哲学するヤギがシュレディンガーの猫に物申す

ヤギ「こんにちは猫です」
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ポケモンやれbot @carbon_bot

シュレーディンガーの猫と多世界解釈の話

2013-09-13 22:47:36
ポケモンやれbot @carbon_bot

昨日は量子力学の話を2重スリット実験の結果を用いてしましたが、若干尻切れとんぼになっているので、まずそこの補足をします。

2013-09-13 22:49:16
ポケモンやれbot @carbon_bot

昨日の話では電子は観測される前は波動で観測された後に粒子に変わるという話をしました。そのとき2つのスリットを通り抜けるときに「何か」が干渉しなければスクリーンに干渉縞は現れない。という話もしました。

2013-09-13 22:51:14
ポケモンやれbot @carbon_bot

便宜上片方のスリットをスリットA、もう片方のスリットをスリットBとします。電子を単に粒子であると捉えた場合はスリットAもしくはBのどちらか一方しか通りません。しかし、前述の通り両方のスリットを「何か」が通過しなければ干渉は生じません。

2013-09-13 22:53:13
ポケモンやれbot @carbon_bot

そこで、コペンハーゲン解釈では「スリットAを電子が通る可能性」と「スリットBを電子が通る可能性」が相互に干渉して干渉縞が現れたと考えることにしたのです。そして物理的に存在するものでないと物理現象である干渉は生じないので両方の可能性が「実際に存在する」として解釈することにしました。

2013-09-13 22:55:47
ポケモンやれbot @carbon_bot

観測されない以上はどちらも可能性のままなので、「スリットAを通る可能性を持った電子」と「スリットBを通る可能性を持った電子」が"同時に存在している"と解釈することで干渉縞の登場を説明付けることにしたのです。

2013-09-13 22:58:54
切り取り線 @kiri_tori

✄------------ PM 11:00 -----------✄

2013-09-13 23:00:00
ポケモンやれbot @carbon_bot

この『「Aという状態」と「Bという状態」が同時に可能性としてそこに存在する』という考え方はなんだか言葉遊びのようなむず痒さがありますが、コペンハーゲン解釈の中でも非常に重要な考え方になるので頭の片隅に置いておいてください。

2013-09-13 23:01:00
ポケモンやれbot @carbon_bot

さて、昨日の話で電子が持つ波動性とは確率分布の形状のことという話をしました。ここで電子の分布の確率を表す関数のことを"波動関数"と呼ぶことにします。さて、本来干渉縞の分布(波動関数)はsinc関数のような形になるはずですが、単純化して正弦波の形の波動関数を考えてみましょう。

2013-09-13 23:04:27
ポケモンやれbot @carbon_bot

※良く分からない人は「正弦波」でググってみてください。一般的に波と呼ばれる形の波形がズラズラ出てくるはずです

2013-09-13 23:05:22
ポケモンやれbot @carbon_bot

正弦波の縦軸の振幅が電子が現れる確率、横軸が電子が現れる位置として考えて議論します。振幅が一番大きいところの横軸の位置に最も電子が現れやすく、振幅が小さくなるに連れてその位置の電子は現れにくくなり、振幅が最も小さいところは最も電子が現れにくいということになります。

2013-09-13 23:10:40
ポケモンやれbot @carbon_bot

さてこの波動関数は「電子がどこに存在するかの確率分布の波」です。そして電子が観測された瞬間に電子の位置はただ1つに決定します。つまり、グラフ上は電子が確認された位置の確率が最も高く、それ以外の位置での確率は全て0になるということです。

2013-09-13 23:13:22
ポケモンやれbot @carbon_bot

これにより様々な位置に分布していた確率が観測した途端にただ1つの点に収束するので、「波動関数が収束した」という言い方をします。

2013-09-13 23:16:01
ポケモンやれbot @carbon_bot

要するに「電子がどこに存在するかなんて確率的にしか分かんないよー」と言っていた波動関数が、電子の位置を観測して決定することで「電子はこの位置で見つかったんだからここ以外で見つかるわけがないじゃん」ということでたった1つの点になってしまうということです。

2013-09-13 23:16:41
ポケモンやれbot @carbon_bot

さあここで「電子はスリットAを通る可能性とスリットBを通る可能性の2つの状態を同時に持つ」というワケの分からない話に加えて、「観測した途端に波動関数は収束し、電子は可能性という波状態から粒子に変身する」という観測者優位的な発想まで出てきました。

2013-09-13 23:20:41
ポケモンやれbot @carbon_bot

ではこの解釈発表当時に誰もがこの言い分を「はいそーですか」と呑んだのかと言うと当然そんなことは無く、この解釈に対する批判を行うために生まれた思考実験がかの有名な「シュレーディンガーの猫」です。

2013-09-13 23:22:08
ポケモンやれbot @carbon_bot

シュレーディンガーはコペンハーゲン解釈に基づく計算を行うシュレーディンガー方程式を考案した人物でもありますが、なによりこの「状態Aと状態Bが物理的に同時に存在する」という解釈に不満を持っており、この解釈が間違っているということを示すべく次のような思考実験を行いました。

2013-09-13 23:25:27
ポケモンやれbot @carbon_bot

それは「箱の中に猫を1匹入れて、その他にラジウムとアルファ粒子センサ、毒ガス噴出装置を入れる。ラジウムがアルファ粒子を発するとセンサがそれをキャッチし、毒ガスが吹き出る装置を考える」というものでした。

2013-09-13 23:27:59
ポケモンやれbot @carbon_bot

猫の生死はラジウムからアルファ線が出たかどうかによって決まり、アルファ線が放出される確率が50%。観測者が観測するまであらゆる可能性が同時に存在するという解釈を受け入れるならば、箱の中を観測するまで箱の中には「生きている猫と死んでいる猫が同時に存在する」という奇妙な状況になります

2013-09-13 23:31:35
ポケモンやれbot @carbon_bot

このアルファ線云々の部分を、昨日の電子のスリット問題に置き換えると理解しやすくなるかと思います。スリットAを電子が通った場合は猫は死に、スリットBを電子が通った場合には猫は助かる。という装置に置き換えても同じことが言えます。

2013-09-13 23:33:25
ポケモンやれbot @carbon_bot

この実験は、「電子がどちらのスリットを通ったか?」という微視的で観測が難しい事象を「猫が生きているか死んでいるか?」という観測しやすく日常の感覚にも沿う次元まで引き上げることを狙っており、それによって常識と照らし合わせたときに奇妙さを感じることになります。

2013-09-13 23:37:21
ポケモンやれbot @carbon_bot

さて、「観測」すると電子は粒子となり、位置が決定されるということは今日の冒頭に述べた通りですが、「それじゃあ最初に電子の状態を観測するのは観測者じゃなくてセンサじゃないか」という疑問が生まれます。

2013-09-13 23:42:24
ポケモンやれbot @carbon_bot

センサの時点で電子が観測されて位置が決定するなら、その時点で猫の生死は決まっていて「観測者が観測するまで生きている猫と死んでいる猫が同時に存在する」なんて不思議空間は生まれないと考えることも出来ます。なんだ解決じゃないか。ということも出来ない理由が次にあります。

2013-09-13 23:45:37
ポケモンやれbot @carbon_bot

電子は非常に小さい物質です。さらに、センサも非常に小さな物質の集合体に他なりません。センサが電子を観測するということは「微小な物質間に力の相互作用が働いただけ」に過ぎないのです。

2013-09-13 23:49:14