紅の豚からみる水上機の飛行特性

個人的に興味深かったので纏め
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ねこがいました @nekoga_imashita

考えてみれば艦これのおかげでさっきの豪華客船は艦載機搭載能力を持ってるけど飛行甲板持ってないので空母じゃないですよ。ちとちよみたいな水上母艦に近いですという風に説明がしやすくなったわけか

2013-09-06 22:00:25
ねこがいました @nekoga_imashita

カーチスが乗ってるのは水上機というやつですな。飛行甲板がない船に積んでも運用が出来る飛行機ですいわゆる「フロート」の付いた飛行機です

2013-09-06 22:01:59
ねこがいました @nekoga_imashita

時雨沢さんのツイートにもありますが、エンジン回転数・プロペラ回転数・機銃発射速度は基本的に同調して自損しないようになってます。ここがエンジニアリングの腕の見せ所なわけです

2013-09-06 22:03:47
ねこがいました @nekoga_imashita

メカニックの爺ちゃんの言っている「最近は札束が紙くずほどの値打ちしか無い」っていうのはドイツマルクがヴェルサイユ条約の賠償金で乱発されてハイパーインフレを起こしたことを指してるんでしょうなー

2013-09-06 22:08:12
ねこがいました @nekoga_imashita

水上機というのは艤装にフロートを持ってる飛行機なわけですが、考えるまでもなくというか見て分かる通り、空力特性的にはフロートは邪魔ですし、機体重量増加の要因にもなります。

2013-09-06 22:13:45
ねこがいました @nekoga_imashita

作劇的な見栄えやそもそもの題材という点はありますが、それを別としてマルコやカーチス達がなんで陸上機(いわゆるフツーの飛行機)ではなく水上機に乗るかというのは実は結構歴史的にちゃんとした背景があります

2013-09-06 22:14:47
ねこがいました @nekoga_imashita

飛行機の技術は第一次世界大戦前にやっと生まれ、一次大戦で大きな可能性を見せ、二次大戦との間に大きく飛躍し、二次大戦で洗練され、戦後さらに成長した技術です。で、紅の豚で書かれているのはその一次大戦と二次大戦の間。飛行機技術は大きく進展していますが、まだまだ発展途上の技術です

2013-09-06 22:17:13
ねこがいました @nekoga_imashita

この時代は機体の空力特性やそこから得られる揚力効果を得る最適解というのがまだまだ手探りで研究者や技術者達が試行錯誤していた頃です

2013-09-06 22:18:24
ねこがいました @nekoga_imashita

さて、では飛行機が飛ぶ原理のお話です。NASAだかスカンクワークスだか忘れましたが、航空技術(そして宇宙技術)には「エンジン出力さえあればスニーカーだって飛ばせる」という金言があります

2013-09-06 22:20:19
めがざら @Megazarak

@chocolat_shop 実際、F-16ってエンジン出力とコンピュータ制御で無理やり飛んでるんだよね。航空力学的には絶対に飛ばない

2013-09-06 22:22:50
ねこがいました @nekoga_imashita

機体重量とエンジン出力の比率のことを推力比というわけですが、揚力を得る技術が未成熟だった時代この推力比を向上させるのは二つしかありません。単純に機体を軽くするか、エンジンの出力を上げるかです。

2013-09-06 22:22:50
ねこがいました @nekoga_imashita

機体を軽くしてエンジンの出力を上げられれば理想なわけですが、当然そう簡単には行きません。50ccの原チャリと750ccのバイクを考えればわかりますが、エンジン出力が大きいということはエンジンが大きくて重いというわけです。

2013-09-06 22:24:36
ねこがいました @nekoga_imashita

つまり、エンジンの出力を上げれば機体は重くなりますし、機体を軽くするためにはエンジンの出力の小さいものを積む必要が出てきます

2013-09-06 22:25:16
ねこがいました @nekoga_imashita

さて、今から飛行シーンですが

2013-09-06 22:25:27
ねこがいました @nekoga_imashita

飛行機が飛ぶには離陸するのに必要十分な速度が必要です。離陸速度というやつですね、この離陸速度というのは飛行機の形状、重量によっても異なってきますが、飛行機が飛行機である以上これはクリアする必要があります。助走であるところの滑走を経て離陸速度に到達しないといけない

2013-09-06 22:28:48
ねこがいました @nekoga_imashita

さて、飛行場(あるいは空母)を思い浮かべて下さい。離着陸に使う滑走路がありますね? 飛行機はこの滑走路の滑走距離内で離陸速度に達する必要があるわけです。得られる滑走距離、つまり飛行場の大きさが決まれば陸上機の滑走距離の上限は自ずとその範囲内に決まるわけです

2013-09-06 22:31:02
ねこがいました @nekoga_imashita

まだエンジン技術や材料工学が未熟だった時代において、陸上機の機体重量とエンジン出力のバランスはこの滑走距離をクリアして、戦闘機であればその余剰重量として可能な範囲で武装を積むことになるわけです

2013-09-06 22:32:12
ねこがいました @nekoga_imashita

さて、それではフロートを持ち、空力的には不利な形状で重量も重い水上機はどうであったか?

2013-09-06 22:33:02
ねこがいました @nekoga_imashita

ここに技術の未熟な点を力技で解決できる要素が存在します。そろそろわかった方も多いかと思いますが「滑走距離」です

2013-09-06 22:33:41
ねこがいました @nekoga_imashita

水上機は海面や湖面といった人工の滑走路などとは比べ物にならない広さを持ちます。海上を滑走路とした場合、事実上滑走距離は無制限と成るわけです

2013-09-06 22:35:27
ねこがいました @nekoga_imashita

重いものは初速を得るのに必要な出力も距離も大きくなるわけですが、この頃の技術においてフロートがもたらす空力と重量のデメリットはフロートがもたらす滑走距離のメリットが上回っていたというわけです

2013-09-06 22:36:53
ねこがいました @nekoga_imashita

実際、大戦前夜まで飛行機で最も速いのは陸上機ではなく水上機だった時代が(短いですが)確かに存在します

2013-09-06 22:38:01
ねこがいました @nekoga_imashita

まあ、それはフラップの実用化などでより高い揚力が得られるようになると陸上機のほうが理にかなった空力形状のために上回っていくわけですが。まあ、浪漫の時代ですな。高速水上機

2013-09-06 22:40:24
ねこがいました @nekoga_imashita

.@Megazarak 航空力学的にちゃんと飛ぶよ―。飛行特性がマイナスだから絶えずコンピューター制御で失速して揚力を失わないようにしつつ、エンジン出力で負の分を補う必要があるだけでー

2013-09-06 22:42:25
めがざら @Megazarak

@chocolat_shop あ、一応飛ぶことは飛ぶんだ?旋回性能に特化しまくった結果、エンジンパワーで無理やり飛んでるんだと思ってた

2013-09-06 22:45:12