いやしかし昨日観た『ゼロ・ダーク・サーティー』は傑作だった。思い返すごとにじわじわくる。アメリカのプロパガンダ映画でしょ?と思ってる人は安心して下さい。半分ぐらいがCIAによる拷問シーンです笑。よくあんな映画にオバマ政権になったとは言え、政府が協力的な姿勢を示したなと思います。
2013-09-16 01:57:14オバマがこの映画に内部資料ゴソッと提供したって話があるんだよね。当事者は否定してるけど。プロパガンダとしても、ブッシュ時代についてはタブーなし、なんだろうな。
2013-09-15 04:23:16オバマはグアンタナモの閉鎖を公約として打ち出して一期目の当選をしたんだけど、結局グアンタナモは閉鎖できなかった。でもやっぱりグアンタナモを閉鎖しようとした大統領の政府が協力する、ってのは、そういうことなんだと思う。プロパガンダだとしても、そういうプロパガンダだよね。
2013-09-16 01:59:41欲を言えば、もうちょっと人間ドラマを掘り下げて描いても良かったと思うけど、あれ以上掘り下げるとウソになるもんね。あとは察しろってことで。吉村昭がビンラディン暗殺を描いてそれを映画化したらああなるんじゃないかってトーンでした。何でも吉村昭を持ち出してすみません。
2013-09-16 02:02:10あの映画の最も危険なプロパガンダとしては、アメリカのやっている対テロ戦争というのは、やはりしょうがないんじゃないか、こうやってこの文明社会というのは守られてるんじゃないか、情報を取るための捕虜への拷問もしょうがないんじゃないか、って少しずつ観る人が思ってしまうこと。
2013-09-16 02:04:03でもそれは、ブッシュ政権の政策への批判、ましてやオバマ以降の政策への批判とは、別の次元にあるし、そうあるべきなんだよね。南北の圧倒的な格差、ポスト植民地・ポスト冷戦時代の歪み、宗教戦争。文明社会というのはこういう苛烈な世界の軋轢の上に成り立っているんだ、ということ。
2013-09-16 02:06:44だからあれは、例えばアメリカのシリアへの軍事介入に対して思考停止して拒絶してしまっている人は、絶対に受け入れられない映画だと思う。まさにその思考停止を突いてくるから。映画が突いてくるんじゃなくて、映画がありのままに描いている国際政治・軍事の現実が突いてくる。
2013-09-16 02:09:17でも、その思考停止の先に進もうとする人にとっては、あんなに示唆に富むものはないんじゃないかな。それは映画それ自体の凄さだけじゃない。オバマのやってきた対テロ戦争というものに、そういう性質があるんですよ。オバマとは何者か、ということなんです。アメリカとは何なんだ、と。
2013-09-16 02:10:36@bcxxx それはやっぱり、あの映画がCIAの労働に対して否定的ではないからではないでしょうか。拷問もCIAの仕事の一つとして、クールに捉えられている。
2013-09-16 02:11:10そうです。いや、否定的に観ることも、観ないこともできる。あの労働は結局その役割によって捉えられるしかない。 RT @Bgodfather それはやっぱり、あの映画がCIAの労働に対して否定的ではないからではないでしょうか。拷問もCIAの仕事の一つとして、クールに捉えられている。
2013-09-16 02:12:56つまりテロリストをあらゆる手段を使って探し出す、という仕事に、賛成できるかできないか、なんです。ビンラディンをなぜ殺してしまうんだ、裁判にかけるべきじゃないか、という考えはもちろんあります。それは置いておいてです。@Bgodfather
2013-09-16 02:14:18シリアへの巡航ミサイルによる攻撃も同じだ。どうして武力攻撃なんだ、誤爆もあるじゃないか、さらに死人も増えるじゃないか、という論理がある。一方で、それでも人道のためにやるべきだ、という論理もある。
2013-09-16 02:16:37アメリカが、ブッシュ時代を含めて、この10数年間に、ジハディストのテロリストを探し出して、首領格を次々と処刑してきたことは確かなんだよね。そして欧米やその他の地域の大都市でのテロも、何回も未然に防がれている。防がれなかったテロもいくつかある。
2013-09-16 02:18:18恐ろしいことだけど、それが現実なんだよ、と、映画製作者は言っているわけだ。その現実の中で、あなたたち安全なところでこの映画を楽しんでいる人たちも、生かされているんだよ、と。これは『ハート・ロッカー』の時から変わっていないメッセージだと思う。
2013-09-16 02:20:19『ハート・ロッカー』の時は、主人公の生き様、俺節みたいなのがもっと前面に出ていて、そういうメッセージ、テーマが少し見えにくくなっていた。しかし今回は主人公たちの役割はもっと奥に引っ込んでいる。対テロ戦争の現場で働く人間というのはあれが実際に近いんだと思う。よりリアルになった。
2013-09-16 02:21:45@RintaroWatanabe 脚本は凄いですね。説明不足も恐れてないですね。総量として事態を掴んで投げ出すようなことをやれている。そうしないとこの時代を描くのは難しい。
2013-09-16 02:31:20なんでビンラディンを殺すんだ、裁判にかけないんだ、って疑問、これはでも映画の制作者じゃなくてオバマに向けられるべきことなんだよね。オバマは作戦が完了するまでずっと側近たちと生中継を観てたんだよね。ホワイトハウスで。
2013-09-16 02:32:49映画にはオバマはテレビ出演映像を除いて出てこないが、上から現場に指令が降りてくる。やれ、と。オバマがビンラディンを殺せと言ったんだよね。なぜ殺すのか。これはオバマにとって対テロ戦争とは何なのか、と大きく関わっている。
2013-09-16 02:34:36オバマは対テロ戦争をブッシュから引き継いだ。ブッシュが嘘の大量破壊兵器で国民ばかりか世界をペテンにかけてイラクに侵攻して泥沼にしてしまった。その後始末をするのが自分だと、明確にオバマは定義づけている。対テロ戦争も終わらせるんだ、と。どうやって終わらせるか?テロリストを殺す。
2013-09-16 02:35:55