ハードSF読書会 選択肢リレー小説「星の歌、クジラの歌」(第二弾)
#improSF 前回好評であった、「選択肢リレーSF」第二弾を24時から開始します。オン・ツイッター。 ハードSF読書会 選択肢リレー小説 「吾輩はネコであった。」 - Togetterまとめ togetter.com/li/1042483 @togetter_jpさんから
2016-11-26 23:43:50遠く1000光年離れた星で起きたことが、今この地球に影響するということは本来ありえないはずである。なぜなら「原因の結果が光より早く伝播することはない」という相対論に反するからである。しかし今、自分はおおぐま座にある銀河、M82に存在するとある星にて #improSF
2016-11-27 00:04:17なぜか海の中にいた。不思議と呼吸も苦しくない。背びれが伸びているようだ。そして、ごく自然に動かせている。どうやら、海の中で生きている生物になったようだ。自分に何が起こったのだろうか? 考えているうちに、ふとあるシーンが頭の中に浮かんだ。 #improSF
2016-11-27 00:10:34#improSF そう夢の中で、遠い遠い、何千光年離れた、僕と僕とよく似たクジラの形をした生き物になっていた記憶がある。それは、きっと、どこかこことは違う、遠い惑星で、でも、そこでも僕は、ここと同じように泣いたり、笑ったりしていた。
2016-11-27 00:15:35#improSF 今度、体が入れ替わったら、入れ替わっていることをどこかに書き残しておかねばならない。でも、あの夢の中の星はこことは違う言葉、不思議に夢の中では、僕はその言葉がわかるんだ。だから僕は、そこに書き残しておかなくちゃ。言葉を。
2016-11-27 00:17:40#improSF 言葉を書き残すということがどういうことか正直分からなかったが、この星の生物(クジラとしたい)はお互いが通信網のようなもので繋がっていて、それでお互いやりとりをし、またその記録をそれぞれがのこしていた。驚くほど自然にその仕組みを理解することができた。
2016-11-27 00:21:11#improSF "あなたも夢を見ますか?" と書き残したのは、極力刺激の少ない問いかけで様子を伺いたかったからである。しかし
2016-11-27 00:24:38#improSF 入れ替わっている間、仲間のクジラや魚たち、サンゴのおしゃべりからわかったことなのだが、この星では「夢」「夢を見たこと」を口にするのはタブーになっているらしいのだ。
2016-11-27 00:30:12#improSF 「なんか、起きてもすっきりしないんだよね、、夢のなかでさ」 「オイ!」と、口先をつつきあう魚を何度か見かけたことがある。 だが、いつも隠れ家にしてある岩場に僕は見つけたんだ。こんなメッセージがあるのを。
2016-11-27 00:34:31#improSF 「この星の太陽はひとつ?」やはり、僕の体は遠くの誰かと入れ替わって言える。しかもとても遠く、遠くのだ。なぜなら、この世界の太陽は3つ。ひとつというのは、入れ替わっている誰かの星系での話だ。僕は長老にこの現象を相談しに行った。
2016-11-27 00:36:42#improSF 長老は言った。「もちろん、相対性理論にあるように、光より早いスピードでは通信できない。しかし、ここ、と、何光年離れた空間は、高次元のブリッジによってつながっているのだ。宇宙には何か所かそういった、遠くと遠くがつながってしまった場所がある。ここもそういう場所だ。
2016-11-27 00:37:32#improSF そして、そういう場所で生まれた生物は、二つの世界を行き来できるようになる。しかし、かつて栄えた銀河帝国はそのネットワークを利用して、敵を出し抜こうとした。我らは軍事に利用され、また多くの同胞が帝国からも、その敵からも抹殺された。我らの力を恐れたのだ。
2016-11-27 00:38:00#improSF 我らは力を隠した。そして、その力も失われつつある。だが、なぜ、今、その力が復活したのか、それは重大なことかもしれん。」長老はそう言うと、口をつぐんだ。僕は空を見上げる。そこには、
2016-11-27 00:40:39#improSF 「おかしいな。空に星が見えない」ふと手元を見ると、ノートにメモが一つ書いてあるのを見つけた「これが夢であるか確かめる方法は?」
2016-11-27 00:45:41#improSF 次の瞬間周りが闇に包まれ、意識はまたクジラのもとに旅たった。どうやら自分は「夢をみたこと」を一族の集会で詰問されていた。この星で夢をみると遠くに意識が転送されることがあり、それがこの宇宙の秩序を壊すらしい、その結果
2016-11-27 00:49:43#improSF 宇宙の始まりと終わりがつながってしまう。 夢の中は異なる次元の宇宙で、僕の星が存在する宇宙ではない。しかし、この能力は異次元をつなぐもの。本来交わってはいけない宇宙が入り混じってしまうのだ。
2016-11-27 00:53:55