

2013-08-29 22:30:45

1.1.質疑応答、及び雑談

asuteru @asuteru100

これから毎晩感想を流していく予定なので,最初から査読風感想流してもOKの人はその旨予めリプライしてくれていただけると助かります.#東方考察合同2

2013-08-29 22:32:09
Die @die3035

@asuteru100 どうもですー。これは私自身の考察スタイルによるものなのですが、思考の足跡を明確にしておきたいという意識と、サーベイの部分から他の人の考察が生まれないかな?という希望、後は単純に自分自身の分野への理解を高めるための纏め、による所が大きいですねぇ

2013-08-29 22:52:17
Die @die3035

@asuteru100 なんでまあ、時間はかかりますが、間違いなく自分の糧になるため楽しんで作ってます。後、新規性に関しては、既存の情報を検証して自分なりの糸口を探す所から考察を始める人間なので、今回は勘弁してくださいまし……

2013-08-29 22:54:16
Die @die3035

@asuteru100 後、点数式は私はこれを論文を書く練習として考えている部分も多いので非常に有り難いのですが、人によっては結構拒否感を示す可能性が高そうな気がするので、慎重になったほうが良さそうかと……

2013-08-29 23:04:15
Die @die3035

@asuteru100 いえいえ、こちらこそ色々と詳しい評価を頂きありがとうございます。お疲れ様でした。こういった評価方法は、考察文の読み方の提示や、考察の自己チェックに非常に有用なフォーマットになると思いますので、これからもよろしくお願いします

2013-08-30 00:54:59
asuteru @asuteru100

@die3035 ありがとうございます.Dieさんのご好意に甘えて細かいことまで言及してしまいましたが,自分はDieさんのサーベイ+東方の論文タイプを非常に尊敬しています.これは相当に時間とリソースを投下しないとできないスタイルですよね.

2013-08-29 22:46:07
asuteru @asuteru100

@die3035 実は自分も点数をつけながらこれはなんか違うなと。 本物の査読でも点数つけるところとチェックリストのgood or badだけのところがあるので、悩みました。簡便なフォーマットがあれば皆さん似たようなことをしてくれるかなという期待もあったり。

2013-08-30 00:21:19
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