ツイリレー小説(本編)

かりばぁ🐬 @KRiver1

001 #ツイリレー小説 夢を見ていた。 漂う泡沫のような、淡い夢。 霞がかった頭は枕にふんわりと包まれて、私の手足はまた、柔らかな布団にゆっくりと沈んでいく。 それに抗おうと、私は右腕を持ち上げてカーテンを開けた。朝の香りが窓から差し込んで、部屋いっぱいに広がる。

あいこんのひと @yyamamt_drawing

002 #ツイリレー小説 いつもと何も変わらない窓の景色。いつもと何も変わらない太陽と空の青さ。いつもと何も変わらない日常。私は背伸びをして、目をこすりながら布団を出ようとする。　…ダメだ。布団の暖かさには負けてしまう。今日も、いつもと変わらない、寝坊でギリギリの生活が始まる。

ねひつじ @nehitsuzzi

003 #ツイリレー小説 私は眠い目をこすりながら姉の作り置きの朝飯をかきこみ、いつもと変わらないように服を着替えて、顔を洗って、家を飛び出す。いつもと変わらないはずなのに、何なのだろう、この違和感は。

耶麻飢@愚昧 @ymk_xxxxinlab

004 #ツイリレー小説 　いやいや、と私はかぶりを振る。「言いようのない違和感を感じる」だと？　まるで小説か何かの主人公のようじゃないか、馬鹿馬鹿しい。今まで生きてきたこの19年間、ずっと私は脇役だったというのに。 　自嘲して違和感を閉め出し、私は駅までの道を急ぐ。

みこちそ @mikotisoZ

005 #ツイリレー小説 大学までは徒歩10分。なんと都合のいい距離だろう。近い。それ故出会いがない。これは言い訳か。あぁまた僕はぼっちだ。そんな事を考え、ツイッターを開いて皆に朝の挨拶をする。画面に噛り付いていた。刹那、クラクション。顔を上げると赤信号。衝撃。何故か地面が遠い…

ぽぽやまぽっく@跡地 @ysm111

006 #ツイリレー小説 いつものように駅までの道を急いでいると、近くで衝撃音が聞こえた。 急いで音のした方に向かうと、そこには一人の少女がいた。通学カバンを持っているところを見ると、彼女も通学途中なのだろうか。しかし、彼女の着ている制服は見たことがないものであった。

あきねん @_TWIBEAR

007 #ツイリレー小説 私は大丈夫ですか、と声をかけた。しかし少女は 「あ･･･。」 と声を漏らしてそれきりだった。何かを言いたげだったが、顔を赤らめてたじろいでいるだけであった。 幸いにして怪我はないようだったが、彼女が何も言わないので一緒に病院へ向かうことにした。

ོ @dropkaname

008 #ツイリレー小説 病院へ行くまでの間、少女はひたすら無言だった。彼女の斜め後ろを歩きながら私は改めて彼女を眺めていたのだが、終始スマートフォンをいじっているのだった。そんな事だから事故に遭うのだと少し呆れながら病院への道を急いだ。時計の針は授業開始時刻を少し回っていた。

ブルゾンつかさ@ストゼロ姉貴 @Kimwipes_001

009 #ツイリレー小説 突然彼女がしゃがみ込んだ。事故の衝撃で何処かを強く打ったのだろうか。彼女が動けなくなっていたので、タクシーを呼び止め、後部座席に乗せた。病院迄の道中、彼女がずっと左手に握っていたスマートフォンには何かの数列と文字が書かれて居た。一体これは何なのだろうか

紗那 @rare_shana

010 #ツイリレー小説 タクシーが病院に着いた。ワンメーター分550円を小銭で丁度払って、タクシーの運転手さんにも手伝ってもらい、まだ具合の悪そうな彼女を受付まで運んだ。思ったよりも重い、そんな失礼なことを思いつつ彼女に目を向ける。スマートフォンは、それでも彼女の手中にあった。

かりばぁ🐬 @KRiver1

011 #ツイリレー小説 "Successfully reloaded : 13/9/11 13:00(6 days ago)" 画面の表示を見て、僕は胸を撫で下ろす。 まさか交通事故に遭ってしまうとは……。助けてくれたお兄さんが、僕の特質に気付いてなければいいんだけど。

あいこんのひと @yyamamt_drawing

012 #ツイリレー小説 回りを見渡せば、そこは自分の部屋。時計は13時を少し過ぎたばかり。"私"は昼ごはんのそうめんを食べたばかりだ。置いてあった画面の消えているスマートフォンをポケットに仕舞って、外へと出る。 "Mode change, for pretty girl."

ねひつじ @nehitsuzzi

013 #ツイリレー小説 では授業を始めます。ページは...　そりゃそうか。僕は学校にいた。時計を見れば、1時を少し回ったくらいで。1回聞いたのに、なんて思いながら、退屈。隠れてツイッターを開く。バックアップもっと頻繁にとればよかったなんて、つぶやこうかなと思ったけど自重しよう。

耶麻飢@愚昧 @ymk_xxxxinlab

014 #ツイリレー小説 こんな風に僕は何度も遡行してきた。きっと'誰も'それに気付かない。目立った行動を取ったり、注目されるような事があれば、修正してしまえばいい。そうすれば……誰にも気付かれない。誰にも傷つけられない。 僕は僕を守るために、主人公にならないと決めたのだ。

みこちそ @mikotisoZ

015 #ツイリレー小説 病院に到着後、診察前に僕は6日前に遡行した。あぁ、またあの大学まで入試要項を取りに行かなければ。高校が電車で1時間半程なので近くは感じるが面倒だ。あの道は絶対二度と通らない。もう恥かしい思いはしたくない。また胸が締め付けられるあの発作が起きてしまう…

ぽぽやまぽっく@跡地 @ysm111

016 #ツイリレー小説 私は少女を病院の受付まで運んだ後、大学の午前の講義を受け、自宅で昼食をとった。 そして、これから私は、もうひとつの所属団体―研究所―での仕事に従事しなければならない。それが、この世界で普通の人間として生活するために、私に課せられた条件......

あきねん @_TWIBEAR

017 #ツイリレー小説 私が研究所に向かっていると突如、姉から電話がかかってきた。 研究所が空間の歪みを観測したということだった。この世界にも私と同じ人間がいたというのか。 発生源は近くの高校だと聞き、私はその高校へと足を向けた。

ོ @dropkaname

018 #ツイリレー小説 その後6日間、僕は前に過ごした6日間と同様に目立たずに過ごした。少し迷ったが、最後の日の朝の事故だけは遭わないように気をつけた。しかしその日の午後1時過ぎ、強烈な頭痛に襲われた。時間が戻る感覚。次の瞬間、僕はかつて僕を轢いた車の前でしゃがみこんでいた。